良いたよりを伝える ― 区域を効果的に網羅していますか
1 日本では「良いたより」を聞く必要のある人が,平均して一人の伝道者に対し2,502人もいることをご存じですか。すべての人が王国の音信に接するのはなぜ肝要なことなのでしょうか。それは彼らとわたしたちの命が危機に面しているからです。(エゼキエル 3:17-19; 33:6。テモテ第一 4:16)今なお多くの人が全国で「良いたより」に答え応じています。ですから,与えられた期間にどれほど多く区域を網羅できるかとか,どれほど多くの文書を配布できるかとかいうことだけでなく,聖書の王国の音信を携えてどれほど多くの人に達することができるかにわたしたちは関心を持つべきなのです。
2 区域を徹底的に網羅するためには,不在の人々の正確な記録を取っておくことの価値を見過ごすことはできません。あなたはそうした記録を持っておられますか。そうであるなら,戻って行ってそうした家の一軒一軒に住む人々と接触するよう努めていますか。ご存じのように,再度の訪問も一回では家の人に会えない場合があります。しかし,もう一度試みてください。繰り返し訪問しても結果が得られないなら,電話か,手紙を書くことを試してみてはいかがですか。彼らと接触できるまであきらめないでください。彼らは「良いたより」を聞く必要があるのです。直接または手紙で住人とまだ接触できていないような家が数軒でもあるなら,区域は網羅されたなどとだれも思うべきではありません。しかし,区域を4か月ごとに返すことは助けになります。そうしたほうがよければ,それをもう一度借りることもできます。
3 わたしたちが特に関心を持つのは,言うまでもなく王国の音信に感謝をもって耳を傾ける人たちです。文書を受け取る人もいれば,わたしたちが聖書から指摘する事柄にただ興味を示すだけの人もいます。しかし,どの場合にも再訪問を計画すべきではありませんか。そのことを思いに留めるなら,わたしたちは,家の人の名前や他の情報など既に示された関心を続けて高めてゆくのに役立つ事柄を記した良い記録を保つべきです。もし既に見つけた関心を持つ人を再訪問していないとしたら,毎週毎週さらに区域を網羅することに果たして意味があるでしょうか。そうした再訪問をしないでいるなら,区域を効果的に網羅していると本当に言えますか。少しでも関心が見いだされたのであれば,区域が返された後でもひき続き世話をすべきでしょう。
4 区域を効果的に網羅することを思いに留めているものの,勧められている「会話するための話題」のあるものが特定の人々にあまり受け入れられないことに気付くかもしれません。その人々の宗教や社会的,文化的背景のためにそうしたこともあり得ます。その場合には,その種の人々にもっと合う,別の会話のための話題を,過去の「わたしたちの王国奉仕」の中からさがして用いたいと思うかもしれません。例えば,無神論的な考えを持つ人に証言する場合と先祖伝来の宗教を奉ずる人に証言する場合とでは話題もそれに応じて異なることでしょう。このことは他の状況にも同じく当てはまります。分別を働かせ適応性を示して証言することにより,聖書の音信に対する区域の人々の関心をさらに高めることができるかもしれません。
5 わたしたちが皆知っているように,ほかと比べて産出性の高い区域があるものです。もしそうした区域があるなら,すべての区域を厳格な順番に従って網羅すべきだと考える必要はありません。つまり,ある区域は他の区域よりもひんぱんに網羅されてもよいのです。確かに会衆のすべての区域を網羅するのは必要なことであり,少なくとも一年に一回,すべての区域を徹底的に網羅するのは有益なことです。しかし,わたしたちは特に弟子を作ることに関心があります。それで,もしある地域が別の場所よりも実りの多いところであるなら,そこをもっとひんぱんに回るほうが有益かもしれません。使徒パウロは,奉仕を行なう際,小アジアのあらゆる地方を厳格な順番に従って網羅することはしませんでした。彼はエホバの霊の導きに従いましたが,その霊は結局,エホバの賛美者を生み出す点で産出性のより高い地域に彼を導きました。―使徒 16:6-10,14; 18:9-11。
6 区域を効果的に網羅する目的は,「良いたより」を知る機会を人々に与えることです。では,関心を見いだす時,イエスの命令に従い,羊のような人々を弟子とすべく聖書研究の取決めを目ざとく説明すべきです。