聖書研究を始める
1 わたしたちすべては,家庭聖書研究を少なくとも一つ司会したいと願っています。しかし,どのようにして新しい研究を始めることができますか。これは,多くの人にとって問題です。では,この問題をどのようにして克服できるかを考慮してみましょう。まず,わたしたちには,エホバの霊と助けが必要です。わたしたちが聖書を学び,神の約束に喜びをいだくにつれ,神は確かにわたしたちにご自分の霊を注がれます。わたしたちは家庭聖書研究を始めるという目標を目ざして働く際に,その霊を「火のようにかき立たせる」ことができるのです。―テモテ後 1:6,7,新。
2 準備はたいせつです。戸別伝道で,あるいは再訪問で聖書研究を勧める際,何をいつ話すかを前もって知っておくべきです。そして,携えている文書の中のある節を用いて,研究の仕方を実際に示すことができるようにしておくべきです。また,研究を司会するために毎週訪れる都合のよい時間を覚えておき,約束の時間に尋ねられるよう準備すべきです。かなりの関心を示す人には,定期的な研究が設けられるようになるまで関心を高めさせるため,毎週あるいはそれ以上ひん繁に訪問し続けてください。
3 新しい研究を始めるのに,間接的な方法は非常に巧みな方法の一つです。新しい研究を数多く始めているある巡回のしもべは,戸別伝道でこの方法を次のように用いています。紹介のことばを述べたとき家の人が友好的な態度を示すと,今まで聖書を読んだことがあるかどうかを家の人に尋ねます。家の人の返事に敬意をもって耳を傾けてから,「見よ!」の小冊子を取り出し,8節とその質問に注意を引きます。質問を読み,また直ちに節を読みます。それから質問に戻って,家の人が節の中から答えをさがすのを助けます。こうして,また聖書の目次をさえ示してヘブル語聖書は39冊,ギリシア語聖書は27冊,合計66冊の本でできているというような,聖書に関するたいせつな事柄を強調します。「見よ!」の小冊子の8節をこのように取り扱うことによって,家の人は,実際に聖書そのものについて多くのことを学べます。この初めの段階では,「研究」ということばは用いられませんが,聖書についてさらに「話し合う」ため,二,三日あるいは一週間後に再び訪れるはっきりした取り決めを設けられます。こうした方法で多くの新しい「研究」を始めることができるでしょう。しかもそうした訪問の終わりごろには,家の人が聖書の「話し合い」をさらに望むか望まないかにはかかわりなく,適当に本と小冊子を提供することができるのです。
4 「良いたより」の小冊子の26節でも,この間接的な方法を用いることができます。また,家の人が初めから「研究」をすることに明らかに興味がある場合には,直接,6か月間の「聖書研究」を勧めることができるでしょう。
5 「進化」の本を配布したところや,10月なら「目ざめよ!」の予約をした人に再訪問をすれば,多くの新しい研究が始まるでしょう。それらの人々を訪問する際,「真理」の本を携えて行き,まず,ちらしを紹介することも提案されています。ちらしの2ページをいっしょに読んで,そこにしるされているような疑問をいだいたことがあるかどうかを尋ねます。家の人にとって特に関心のある疑問はどれですか? それがわかったら次に「真理」の本からその疑問に答える章を選びます。(しばしば第20章が取り上げられます。)その章の二,三節を,家の人といっしょに読んで話し合います。このようにして,家の人に「真理」の本を配布し,さらに「話し合う」ための再訪問の道が開かれます。数回訪問してから,適当な時期に,6か月間の研究の取り決めの益にあずかるよう招待することができます。―イザヤ 50:4。