魂を得るに至る信仰を行いにあらわす

（1963年のエホバの証者の年鑑より）

韓国

人口: 24,930,000

最高伝道者: 4,416

比率: 5,645人に1人

良いたよりを広めるための大規模な宣教の仕事に参加して，全世界の勇気ある奉仕者と共に働くのはなんと大きな喜びでしょう。昨年1年間，韓国のエホバの証者もこの大きな仕事に加わりました。不穏な情勢の中で仕事を進めて行くためには勇気が必要でしたが，絶え間ない流れのごとく霊的な食物が供給されたので，韓国の伝道者は良く働きました。御国宣教学校も大きな助けになりました。訓練を受けた兄弟や姉妹は全部で170人で，そのうち75人が会衆の監督です。彼らは学んだ事柄を実際に応用することによって，この国に住むエホバの「羊」を養い，導き，守り，世話するためのそなえを一層身につけました。昨年の革命のために国内情勢は絶えず変化していますが，次に示す支部の僕からの報告にも見られるように，兄弟たちは宣教の仕事に心を用い，数々の良い経験があります。

韓国における「勇気ある奉仕者地域大会」は3ヵ所で開かれ，公開集会における出席者の合計は5056名で，これはそれまでのどの大会の出席者数をも上まわります。土曜日に出席していた3478の兄弟たちは，発表された上なる権威に関する説明を食いいるように聞き，それがすばらしく，特に時宜にかなった内容のものであることにすべての人が気付きました。現在この国においては上なる権威から多くの事が要求されており，真のクリスチャンがそれぞれの事態にどのように対処するかを学んだのは実に良い事でした。

お金をほとんど持っていない住民が多いので，地方の村落で雑誌を配布することはあまりやさしくありません。雑誌配布の目標を良く達成している巡回の僕が，配布のすくないことを問題にしていた特別開拓者を訪問しました。その開拓者からの手紙は次の通りです。「巡回の僕が物々交換によって容易に雑誌を配布することに気付きましたので，私も早速やってみました。自分でも驚いているのですが，前よりも多くの雑誌を配布するだけでなく，丁度買わなければならないような日用品が色々手に入ります。今私は伝道に行くとき適当な大きさのかばんを持って行くことにしています。ある日あまり沢山のお米と交換して全部持って帰れなかったことがあるからです」。巡回の僕はこれまでに50種以上の品物と交換したことがあり，その中にはお米から練歯みがきまであります。

バプテスマを受ける以前から聖書の原則を日常の生活に適用することには価値があります。一人の姉妹はある女の人に雑誌を1冊配布し，3日後に再訪問して研究が始まりました。3ヵ月間定期的な研究が続き，その後女の人は集会にも出席するようになりました。6ヵ月後には伝道を始め，毎月20時間から30時間を奉仕に費し，短い証言を覚えて雑誌の目標も超えました。この人はまだバプテスマを受けていませんが，自分の子供たちとの定期的な研究をも始めました。姉妹はいつも研究の後に，クリスチャンにふさわしいふるまい，伝道，エホバの証者の組織のことなどについて話しましたが，特に，まだ真理を受け入れず，時に反対さえする御主人に対してどうすべきかについて話しました。この女の人は聖書から与えられる数々の助言に良く従いました。家の中をそれまで以上にきちんと片づけ，掃除にも注意し，御主人に対してももっと細かに気をつかうようになりまた。その結果として，御主人も聖書に興味を持つようになり，勉強を始め，今では全家族が真理にはいっています。婦人のふるまい方，夫に対する妻の服従に関するペテロの言葉がこの場合にも良く守られました。―ペテロ前 3:1，2。

区域内にあるすべての家を訪問することも大切です。一姉妹の次の経験がそのことを良く示しています。「休暇開拓奉仕の時，自分が割り当てられた区域のひとすみひとすみを徹底的に伝道するつもりで始めましたが，あまり聞かない人ばかりなので，ある日すっかりがっかりしてしまい，まだ二，三軒残っていましたが，『ここにもどうせ「羊」はいないだろう』と考えました。しかしそのまま地図のカードを区域の僕に返すのはどうしても良心が許さず，ともかく行ってみるべきだと思いました。自分の良心が良い導きになったと言えます。というのは，その残された区域の中で『失われた羊』を一人見つけたからです。その人は他の土地から私たちの区域に移って来てそのまま不活発になっていた伝道者でした。その人はまず第一に『神を真とすべし』の本を復習することを望み，早速勉強を取りきめました。間もなくこの人は会衆とまじわるようになり，再び活発な伝道者になりました。残った二，三軒を勇気を出して伝道したことを非常に喜んでいます」。