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ヤコブ,II聖書に対する洞察,第2巻
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その後ヤコブはエルサレム会衆の顕著な成員となり,同会衆の「使徒」となったようです。(「使徒」[会衆の使徒職]を参照。)例えば,パウロは最初にエルサレムの兄弟たちを訪れた時(西暦36年ごろ),自分は15日間ペテロと共に過ごしたが,「使徒のうちほかのだれにも会わず,ただ主の兄弟ヤコブに会っただけ」だと述べています。(ガラ 1:18,19)ペテロは奇跡的に獄から解き放たれた後,ヨハネ・マルコの家にいた兄弟たちに,「これらのことをヤコブと兄弟たちに報告してください」と指示し,そのようにしてヤコブが顕著な立場にあったことを示唆しました。(使徒 12:12,17)西暦49年ごろ,割礼をめぐる論争がエルサレムの「使徒や年長者たち」の前に出されました。ペテロ,バルナバ,パウロによる個人的な証言に続いてヤコブが発言し,その集まりで承認され採択された決定を提出しました。(使徒 15:6-29。使徒 16:4と比較。)パウロはその時のことに言及し,ヤコブとケファとヨハネはエルサレムの人たちの中で「柱と思えた」と述べています。(ガラ 2:1-9)パウロはその後に行なった宣教旅行の終わりに,エルサレムでヤコブと『すべての年長者たち』に自分の宣教について報告します。次いで,それらの人たちが,従うべき特定の諭しをパウロに与えます。―使徒 21:15-26。ガラ 2:11-14も参照。
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