-
契約の箱聖書に対する洞察,第1巻
-
-
契約の箱は神聖な記念物や証の品を保管するための聖なる文庫としても用いられました。おもな中身は2枚の証の書き板,すなわち十戒の書き板でした。(出 25:16)「マナを入れた金のつぼと,芽を吹いたアロンの杖」もその箱に加えられましたが,それらはソロモンの神殿が建造される前のいつか,取り除かれました。(ヘブ 9:4; 出 16:32-34; 民 17:10; 王一 8:9; 代二 5:10)モーセは自分が死ぬ少し前,「律法の書」の写しをレビ人の祭司たちに与え,それを箱の中ではなく,「あなた方の神エホバの契約の箱の傍らに」置いて,それを「そこにあってあなたに対する証し」とするようにと指示しました。―申 31:24-26。
-
-
火取り皿聖書に対する洞察,第2巻
-
-
ヘブライ 9章4節には,契約の箱と並んで,至聖所に付属する,あるいはそれに関連したある物のことが述べられています。それはギリシャ語ではテュミアテーリオンと呼ばれています。その語は,香をたくことに関連した何かを指しています。それは香の祭壇だったのでしょうか。中にはそのような考えを示した訳もあり,その裏付けとして,フィロンやヨセフスが香の祭壇を指してこの語を使っている点が引き合いに出されています。(新国,新英,エルサレム,改標)もちろん周知のとおり,香の祭壇は実際には至聖所の中にありませんでした。(出 30:1,6)しかし,それは垂れ幕のすぐ外側,つまり列王第一 6章22節の表現を借りれば「一番奥の部屋の方に」ありました。(出 40:3-5と比較。)一方,テュミアテーリオンは「香炉」と訳すのが適切な場合もあり,実際のところ贖罪の日には大祭司が香炉を至聖所に運び入れていました。(レビ 16:12,13)ギリシャ語セプトゥアギンタ訳の中で,このテュミアテーリオンは常に香炉を指す語として用いられています。(代二 26:19; エゼ 8:11,七十訳)ただし,贖罪の日の出来事を説明したレビ記 16章12節では別の言葉が用いられています。しかし,ユダヤ教のミシュナは,贖罪の日に特別な金の香炉が使われるようになったことを示唆しています。(ヨマー 4:4; 5:1; 7:4)それで,テュミアテーリオンの訳として「香炉」のほうを取る翻訳者がいるのももっともなことです。―新世,信心会,ドウェー,ヤング,ダービー,ノックス。
-