人々の心をとらえる再訪問
1 意味深い再訪問は,信者になるために家の人が遂げる成長を徐々に刺激し,促します。家の人の心をとらえ,関心を高める再訪問を行なうためのどんな実際的な提案がありますか。
2 まず,よく準備してください。準備は最初の訪問から始まります。どのようにですか。ぜひとももう一度訪問してみたいと思った家の人の正確な記録をつけることによってです。その人の名前,話題にした点,反応,配布物などを書き留めます。それから,携帯用の再訪問に関する折り込みや,「王国宣教」に載せられた様々な再訪問の実例の中から何を話すかについて祈りのうちに考え,よく準備します。
3 再訪問の対象となるのは,出版物を求めたり,特別の関心を示したりした人とは限りません。忙しかった人や体調の悪かった人,さらには関心がないと言った人でさえ再訪問できます。例えば「関心がありません」と最初の訪問で断わられた場合,「そうですか。では,またお会いできればうれしく思います」と気持ちよく立ち去ることもできます。
4 数日後再び訪問し,家の人に会えたなら,親しみのこもった簡単なあいさつを交わした後,次のように話すことができます。「先日お伺いした時,『関心がない』とおっしゃっていましたので,もう一度お伺いすることを少しためらいました。ただもしかして関心がないとおっしゃったのは宗教とか聖書に関してであって,家族生活のあり方や子供の教育という問題であれば関心をお持ちではないかと思い,お寄りしました」と述べてから,ふさわしければ携帯用の折り込みの家族生活に関連した実例に結びつけることができるでしょう。
5 最初の訪問で家の人に一つの質問を残してきたなら,再訪問の時にその点を土台にして話を進めることができます。例えば,最初の訪問で終わりの日の「しるし」を中心に話したのであれば,「今日は終わりの日の意味についてお話しできましたが,その後は一体何が始まろうとしているのでしょうか」という質問を投げかけることができます。そして次回の訪問で『神は気遣っておられますか』のブロシュアーの第10部,「神が造られる驚くべき新しい世」から話し合えるでしょう。
6 再訪問の際,注意を払うべき事柄が幾つかあります。家の人に尋ねる質問に気をつけましょう。「本をお読みになりましたか」,「私のことを覚えておられますか」,「この前お伺いしたときにどんなことを話し合ったか覚えておられますか」などの質問は,とかく家の人に気まずい思いをさせます。大抵そうした質問は,良い結果を生み出しません。むしろ,親しみ深く,融通を利かせ,簡潔であってください。そのような資質は,音信を引き立てます。
7 さらに,人々は予期しない事柄,あるいは関心のない事柄に時間を奪われることを普通嫌うものです。それで,長々しいあいさつや一般的な話を行なう代わりに,相手の関心を高めたいと思って準備した事柄を生き生きと話すように努めてください。それから少しの間,家の人に温かい関心を示し,早目に再訪問を切り上げるようにします。
8 野外奉仕に携わる度に少なくとも1件再訪問を行なうことを自分の目標にするのはいかがですか。前述の実際的な提案をぜひ活用してください。あなたがもっと効果的に奉仕できるよう援助してくれる,経験ある奉仕者に助けを求めることもできます。最初の訪問で話し合った事柄を土台として,人々の心をとらえる効果的な再訪問を行なってください。そのようにして心を動かす温かな再訪問を行なうなら,人々との親しい関係を深め,町の人々を温かく見守る医師のような働きをすることができるでしょう。それに加え,わたしたち自身も宣教における喜びを増すことができるに違いありません。