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「最も偉大な人」の本を野外で提供する王国宣教 1993 | 6月
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「最も偉大な人」の本を野外で提供する
1 「最も偉大な人」の本には四福音書に基づくイエスが行なわれた話,地上での生涯中に起きた出来事のすべてが収められています。この本を読む人は,これまでに生存した最も偉大な人の全体像にふれ,イエスと接触した人々が味わったのと同様の感動を覚えるに違いありません。なぜなら今日,人々は「羊飼いのいない羊のように痛めつけられ,ほうり出されて」おり,憐れみや慰め,また希望をかつてなかったほど必要としているからです。―マタイ 9:36。
2 キリストの実在性に疑問を抱いている人やイエスを単なる一宗教家としか考えていない人々がいるなら,この本の前書きの部分から適切な箇所を選び話し合うことができます。あらゆる階層の人々に示されたイエスの愛は,み父エホバの同情心,親切,謙遜そして近づきやすさを反映するものであったため,人々が真の神を知るうえで大きな助けとなるはずです。―40,57,73,113章。
3 さらに,病気や身体上の障害を抱えている人,家族を亡くしたり,個人的な問題で悩んだりしている人に対するイエスの心温まる接し方について,29章,37章,99章を用いて人々の心に訴えることもできます。その他,イエスの優れた教え方や20世紀の恐れと暴力に満ちた時代の意味する事柄については35章,43章,111章,133章などを活用できるでしょう。
4 ふさわしいあいさつをした後,次のように言えるかもしれません:
■ 「最近,いじめの問題や校内暴力が大きな社会問題として取り上げられるようになっています。多くの場合,先生方も親も当人もどうしてよいか分からず,暴力事件や登校拒否に至る場合も少なくないようです。お子さんがこうした問題にできるだけ巻き込まれないよう,どのように助けてあげられると思いますか。[家の人の意見を尋ねる。] ___さんは,『右のほほを打たれたら他のほほをも差し出しなさい』という有名な言葉をお聞きになったことがおありでしょうか。この本には,イエスの語られたこの言葉の本当の意味と賢明な対処の仕方が短く説明されています」と述べ,35章の山上の垂訓の中から関係する部分を読み本を提供します。
5 あるいは次のように言えます:
■ 「だれでも生涯中,個人的な問題や対人関係で悩んだり,一人では解決できそうもないような問題に直面したりすることがありますが,そのような時,良いアドバイスを与えてくれる相談相手がいたならどんなによいだろうと思うのではないでしょうか。今日は,わたしたちの日常生活や生き方に良い益を与えてくれる教育的な出版物をお分かちしています」と述べ,35章の「命に通じる道」という副見出しのふさわしい部分,64章にある許すことの価値,77章にある物質に対する平衡の取れた見方のうちいずれか一つを手短に説明して本を紹介します。
6 このようにも言えます:
■ 「今日は若い人たちが直面している問題について簡単にご意見を伺っています。ある新聞の若者を対象にした調査によると,将来を色に例えると何色になるかという質問に対して一番多かったのは灰色で約40%,次に黒で16%,反対にばら色と答えた人はわずか3%に過ぎなかったそうです。(目92 2/22 28-29ページ)若い人たちにはもっと明るい見通しを持ってもらいたいと思いますが,どうしてこのように暗い見通ししか持てないのでしょうか。ある方は政治家の不正や環境の悪化などによる将来への絶望感を原因として挙げられますし,家庭や学校などでの子供たちへの真の気遣いの欠如を挙げる方もいますが,あなたはどう思われますか」と述べ,家の人が前者の原因に同意するのであれば111章の「終わりの日における確信」という副見出しの中から,また後者の意見を原因としてあげるのであれば95章から子供と共に過ごす時間の大切さについて話し合うことができます。
7 まかれた種に『水を注ぐ』ためには,再訪問を繰り返す必要があります。(コリント第一 3:6,7)下の記事には,「最も偉大な人」の本を用いてどのように研究を始められるかに関する提案が載せられています。
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「最も偉大な人」の本で聖書研究を始める王国宣教 1993 | 6月
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「最も偉大な人」の本で聖書研究を始める
1 家庭聖書研究は司会者と家の人の双方にとって,非常に楽しく,報いの多いものです。他の人々に聖書の知識を分かつ喜びに比べられるものは何もありません。―箴言 11:25。
2 終わりの日のしるし: 「最も偉大な人」の本の111章を用いて証言した場合,どのように研究を始めることができるでしょうか。
■ 「世の中には平気で人をだまして不正な利得を得ようとしたり,暴力事件を引き起こしたりする人が後を絶ちませんね。すべての人が平和な生活を送れる時が来るといいのですが,多くの方は『そんなことを考えたところで,結局何にもならない』と考えているようです。あなたもそう思われますか」と尋ねます。その後,「実はこのような暴力的な時代が来ることは古くから預言されていました」と述べ,111章の「終わりの日における確信」の副見出しの4節を読みます。それから,「では将来には明るい見込みがあるのでしょうか。世の中で今起きている事柄にはこのような意味があります」と述べ,同じ副見出しの7節を読み,さし絵を用いながら話し合います。
3 手短な話し合いを終えた後,次のように述べ,次回の訪問を約束できます。「その後,わたしたちの地球はどのような状態になるのかについて,来週もう一度,これぐらいの短い時間お寄りしてお話しできればと思います」。
4 山上の垂訓: 最初の訪問で35章から話し合った人の場合,このように言えます。
■ 「先日お渡しした書籍の中にとても役立つ事柄が書かれていましたので,一つだけお伝えしたいと思いお寄りしました。わたしたちは親から『他の人に迷惑をかけないように』とよく言われたものですが,最近ではたとえ他の人に迷惑をかけても自分さえよければという人が増えているように思えます。そう感じられたことはありませんか。[家の人の意見を聞く。] 確かに他の人に迷惑をかけないよう心がけるのは大切なことですね。ところで,このような言葉を守れば一層よい世の中になると思われませんか」と述べ,35章の「命に通じる道」という副見出しの6節を読み,身近な例について話し合います。その後,「もし,他の人に対して冷淡にではなく親切に,偏見や憎しみの代わりに愛を示せるとしたらどんなに住みやすい世の中になるでしょう。次回は,生活に役立つ別の言葉をお伝えしたいと思います」と述べ,短い再訪問を繰り返し家庭聖書研究の基礎を築きます。
5 イエス・キリスト: イエスについて関心がある人には,次のように言えます。
■ 「イエス・キリストと聞くとクリスマスの日に馬小屋で生まれたことや刑柱上での死を思い浮かべる方も多いと思いますが,この本にはイエスが実際はどのような人物で,どのような生涯を送り,また人々に役立つどのような教えを与えたかがたいへん分かりやすく書かれています。中には,イエスが偉い人で普通の人はとても近づけなかったと考える人がいるかもしれませんが,実際には同情心にあふれた親切で近づきやすい人でした」と述べてから,イエスの優れた特質や教え方を35章,40章,64章,73章などから話し合えます。
6 正しいことを愛し,抱えている問題を解決する方法を探し求めている,正直な心の持ち主はまだまだ大勢います。確かに,聖書研究によってイエスの教えを知る機会を差し伸べることは,非常に報いの大きな仕事です。
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