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  • 代理出産 ― クリスチャンは行なってもよいか
  • 目ざめよ! 1993
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目ざめよ! 1993
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聖書の見方

代理出産 ― クリスチャンは行なってもよいか

「本人が優れた人である限り,どのような親のもとに生まれたかは重要なことではない」と書いた古代ローマの詩人ホラティウスは,代理出産など知るよしもありませんでした。17世紀のあるフランスの作家が,「道徳観念がなければ,誕生は無きに等しい」という金言を述べたのも,代理出産の概念が泥沼のような法的問題になるずっと以前のことでした。しかし,新しい生殖技術が開発されたため,メリー・トムがミズ誌の中で述べているように,「卵子を作る人,胎児を育てる人,生まれた赤ちゃんの世話をする人の役割」が二人か三人の“母親”の間で分担されるかもしれません。「道徳観念」や『重要さ』が,あいまいで複雑な問題になりました。

代理母を使った出産が世の中に登場したのは1970年代の半ばのことで,それまでになかった社会的・道徳的・法的問題を引き起こしました。不妊に悩む夫婦の中には,非伝統的なこの出産技術を利用したいと切実に願う人もいました。一方,医師や弁護士や立法機関は,日進月歩の受精技術についてゆき,持ち上がる倫理的また道徳的問題に当てはまる指針を定めようと悪戦苦闘してきました。

代理出産とは何か

代理出産または契約出産とは,人工授精によってある女性が別の女性の代わりに子供を産むことです。代理出産の従来の方法の場合,代理母は,契約を結んだ夫婦の夫が提供する精子を使って人工授精で妊娠します。ですから,代理母は遺伝的には赤ちゃんの母親です。借り腹という方法は,妻の卵子と夫の精子を,体外(試験管)受精として知られる過程を使って子宮外で結合させ,胎芽を代理母の子宮に移すというものです。

なぜ代理出産が急増しているのでしょうか。一つの理由は,先端技術を使った科学によって,女性の妊娠を助ける幾つかの方法が発見されたからです。夫婦がどうしても子供が欲しいと思っていても,不妊や何らかの不都合のため,また養子にできる健康な赤ちゃんが少ないため,子供を持つことができない場合があります。そこで,赤ちゃんを持つために他の人の体をお金を出して借りるのです。多額のお金が関係しているので,代理出産は,「不本意な隷属と奴隷状態」とか,「貧民の生殖力の露天掘り」などと痛烈に呼ばれてきました。

米国ニュージャージー州最高裁判所は,富んだ人が貧しい人を搾取する可能性を認めて,代理出産に関係したある事件の際にこう述べました。「要約すれば,たとえ富を用いて労働や愛や命を買えるとしても,世の中にはもっと価値あるものが存在する」。またフランス最高裁判所は,代理出産は女性の体を侵害するものであり,「人体を貸したり,借りたり,売ったりすべきではない」と述べました。

代理出産に伴う問題

代理出産には多くの問題が伴います。一つの問題は,出産した女性が赤ちゃんを手放したがらない場合,法廷で醜い争いが起きる可能性があるということです。生まれた赤ちゃんはだれの赤ちゃんでしょうか。出産した女性のでしょうか。それとも卵子を提供した女性のでしょうか。そうなると,喜びの時であるはずの出産が,裁判所での争いに発展することがあります。別の問題は,代理母になることに同意した女性の中に,契約した子供の妊娠と出産を経て気持ちが変わってゆく人がいるということです。数か月前に結んだ契約を履行するのがだんだん難しくなってゆくのです。母親と胎内の赤ちゃんとの間には強力な絆が形成されてゆきます。このような絆が生まれるとは思っていなかったある代理母は,赤ちゃんを手放す時の気持ちについて,「まるでだれかを死によって失ったような気持ちでした。私の体は娘を叫び求めました」と述べています。

ほかにも,そのような出産は,代理母の他の子供たち,赤ちゃんを受け取る家族,生まれてくる子供自身に,どのような長期的な影響を及ぼすおそれがあるでしょうか。代理母が産んだ子供に先天的な欠陥がある場合にはどうなるのでしょうか。父親にはその子供を受け取る義務があるのでしょうか。もしそうでなければ,だれが子供の養育費を支払うのでしょうか。さらに,もっと大切な問題があります。つまり,神は代理出産に関してどのような見方を持っておられるでしょうか。

代理出産は結婚を誉れあるものとするか

神の言葉は,神が結婚を神聖なものと見ておられると述べています。例えば,ヘブライ 13章4節には「結婚はすべての人の間で誉れあるものとされるべきです。また結婚の床は汚れのないものとすべきです。神は淫行の者や姦淫を行なう者を裁かれるからです」と述べられています。a 神は,すべてのクリスチャンが結婚を誉れあるものとみなし,そのような状態を保つよう期待しておられます。結婚は何によって汚されるのでしょうか。結婚前にそれを汚す淫行と,結婚後にそれを汚す姦淫によってです。

代理出産は結婚を誉れあるものとし,結婚の床を汚れのないものとするでしょうか。端的に言えば,答えは「ノー」です。従来の方法による代理出産の場合,女性は精子提供者の精子によって妊娠しなければなりません。聖書の見方はレビ記 18章20節に見いだせるかもしれません。そこには,「あなたの射精をあなたの仲間の者の妻に与え,それによって汚れた者となってはならない」と記されています。性交による受精と,精子提供者の精子を使う人工授精の間に区別を設ける聖書的根拠はありません。したがって,どちらの場合にも,女性の法律上の夫以外の男性によって受精がなされれば,淫行か姦淫のどちらかが犯されることになります。

借り腹という方法による代理出産についてはどうでしょうか。これも結婚の床を汚します。もちろん受精卵は夫の精子と妻の卵子が結合したものではありますが,そのあと別の女性の子宮に移され,実際に妊娠するのはこの女性です。代理母は,自分の夫との性関係の結果妊娠したのではありません。こうして,この女性の生殖器官は配偶者以外の人によって用いられていることになります。これは,女性が産むのは自分の夫の子供であるという聖書の道徳上の原則と一致しません。(申命記 23:2と比較してください。)代理母の夫以外の男性が代理母の生殖器官を用いるのはふさわしくないと言えるでしょう。それは結婚の床を不適切に行使することになります。このようなわけで,代理出産はクリスチャンが行なうべきものではありません。

[脚注]

a 「新約聖書語彙研究」という参考文献は,ヘブライ 13章4節の「結婚の床」という言葉には,結婚している状態だけではなく,結婚関係の行使も汚されるべきではないという意味があることを示しています。

[26ページの図版のクレジット]

Pastel by Mary Cassatt, The Metropolitan Museum of Art, Gift of Mrs. Ralph J. Hines, 1960. (60.181)

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