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コリント聖書に対する洞察,第1巻
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産業と建造物 ですから,西暦50年ごろ,パウロが到着したコリント市は商業活動のせわしい交差点であり,政治活動の中心地でした。コリントの富に大いに寄与したのは絶えず地峡を横切って運ばれる積み荷に関して徴収される通行料でしたが,この都市は陶器や青銅器で有名な産業の中心地でもありました。都市それ自体は二つの台地の上に築かれており,一方の台地は他方のそれよりも30㍍ほど高くなっていました。市の中心部には広々としたアゴラ,すなわち市の立つ広場があり,その周りには柱廊や公共建造物が立ち並んでいました。また,その市の立つ広場に向かって幾列もの商店街が店を開いていました。発見された遺跡の一部は,肉その他の食料品,それにぶどう酒などを売る店があった形跡を示しています。ある碑文にはマケッルムという言葉が一軒の商店に対して用いられていました。この語は,コリント第一 10章25節でパウロが「肉市場」を指して用いたギリシャ語マケッロンに相当するラテン語です。ある踏み段の上で見つかった別の碑文には,「肉屋ルキウス」とありました。
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偶像にささげられた肉聖書に対する洞察,第1巻
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しかし,儀式として肉を偶像にささげても,肉には何の変化も生じなかったので,クリスチャンは,肉の一部を宗教的な神殿から受け取っている市場から,正しい良心をもって肉を買うことができました。そのような肉はその“神聖な”意味合いを失っていました。それはほかの肉と同じく差し支えのないものであったため,クリスチャンはその出どころについて尋ねる義務はありませんでした。―コリ一 10:25,26。
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