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人を許さなかったどれいものみの塔 1971 | 5月15日
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わたしたちは,他の人にも同じようにしてあげなくてはなりません。ただ,その人を許すというだけではなくて,心臓からほんとうに許してあげなくてはなりません。そうする時わたしたちは偉大な師に従う者になりたいと,ほんとうに思っていることを示しているのです。
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マダガスカル 崇拝の自由を拒否ものみの塔 1971 | 5月15日
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マダガスカル 崇拝の自由を拒否
犯罪と暴力が増加する今日,どの国でも,平和を愛し,隣人の権利を尊重し,国の法律に従順である国民がせつに求められています。
エホバの証人はそのような種類の人々です。彼らは神と仲間の者に深い愛を示し,また官憲当局に敬意を表します。エホバの証人は,世界で最も高くかつ最も有益な道徳規準を,自分の子供や他人の人々にも教えているのです。したがって,エホバの証人の歴史が古い多くの国々では,現在の憎悪,殺人,反乱そして犯罪の時代にあって,エホバの証人は,国が大いに求めているような人々であることが認められています。
もしあなたが政府の要職にあるとするなら,あなたは自分の国にどんな人々が住むことを望みますか。平和を愛し官憲当局に敬意を示すような人々ではないでしょうか。確かにそれは理にかなった,実際的なことと言えます。望ましくないのは,犯罪者,非行者,無政府主義者,麻薬常習者,それに権威 ― 神によるものと人間によるものの両方 ― に敬意を示さない者です。
その理由で,世界中の分別のある人々は,政府がその国の最も平和を愛する市民に禁止令を発するのを知って,たいへん驚かされます。それらの人は,特に国の憲法そのものが崇拝の自由を保証している場合,そのような事態を理解するのに困難を感じます。
ところがまさにそうした理性を欠く誤った処置が,最近マダガスカル島で取られたのです。アフリカ南東部の沿岸沖にあるこの大きな島は,マダガスカル共和国とも呼ばれています。この国のモットーとするところは「自由,祖国,進歩」です。そのようなモットーがあるならば,崇拝の自由の面で進歩が期待されるかもしれません。しかしまちがった方向に進歩したため,マダガスカル共和国は,崇拝の自由への扉を閉じつつあるのです。
この自由を拒否したマダガスカル共和国は,1970年6月,エホバの証人のすべての宣教者に数日以内に国を去らねばならないと通知しました。なぜそんなにも急がせたのですか。それらの人は危険な犯罪者か革命家でしたか。そうではありません。それなのに国外追放の命令が下された理由は,彼らの存在が「公共の秩序と安全をおびやかすものである」ということだったのです。この非難を支持する事実は一つも提出されませんでした。
禁止令下のエホバの証人
そのあと1970年8月8日に,「マダガスカル共和国議事録」に一法令が公表されましたが,法令70431条は,エホバの証人の「結社」を解散させることを定めていました。その法令によると,禁止令は,「破壊行為で有罪となった結社そして……個入」を取り締まる条令に基づくものです。
しかしエホバの証人はどんな「破壊行為」を犯したのですか。やはりここでも,具体的な行為は述べられておらず,またエホバの証人が法廷に呼び出されて,なんらかの破壊行為のかどで有罪とされたこともありませんでした。
憲法を無視する
証人たちの活動を禁止する法令には,「憲法に従って」その処置が取られていると書かれています。ですがそれは真実でしょうか。マダガスカル共和国の憲法はなんと述べていますか。マダガスカル共和国の1970年度版「アニュエール・ナショナル」の中で公表されている憲法の序文はこう述べています。
「彼らの神への信仰,および人身の卓越した尊厳を肯定すると共に,国際連合の世界人権宣言の精神に則って,基本的人権を保証することを決意し,マダガスカル国民は,次のことを巌かに宣言する。
「―― すべての人は人種,民族,または宗教の区別なく,平等の権利と義務を有する……」
「―― 思想の自由,良心の自由,および信教の自由は,道徳および公共の秩序が守られるかぎりにおいて,すべての人に保証される。国は崇拝の自由を保証する」。
だがエホバの証人に対する禁止令は,「基本的人権を保証する」決意を本当に反映しているでしょうか。そのような禁止令は「信教の自由」の保証を踏みにじるものです。マダガスカル共和国は自国の憲法に敬意を表明していません。
問題は明らかに深刻なものです。マダカルガスにおいては,聖書に従って崇拝する自由が拒否されているので,今後その国に訪問する人は何を考えるでしょうか。その人は自分自身の崇拝の自由またそれ以外の自由が,自国の憲法を勝手にふみにじる政府によって侵害されることはないというどんな保証を持っていますか。あなたは,そのような基本的な自由をふみにじる国で安心感が得られますか。
マダガスカルで行なわれたことは,すばやく世界中に報道されています。その結果,マダガスカル共和国が属している国際連合によって発布された人権宣言に,はたして同国が従っているか,という疑問が投げかけられます。
公共の秩序と安全を脅かす者ではない
エホバの証人が神の王国と聖書の他の真理を伝道している206の国々において,彼らが政府を転覆させようとする騒乱に加わったことは一度もありません。さらに証人たちは,世界中で配布されている彼らの文書を通じて,政府に従うこと,また国の法律に敬意を示すことを勧めています。60か国語で3,200万冊印刷された「とこしえの命に導く真理」と題する,彼らが用いている聖書手引の本は,「法に対するクリスチャンの服従」という章の中で,そのような敬意を示すことを勧めています。
一般の報道は,しばしば証人たちの公でのりっぱな秩序とふるまいについて取り上げてきました。1969年8月にフランスで開かれた国際大会では,マダガスカル共和国を含めた78か国から47,480人の大会出席者が,パリ近くのコロンブ・スタジアムに集まりましたが,フランスの新聞は,証人たちの穏やかなふるまいを異口同音に称賛しました。有名な一新聞は,「スタジアムを訪問した神」と題する4段抜きの見出しの下に次のように報道しました。
「ノア『兄弟』[エホバの証人の世界組織の会長]は,その講演の中で,この世の諸政府はいつの日か,神の王国に屈服することになるが,『このことは,現体制をてん覆させたり,国の正当な法律に背くよう,他の人をそそのかしたりする権限をクリスチャンに与えるものではない。エホバの証人は無政府主義者ではない。彼らは税金を払い,秩序を維持するために警察官と協力する』」― 1969年8月7日付,ル・モンド,8ページ。
真実に聖書に従って生活する人々は,どの政府にとっても脅威となるものではありません。それにエホバの証人は,コリアーズ百科辞典が述べるごとく,「聖書を非常に重要視」しています。聖書が証人たちに及ぼす影響に関して,オランダの新聞「ヘッド・スタッデスブラッド」(都市新聞)の1967年11月23日付ブレダおよびバロニー版は,M・バン・デール記者による記事の中でこう伝えています。「これらの証人にとって聖書は,あらゆる知恵とあらゆる真理が引き出される本である。用いられている方法は,約2,000年前の初期クリスチャンが用いた組織から受け継がれてきたものである」。
したがって,マダガスカル政府がエホバの証人に禁止令を下したことは,事実上,証人が伝道し教えている聖書とキリスト教に禁止令を下したことになります。
政府高官に訴える
もしあなたが崇拝の自由を愛され,これら平和を愛するクリスチャンが,良心の命ずるところに従って神を崇拝するという,彼らの「基本的権利」を取りもどすのを援助したいと望まれるならば,あなたの国に駐在するマダカスカル共和国の大使,あるいは政府高官に丁重な手紙を書くようお勧めします。
政府高官に次の諸事実を調査するよう要請することができます。エホバの証人は世界中で,政治に介入しないクリスチャンとして知られており,自分の住む国がどこであっても,その国に敬意を表し,かつそれを行ないで証明しているのです。どのように? 税金の面で政府をだますことなく,また支配者に対して陰謀を図ったり,政治的な争いに加わったりすることなく,むしろ聖書の高い道徳的基準を教え,社会の向上に努めているという事実が,それを証明しています。
あなたは,イエス・キリストの使徒の宗教上の迫害者たちに発せられた警告に注意を払うよう,高官に願い求めることを望まれるかもしれません。「これらの人に干渉しないで,彼らをほっておきなさい。(もしこの企てあるいはこのわざが人間からのものであれば,それはくつがえされるからである。しかしもしそれが神からのものであれば,あなたがたはかれらをくつがえすことはできないであろう。)さもなくば,あなたがたはおそらく実際には,神に対して戦う者であることが見いだされるかもしれません」― 使行 5:38,39,新。
マダガスカル共和国の憲法は,「彼らの神への信仰を肯定する」とうたっています。
その訴えの中であなたは,もしそれが本当に真実であるならば,エホバ神に対する負け戦から手を引くよう,彼らに促したいと望まれるかもしれません。あなたは手紙の中で,エホバのクリスチャン証人に対する禁止令を取り消し,マダガスカル憲法が「保証する」信教の自由をそれら平和を愛するクリスチャンに与えることによりマダガスカル共和国は再び威厳を取りもどしたというニュースが,一刻も早く世界中に伝えられるのを聞きたい旨,願い求めることができます。
崇拝の自由を愛する者は,この訴えをしたのち,政府高官の反応を熱心に待ち望みます。たんなる文書による反応ではなく,マダガスカル共和国政府が,全能の神のさばきの法延の前で好意的な処置を取ることを,わたしたちはひたすら願っています。
[315ページの囲み記事]
マダガスカル政府高官の一覧表
His Excellency
President Philibert Tsiranana
Résidence de Mahazoarivo
Tananarive, Malagasy Republic
The Honorable Calvin Tsiébo
Vice-president, Justice
Antaninarenina
Tananarive, Malagasy Republic
The Honorable André Resampa
Vice-president, Interior
Tsimbazaza
Tananarive, Malagasy Republic
The Honorable Jacques Rabemananjara
Vice-president, Foreign Affairs
Ministère des Affaires Etrangères
Rue Jean-Assolant
Tananarive, Malagasy Republic
Mr. Césaire Rabenoro
Secretary of State for African Affairs
Ministère des Affaires Etrangères
Rue Jean-Assolant
Tananarive, Malagasy Republic
Mr. Jean-François Jarison
Minister of Justice
43, rue George V
Tananarive, Malagasy Republic
Mr. René Rasidy
Minister of Information, Tourism and Traditional Arts
Tananarive, Malagasy Republic
Mr. Pierre Bora
Director of National Security
Tananarive, Malagasy Republic
His Excellency
Blaise Rabetafika, Ambassador E. and P.
Mission of the Malagasy Republic to the United Nations
301 E. 47th St.
New York, N.Y. 10017
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「地の最も遠いところにまで」証言するものみの塔 1971 | 5月15日
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「地の最も遠いところにまで」証言する
エホバの証人の1971年度年鑑より
ベトナム
人口: 17,414,000人
伝道者最高数: 52人
比率: 334,885人に1人
昨奉仕年度サイゴンではすばらしい進歩が見られ,そこで開かれた巡回大会で7名の人が献身してバプテスマを受けました。伝道者たちは多くのすばらしい経験をしました。
ある宣教者と聖書研究を始めた13歳の少女は,まもなく聖書に特別な関心を示しはじめ,集会に出席するだけでなく,参加するようになりました。6か月たたないうちにその少女は,野外奉仕に携わる準備ができたことを明らかにしました。少女の両親は,彼女が伝道に行くことを初め認めたのですが,伝道を始めるとまもなく反対しはじめました。それ以後,少女は奉仕や集会に行くことを許されませんでした。しかし,宣教者との個人的な聖書研究は努力して続けました。少女の家に朝の7時に着くため,宣教者は自分の家を6時半に出ることもありました。少女が聖書研究できるのはその時間しかなかったからです。両親がその取り決めを許さなくなると,少女は学校に出かける時間を早め,ひとりの伝道者の家で宣教者と会って聖書研究をし,それから学校へ行きました。少女はその間,2年以上にわたり,嘲笑されたり,先祖崇拝に参加しないためにしばしば殴打されたりしました。
ついに少女の両親は,彼女をエホバの民から遠く離すことに決めました。それで証人たちは,3か月間,少女にどんことが起きているのかわかりませんでした。家から3か月「追放」されたあと,両親が少女に会いに行くと,彼女は親族全員に証言していて,そのうちの数人は関心を持つようになっていることがわかりました。それでふたりは少女を家に戻し,自分の好きなようにさせることにしました。少女は王国会館に来て,「わたしは両親から集会に出席することや,奉仕に行くこと,バプテスマを受けて,開拓者になることの許可をもらいました」と発表しました。それ以来,少女はほとんど一日も欠かさず奉仕をしています。ある月など,130時間以上奉仕しました。また,偶像を処分しなければならないことを母親に納得させ,バプテスマを受ける際母親に来てもらう喜びも味わいました。バプテスマを受けた日,6か月間の休暇開拓奉仕の申し込みもし,資格ができしだい正規開拓奉仕をしたいと望んでいます。
努めて家族全員と聖書研究をするようにとの提案がされていますが,今の世の中の家族はそろって何かをするということがほとんどありませんから,家族の聖書研究を取り決めるのは容易ではありません。宣教者のひとりは次のような経験を寄せています。「わたしはあるご主人と聖書研究をしていましたが,3か月たって,いつも席をはずして台所にいた,彼の奥さんにやっと会うことができました。3か月後に,ご主人が祭壇や偶像を取りはずした時,わたしは,彼の崇拝が家族にも影響を与えることを知ったので,もう一度奥さんに会うよう試みました。その結果彼女は御主人の聖書研究に参加するようになりました。次にわたしが目標にしたのは7人の子どもたちです。両親も同意したので,わたしは上のふたりの娘さんと聖書研究を始めました。ふたりは理解が早く,こんどは内気な下の子どもたちにも参加するよう,みんなで少しずつ説得しました。次にふたつの聖書研究を一つにまとめれば,家族の聖書研究ができます。エホバの祝福を受けて,それは成し遂げられました。
「まもなく父親はエホバの組織の助言に従い,家族といっしょに毎日聖書を読むようになりました。ついで家族との定期的な聖書研究も始めました。集会や野外奉仕に行くことは,彼らにとって,今や幸福な生活の一部になりました。将来に対するすばらしい希望が恐ろしい迷信に取って代わりました。調子が良いようですが,どんな精神安定剤を服用しているのですかと近所の人から尋ねられた彼の妻は,『聖書の研究をはじめてからというもの,精神安定剤がいらなくなりました』と答えました。いろいろな障害や問題が起こりましたが,家族の成員がやはりエホバを愛していることは,なんと大きな助けでしょう。大会でこの家族のうち3人がバプテスマを受けるのを見て,わたしは大きな喜びを味わいました。娘たちのうちふたりは,バプテスマを受ける開拓者と同じ時間奉仕し,まもなく,実際に開拓者になれるよう希望しています。
「この幸福で神権的な家族は,他の多くのベトナム人にとってりっぱな模範であり,励みとなっています。新たに関心を示した一家族は,その家で開かれていた会衆の書籍研究に出席したのち,驚嘆して次のように語りました。『わたしたちはあのような幸福な家族になりたいと思います。3か月間熱心に勉強すれば,わたしたちもあのかたたちのように野外に出て伝道できるでしょうか。それに,うち8人の子どもをあなたがたの集会所に連れて行く場合,あいた席があると思いますか』。次の集会の時,その家族の7人が出席しました。家族そろってエホバを崇拝することからどんなすばらしい祝福を受けるか知っている,もう一つの家族が見いだされたことは大きな喜びです」。
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読者からの質問ものみの塔 1971 | 5月15日
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読者からの質問
● コリント前書 6章18節(新)にある,「人が犯す,ほかの罪はすべて,その人のからだの外にあるが,淫行をならわしにする人は,自分自身のからだに対して罪を犯しているのである」ということばは,どうして真実といえますか。―アメリカの一読者より
使徒パウロは,この引用句の前に,「淫行から逃げなさい」という命令を加えました。かれがこの問題に強い関心をいだいていたことは明らかです。かれは,それまでに述べた所見に次いで,なんら連結辞を用いることもなく,「突然,淫行から逃げなさい」という命令をしるしているからです。しかも,「王国行間訳」の逐語訳本文からわかるとおり,パウロはこの文を次のように現在時制で書いたのです。「淫行から逃げつづけなさい」。淫行を犯させようとする誘惑,あるいはそのような機会が生じた場合にはいつでも,どっちつかずの態度を取ったり,どうしようかと思案したりせず,直ちに逃げなければならない,とパウロはわたしたちに命じているのです。族長ヤコブのむすこ,ヨセフはこの点で,わたしたち
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