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    目ざめよ! 1974 | 5月8日
    • 『真理を悟った』人

      ◆ 最近,イエズス会の雑誌「アメリカ」はオーストラリアの農夫フランツ・ヤゲルシュトラッターの30回忌に関連した記事を載せた。彼はナチズムとかかわりを持つことを拒否した数少ないカトリック教徒のひとりであった。しかし,同教会の残りの信者についてはどうだったろうか。執筆者のゴードン・ツァーンはこう言っている。「われわれの前には,辺地の村に住むこの小作農にカトリック教会を代表させざるをえなかったという歴然たる事実がある。もし,彼が真理を悟ることができたのであれば,カトリック教徒の責任ある指導者たちが……そうできなかったのはなぜかと問わざるをえない。ドイツ(およびヤゲルシュトラッター自身の国であるオーストリア)のカトリック司教が,ヒトラーの不当な戦争をいさめなかったどころか,その戦争に加わることは『クリスチャンの義務』であるとの誤まった信念のもとにヒトラーの軍隊で戦った忠実なカトリック教徒を激励したり,賞賛したりしたのはなぜか」。

  • 「ルカによる書」の内容(つづき)
    目ざめよ! 1974 | 5月8日
    • 『聖書全体は神の霊感を受けたものであり,有益です』

      「ルカによる書」の内容(つづき)

      22 イエスはどんな鋭い例えで王国について教えましたか。

      22 イエスのペレアにおける後期の宣教活動(ルカ 13:22–19:27)イエスは,聞き手に神の王国をはっきり指摘するため色どり豊かな例えを用います。目だった地位や誉れを求める者は辱めを受けます。宴席を設ける人は,お返しのできないような貧しい人たちを招きなさい。その人は幸いを受け,「義人の復活のさいに報いを受け」ます。次に,盛大な晩さんを設ける人の例えが話されます。招かれていた人たちは次々に言いわけをして断わります。ある人は畑を買いました。別の人は何頭かの牛を購入しました。さらに別の人は妻を迎えたばかりです。怒った家の主人は使いをやって,「貧しい者,かたわの者,盲人,足なえなど」を連れて来させ,最初に招いておいた者たちはだれもその晩さんを「味わう」ことさえないであろう,と言明します。(14:14,21,24)さらにイエスは,失われた羊を見いだすことに関する例えを話してこう語ります。「あなたがたに言いますが,このように,悔い改めるひとりの罪人については,悔い改めの必要のない九十九人の義人以上の喜びが天にあるのです」。(15:7)自分の家の中を掃いて,失ったドラクマ硬貨一つを取り戻す女に関する例えも同様の点を示します。

      23 放とう息子に関する例えの中でどんなことが示されていますか。

      23 ついでイエスは放とう息子に関する例えをします。彼は財産のうちの自分の分を父に請い,「放とうの生活をして」それを使い果たしました。全くの困窮状態に陥ったその息子は本心に立ち返り,家に帰って父親のあわれみにすがりました。父親は哀れに思い,「走って行ってそのくびをだき,優しく口づけ」をしました。上等の着物が与えられ,りっぱなごちそうが整えられ,人々は「興じ始め」ました。しかし,兄はそれに異議を唱えました。父は優しい態度で彼の考えを正しました。「子よ,あなたはいつもわたしといっしょにいたし,わたしのものはみなあなたのものだ。でも,わたしたちはただ楽しんで喜ばないわけにはいかなかったのだ。このあなたの兄弟は,死んでいたのに生き返り,失われていたのに見つかったからだ」― 15:13,20,24,31,32。

      24 富んだ人とラザロ,またパリサイ人と収税人に関する例えの中で,イエスはどんな真理を強調していますか。

      24 不義の家令に関する例えを聞いた時,金を愛するパリサイ人たちはイエスの教えを冷笑します。しかしイエスは彼らに告げます,「あなたがたは人のまえで自分を義とする者たちですが,神はあなたがたの心を知っておられます。人の間で高大なものは,神から見て嫌悪すべきものだからです」。(16:15)さらにイエスは,富んだ人とラザロに関する例えによって,神の是認を受けている者と受けていない者との間に定め置かれた裂けめがいかに大きなものであるかを示します。イエスは,つまずきの原因となるものがあることを弟子たちに警告しますが,「それが来るその経路となる人には災いが来ます!」。またイエスは,「人の子が表わし示されようとしている」時に到来する苦難について語ります。そして,「ロトの妻のことを思い出しなさい」と弟子たちに告げます。(17:1,30,32)さらにイエスは,「日夜ご自分に向かって叫ぶ」者たちのために神が必ず行動してくださることを例えのかたちで保証します。(18:7)ついでイエスは,別の例えによって,自分を義とみなす人々を戒めます。つまり,ひとりのパリサイ人は神殿で祈りをし,自分が他の人々のようではないと言って神に感謝します。一方,ひとりの収税人は,遠く離れた所に立ち,目を天の方に上げようともしないで,「神よ,罪人のわたしに慈悲をお示しください」と祈ります。イエスはこのことをどのように評価しますか。イエスは,その収税人のほうがパリサイ人よりずっと義にかなっていると言明します。「だれでも自分を高める者はみな辱しめられますが,自分を低くする者は高められる」からです。(18:13,14)イエスはエリコにおいて収税人ザアカイのもてなしを受け,そこで十ミナに関する例え話をします。それは,ゆだねられたものを忠実に活用することの結果と,それを隠して使わないでいることの結果を対照させるものでした。

      25 イエスはどのようにして自分の宣教の最終段階に入りますか。そして,どんな預言的な警告を与えますか。

      25 エルサレム内およびその周辺での最後の公の宣教(19:28–23:35)イエスが子ろばに乗ってエルサレムに入城し,大ぜいの弟子たちが『エホバの名によって王としてきたる者』と呼んで彼を迎えると,パリサイ人たちは彼らをしかるようにとイエスに求めます。それに対してイエスは答えます,「あなたがたに言いますが,もしこれらの者が黙っているなら,石が叫ぶでしょう」。(19:38,40)イエスはエルサレムの滅びに関する注目すべき預言を述べ,エルサレム市が先のとがった杭で囲まれ,窮迫状態になり,その子らとともに地面にたたきつけられ,一つの石も他の石の上に残らなくなるであろう,と語ります。イエスは神殿で民を教え,良いたよりを宣明するとともに,巧みな例えと論証によって,祭司長・書士・サドカイ人などのこうかつな質問に答えます。また,終わりの大いなるしるしについて力強く描写し,エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれることについて再び語ります。人々は起きようとする事がらへの恐れのために気を失いますが,そうした事が起きる時,イエスに従う人々は「身をまっすぐに起こし,頭を上げ」るべきです。その「救出が近づいているから」です。そして,起きることが定まっている事がらから首尾よく逃れられるようずっと目ざめていなければなりません。―21:28。

      26 (イ)イエスはどんな契約を紹介しますか。そして,それと何とを結び付けますか。(ロ)試みのもとでイエスはどのように強められますか。そして,自分が捕縛されるさいどんなことを叱責しますか。

      26 さて,西暦33年ニサン14日になります。イエスは過ぎ越しを守り,ついで,忠実な弟子たちに対して「新しい契約」を紹介し,それと象徴的な食事とを結び付け,イエスの記念としてそれを守り行なうように命じます。そして,弟子たちに対してさらにこう告げます。「わたしは,ちょうどわたしの父がわたしと契約を結ばれたように,あなたがたと王国のための契約を結び(ます)」。(22:20,29)その同じ夜,イエスがオリーブ山で祈りをしていると,「ひとりのみ使いが天から現われて彼を強め」ますが,『彼はもだえはじめ,いよいよせつに祈り,汗が血の滴りのようになって地面に落ち』ます。裏切り者ユダがイエスを捕縛しようとする暴徒の先導となって現われ,その場の雰囲気は緊張します。弟子たちは,「主よ,剣で撃ちましょうか」と叫びます。そのひとりは大祭司の奴隷の耳を実際に切り落としますが,イエスは彼らを叱責し,傷ついた男をいやします。―22:43,44,49。

      27 (イ)どの点でペテロは失敗しますか。(ロ)イエスに対してどんな罪状が挙げられますか。どのような状況のもとでイエスは裁かれ,刑の宣告を受けますか。

      27 イエスは審問のために大祭司の家に引き立てられます。ペテロのほうは,夜の寒さのために,群衆にまじって火にあたっています。ペテロは三度イエスの追随者ではないかと問われ,三度ともこれを否定します。その時おんどりが鳴きます。主は振り返ってペテロを見,ペテロはイエスがまさにこのことを予告していたのを思い出し,外に出て激しく泣きます。サンヘドリン広間に引き出されたのち,イエスはついでピラトの前に導かれ,国民をかく乱し,税を払うことを禁じ,「自分はキリスト,王だととなえている」との訴えを受けます。イエスがガリラヤ人であることを知ったピラトは,その時たまたまエルサレムに来ていたヘロデのもとに彼を送ります。ヘロデとその衛兵たちはイエスを嘲弄してから,狂乱した暴徒の前での裁判のためにイエスを送り返します。そしてピラトは『イエスを彼らの意向にゆだね』ます。―23:2,25。

      28 (イ)善意を示した盗人に対してイエスはどんな約束をしますか。(ロ)イエスの死,埋葬,復活についてルカはどんなことを記録していますか。

      28 イエスの死,復活,昇天(23:26–24:53)イエスはふたりの悪行者にはさまれて杭につけられます。そのひとりはイエスをなじりますが,他方の者は信仰を示し,イエスの王国において思い出していただけるようにと請います。それに対してイエスは約束します,「きょうあなたに真実に言いますが,あなたはわたしとともにパラダイスにいるでしょう」。(23:43)その後,異常なやみが垂れこめ,聖所の幕がまん中で上から下に引き裂け,イエスは,「父よ,わたしの霊をみ手に託します」と叫びます。こうしてイエスは息を引き取ります。その体は下ろされ,岩を切り開いた墓の中に横たえられます。週の最初の日,イエスとともにガリラヤから来ていた女たちは墓に行きますが,イエスの体を見いだせません。自ら予告したとおり,イエスは三日めによみがえったのです。―23:46。

      29 ルカの福音書はどんな喜ばしい記述で結ばれていますか。

      29 それと知られぬままエマオに向かう道でふたりの弟子に現われたイエスは,自分の受けた苦難について語り,聖書の意味を解き明かします。突然に彼らはそれがだれであるかを知り,イエスのほうはそこから姿を消します。今ふたりはこう語ります。「彼が道でわたしたちに話してくださった時,わたしたちのために聖書をすっかり解いてくださった時,わたしたちの心は燃えていなかっただろうか」。ふたりは急いでエルサレムに帰り,他の弟子たちにそのことを伝えます。彼らがまさにこうした事について話していた時に,イエスが彼らのただ中に現われます。全くの喜びと驚きとのために彼らはそれを信じることができません。そこでイエスは「彼らの思いを十分に開いて」,起きたすべての事がらの意味を聖書から理解させます。ルカは自分の福音書を,イエスの昇天に関する記述で結び,こうして,同じ彼の書である「使徒たちの活動」の初めの部分と結び付けています。―24:32,45。

      なぜ有益か

      30,31 (イ)ルカは神の霊感を受けたヘブライ語聖書に対する確信をどのように鼓舞していますか。(ロ)その点を裏付けるためにイエスのどんなことばを引用していますか。

      30 「ルカによる」良いたよりは神のことばに対する確信をいだかせ,異質の世界からの攻撃に立ち向かう信仰を強くします。ルカはヘブライ語聖書の正確な成就の例を数多く挙げています。イエスは自分の使命をイザヤ書の明確なことばから引き出したことが示されており,ルカはそれをその書全体の一つのテーマとしているように思われます。(ルカ 4:17-19。イザヤ 61:1,2)これはイエスが預言者たちから引用した一例です。イエスはまた,悪魔の三つの誘惑を退けた場合のように,律法からも引用しました。また,敵対者たちに,「人びとが,キリストはダビデの子だというのはどうしてですか」と尋ねた場合のように,詩篇からも引用しました。ルカの記述はヘブライ語聖書からの引用をほかにも数多く含んでいます。―ルカ 4:4,8,12; 20:41-44。申命 8:3; 6:13,16。詩 110:1。

      31 イエスがゼカリヤ 9章9節の予告どおり子ろばに乗ってエルサレムに入城した時,大ぜいの人々は歓呼して彼を迎え,詩篇 118篇26節の聖句を彼に適用しました。(ルカ 19:35-38)あるところでは,ルカによる書のわずか二つの節が,イエスの辱しめのもとでの死と復活に関するヘブライ語聖書の預言の六つの点を含んでいます。(ルカ 18:32,33。詩 22:7。イザヤ 50:6; 53:5-7。ヨナ 1:17)最後に,その復活後,イエスはヘブライ語聖書全体の重要さを弟子たちに深く悟らせました。「それから彼らにこう言われた。『まだあなたがたとともにいた時に,わたしが話したことばはこうでした。つまり,モーセの律法の中,そして預言者たちと詩篇の中に,わたしについて書いてあることはみな必ず成就するということです』。そして,聖書の意味をつかむよう彼らの思いを十分に開(かれた)」。(ルカ 24:44,45)これらイエス・キリストの最初の弟子たちと同じように,わたしたちも,ルカおよびギリシャ語聖書の他の筆者たちがきわめて正確に説明する,ヘブライ語聖書の預言の成就に注意を払うことによって,啓発と強固な信仰とを得ることができます。

      32 ルカの記述は神の王国をどのように強力に打ち出していますか。その王国に対するわたしたちの態度はどんなものであるべきですか。

      32 その記述全体を通して,ルカは読者の注意を終始神の王国に向けています。み使いがマリアに対して,その産む子どもは『王としてヤコブの家を永久に支配する。彼の王国に終わりはない』と約束したその書の始めの部分から,イエスが使徒たちを王国のための契約に入れることについて語った終わりのほうの章にいたるまで,ルカは王国の希望を強く打ち出しています。(ルカ 1:33; 22:28,29)ルカは,イエスが王国伝道の業において率先し,またその同じ業を行なわせるために十二使徒を遣わし,のちに七十人を派遣したことを示しています。(4:43; 9:1,2; 10:1,8,9)「死人に自分たちの死人を葬らせ,あなたは行って神の王国を広く宣明しなさい」,また,「手をすきにかけてから後ろのものを見る人は神の王国にじゅうぶんふさわしい者ではありません」というイエスの鋭いことばによって,王国に入るためには思いを一つに集中した献身の必要なことが強調されました。―9:60,62。

      33 ルカが祈りを強調していることについてその例を挙げなさい。そのことからどんな教訓を学び取ることができますか。

      33 ルカは祈りに関することを強調しています。彼の福音書はこの点できわだっています。それは,ゼカリヤが神殿の中にいたあいだ大ぜいの人々が祈りをしていたこと,子どもを求める祈りに対する答えとしてバプテストのヨハネが生まれたこと,そして,女預言者アンナが夜昼祈りをささげていたことについて述べています。また,イエスがバプテスマのさいに祈っておられたこと,十二使徒を選ぶに先だって夜どおし祈りをささげたこと,そして変ぼうのときにも祈っておられたことについで述べています。イエスは弟子たちに「常に祈り,かつあきらめてはならない」ことを諭し,公正な裁きが受けられるまで裁き人のもとにしきりに願い出たしんぼう強いやもめの例えでそのことを示されました。祈りのしかたを教えてくださいという,イエスに対する弟子たちの願い,またオリーブ山で祈りをしていたイエスをみ使いが強めたことについて記しているのはルカだけであり,またルカだけが,「父よ,わたしの霊をみ手に託します」というイエスの最後の祈りのことばを記録しています。(ルカ 1:10,13; 2:37; 3:21; 6:12; 9:28,29; 18:1-8; 11:1; 22:39-46; 23:46)ルカがその福音者を記録した時代と同じく,今日でも,祈りは,神のご意志を行なうすべての人々を強める重要な備えです。

      34 その追随者に対する優れた手本としてルカはイエスのどんな資質について特に強調していますか。

      34 鋭い観察力と,描写に富むよどみない文章力を備えたルカは,イエスの教えに暖かさと生き生きした活力とを添えています。虐げられ,踏み付けられた弱い人々に対するイエスの愛と親切さとあわれみと同情が,書士やパリサイ人の,形式的で狭量かつ偽善的で冷たい宗教と著しい対照をなすものとして示されています。(ルカ 4:18; 18:9)イエスは,貧しい人,捕われの身にある人,盲目の人,打ちひしがれた人などに対して不断の励みと助けを差し伸べており,こうして,「その歩みにしっかり」従おうとする人々に優れた手本を残しています。―ペテロ第一 2:21。

      35 ルカの福音書を備えてくださったことに対してエホバに深く感謝できるのはなぜですか。

      35 完全な人であり,奇跡を行なう神の子であったイエスは,自分の弟子や善意を持つすべての人に対して愛の関心を示されましたが,わたしたちもまた,愛のうちに,そうです,「わたしたちの神の優しい思いやり」のゆえに神のことばの奉仕に携わることに努めるべきです。(ルカ 1:78)「ルカによる」良いたよりはそのためにきわめて有益であり,ほんとうに助けになります。『愛される医者』ルカに霊感を与えて,この正確で,人を築き上げかつ励ます記述を書かせ,「神の救いの手だて」であるイエス・キリストの王国による救いを指し示してくださったことに対して,わたしたちはエホバ神に深く感謝できます。―ルカ 3:6。

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