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パウロ,I聖書に対する洞察,第2巻
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では,ヨハネの幻に出て来る新しいエルサレムの「十二の土台石」にはだれの名が含まれているのでしょうか。マッテヤの名ですか,パウロの名ですか。(啓 21:2,14)ある線に沿って推論すると,パウロの可能性が高いように思えるかもしれません。パウロは自分の奉仕の務めにより,また特にクリスチャン・ギリシャ語聖書のかなりの部分を書いた(14通の手紙が彼の作とされている)ことにより,クリスチャン会衆に大きく貢献しました。それらの点でパウロは,使徒 1章から後の部分では直接言及されていないマッテヤよりも“光を放って”います。
とはいえ,冷静に考えてみると,パウロは当初の12使徒のうちの多くより“光を放っている”ことも明らかになります。それら12使徒の中には,使徒の名が列挙されている箇所を別にすると,名前さえめったに出ていない人もいるのです。クリスチャン会衆すなわち霊的イスラエルはパウロが転向した時までにすでに確立され,つまり土台が据えられ,恐らく1年かそれ以上の期間,成長を続けていました。それにまた,正典とされるパウロの最初の手紙は,西暦50年ごろまでは書かれなかったようです。(「テサロニケ人への手紙」を参照。)西暦50年といえば,新しい国民である霊的イスラエルの土台が据えられた西暦33年のペンテコステの17年後になります。このように,これらの事実,それにこの項の前のほうで提出された証拠によって問題は明確になります。ですから,「子羊の十二使徒」の中のユダに代わる者として神が最初にマッテヤを選んだことは,その後も変わることなく,後に使徒職に就いたパウロの影響を受けなかったとするのは道理にかなっているようです。
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壁,城壁,へい聖書に対する洞察,第1巻
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エレミヤは彼に敵対する者たちに対して強化された銅の城壁のようになるであろうと告げられました。(エレ 1:18,19; 15:20)別の例えの中では,神の民が文字通りの城壁のない,したがって一見無防備に見える都市の中にいるかのように住んでいるのに,神の見えない助けがあるので平和と安全を楽しんでいます。(エゼ 38:11)あるいは別の観点からすれば,強固な都市とは,エホバを「火の城壁」とする都市(ゼカ 2:4,5),または単なる石やれんがの壁ではなく,エホバによって据えられた救いという城壁を持つ都市ということになります。(イザ 26:1)天から下って来る「聖なる都市,新しいエルサレム」は,碧玉の「大きくて高大な城壁」を持っていると言われており,その城壁の高さは144キュビト(64㍍)で,12使徒の名が彫り込まれた貴重な宝石から成る12の土台石を持っていると言われています。―啓 21:2,12,14,17-19。
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