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ヨハネの手紙聖書に対する洞察,第2巻
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ヨハネは最後まで生き残った使徒でした。クリスチャン・ギリシャ語聖書の他の手紙の最後のものが書かれてから30年以上がたっていました。やがて使徒たちはみな活動舞台から姿を消すことになっていました。この時よりも何年も前に,パウロはテモテに自分がテモテと共にいる期間はもうそれほど長くないと書いていました。(テモ二 4:6)パウロはテモテに健全な言葉の型を保つよう,またパウロから聞いた事柄を忠実な男子にゆだねて,それらの人が今度は他の人たちを教えられるようにすることを勧めました。―テモ二 1:13; 2:2。
使徒ペテロは,会衆内から偽教師が起こり,破壊的な分派を持ち込むようになることについて警告していました。(ペテ二 2:1-3)さらに,パウロはエフェソス(後にここでヨハネの幾つかの手紙が書かれた)の会衆の監督たちに,「圧制的なおおかみ」が入り込んで群れを優しく扱わなくなることを告げていました。(使徒 20:29,30)また,その「不法の人」が引き起こす大規模な背教を予告しました。(テサ二 2:3-12)そのようなわけで,西暦98年には,「幼子たちよ,今は終わりの時です。そして,あなた方が反キリストの来ることを聞いていたとおり,今でも多くの反キリストが現われています。このことから,わたしたちは今が終わりの時であることを知ります」とヨハネが述べたとおりの状態でした。(ヨハ一 2:18)したがって,この手紙は最も時宜にかなっており,背教に対する堡塁である忠実なクリスチャンを強めるのに非常に重要でした。
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不法の人聖書に対する洞察,第2巻
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使徒たちの時代に作用していた 使徒パウロは,その秘事が「すでに作用してい(る)」と言いました。(テサ二 2:7)偽りの教理を教えようとする者たちが存在しており,中には,テサロニケ会衆をかき乱す者たちさえいました。そのこともあってパウロは彼らに二番目の手紙を書いたのです。ヨハネが手紙を書いた時には反キリストがいましたから,反キリストはその前から存在していたに違いありません。ヨハネは使徒時代の「終わりの時」について語り,こう言いました。「あなた方が反キリストの来ることを聞いていたとおり,今でも多くの反キリストが現われています。……彼らはわたしたちから出て行きましたが,彼らはわたしたちの仲間ではありませんでした。わたしたちの仲間であったなら,わたしたちのもとにとどまっていたはずです。しかし彼らが出て行ったのは,すべての者がわたしたちの仲間なのではないことが明らかになるためです」。―ヨハ一 2:18,19。「反キリスト」を参照。
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