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不法の人聖書に対する洞察,第2巻
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「不法の人」は自ら神に逆らい,それゆえに「抵抗者または反抗者」を意味する「サタン」のような者になっています。実際,この人が『存在するのはサタンの働きによります』。(テサ二 2:9)使徒パウロの時代に,この「不法の人」の実体は「秘事」もしくは宗教上の奥義でした。今日に至るまで,その人の実体は多くの人の思いの中で神秘に包まれています。この人は,敬虔な専心を装って邪悪な行ないをしているからです。(テサ二 2:7)「不法の人」は,神の律法に反する偽りの教え,言わば神の律法に取って代わる偽りの教えによって,エホバ神や他の『神々』,つまり地の力ある者たちの上に自らを高め,さらには神の聖なる者たち,すなわちイエス・キリストの真の霊的兄弟たちに敵します。(ペテ二 2:10-13と比較。)この人は偽善者であり,クリスチャンと自称する偽教師なので,「神の神殿に」,すなわち,そうした偽教師たちが自分でその神殿であると唱える所に「座し」ています。―テサ二 2:4。
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異兆聖書に対する洞察,第1巻
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イスラエルに偽預言者が起こったように,クリスチャンの会衆内にも予告された背教によって「不法の人」が現われることになっていました。その存在は『あらゆる強力な業と偽りのしるしと異兆を伴うサタンの働き』によって明示されます。(テサ二 2:3-12)ですから,その背教運動を支持するために並べ立てられる証拠は薄弱な取るに足りないものではなく,サタンの力強さを明らかにするものとなります。しかし,その異兆は偽りのものであり,上辺を繕った詐欺的なものか,それによって導き出される結論が欺瞞的なものかのどちらかです。そのような異兆は,神の情けと恵みの現われのように見えますが,実際には人の注意を命の源と命の道筋からそらすものとなります。―コリ二 11:3,12-15と比較。「奇跡」; 「しるし,標識」; 「力,強力な業」を参照。
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