良い読書の習慣を身につける

¹ エホバの証人の多くは世の高等教育を受けていなくても，神の奉仕者としての資格を立派に身につけています。（コリント第一 1:26）このようにクリスチャンとして円熟し，しかも効果的な宣教の業を遂行できるようになった背景には何があるでしょうか。それは，奉仕者各自が聖書とそれに基づく出版物を学ぶ良い読書の習慣を身につけるよう努力しているからです。

² このことは，この習慣が持続しなくなると，霊的な会話が乏しくなり，宣教における効果性やクリスチャンとしての霊性全体が影響を受けることからよく分かります。次のように自問してみてください。わたしは，研究記事や他の副記事，また「読者からの質問」などを読み，正確な知識を増し加えているだろうか。雑誌や出版物のどれほどの部分を読み残しているだろうか。感銘を受けた内容について他の人と話し合ったり，野外で活用したりしているだろうか。また「目ざめよ！」誌の発行理由を思いに留め，思考力の訓練に役立てているだろうか。―コロサイ 1:10。

³ 新しい伝道者や若い人々の場合，学ぶべき事柄が実に多くあります。まず聖書全巻の大要をはじめ，歴史的背景，預言，類を見ない神の知恵と愛情に富む諭しや助言について学び，聖書に対する信頼を深めてゆく必要があります。さらに二種類の雑誌や他の出版物を通して，聖書全体を理解し，霊的に目覚め，神への奉仕を活発に行なうための霊的食物を取り入れてゆかねばなりません。

⁴ 時間を買い取る: このように聖書や他の出版物を読みこなすには，組織的な読書計画が必要です。毎日あるいは毎週，必要な時間を取り分けて読書にあてることは，真理にいる年数にかかわらずすべてのクリスチャンにとって肝要です。ある奉仕者たちは家事の合間に軽い読み物を読んだり，外出時に必ず出版物を携帯したりして時間を買い取っています。社交的な交わりに忙しすぎたり，他の活動との平衡を欠くほど野外宣教に携わったりして，心を霊的なもので養う時間が締め出されることのないようにしなければなりません。―エフェソス 5:17。

⁵ 読書力を養う: わたしたちが読書から真の益を得るためには，読んでいる事柄の内容を把握する読解力が必要です。読書力をどのように向上させることができますか。その一つは，自分にとって十分に理解できない言葉を辞書で調べてみることです。殻の中の実は，それを割って取り出して初めて，おいしさを味わうことができます。殻を割らずに，つまりその言葉の意味を理解しないままあきらめることがないようにしてください。ふさわしい辞書を身近に置き，言葉の意味を調べてゆくなら，語彙が増え読書力が向上します。

⁶ 読むこと自体には慣れている人に対する別の提案は，理由や根拠を考えながら読む習慣を身につけることです。（箴言 3:21，22）主題や副見出しを常に念頭に入れ，それぞれの段落が主題や副見出しとどのように結びついているかを見極めます。そして，推論を経て結論に至る論議の過程を把握するよう努めてください。加えて各論点を支えている聖句について思いめぐらし，聖書の見方を学ぶようにしてください。こうした読み方を習得するなら，記事の書かれた目的をいつも正しく理解できます。

⁷ 新しい伝道者であれ，若い人であれ，長老や奉仕の僕たちであれ，優れた読書力を身につけた人には数々の益がもたらされるようになります。その人はエホバとの個人的な関係を深め，神に仕えることに満足と喜びを見いだすようになるでしょう。（箴言 2:5）若い人であれば，聖書教育と学校教育の両面から多くのことを学び，将来の開拓奉仕に備えることができるに違いありません。すべての奉仕者，とりわけ奉仕の僕や長老たちは，集会の前後や他の機会に自分が出版物から学んだ内容について積極的に話題にしたり，牧羊訪問で用いたりして個人や会衆全体を霊的に励まし，かつ築き上げることができます。さらに，良い読書の習慣によって読書力を身につけた人は，エホバがわたしたちに託された業，すなわち宣べ伝える業と教える業の両面に効果的に携わり，宣教の報いを刈り取ることでしょう。