「満足のいく生活」のブロシュアーによる研究を継続させる
1 「満足のいく生活」のブロシュアーが発行されて2年になろうとしています。喜ばしいことにこのブロシュアーを用いて非常に多くの研究が取り決められてきました。どうすれば研究生の関心をさらに高め,研究を継続させてゆくことができるでしょうか。兄弟たちが成功している方法は,皆さんの思考力を鼓舞することでしょう。
2 研究生の心を霊的な事柄に向ける: 最もよく用いられているのは,第2部と第3部を連携して活用し,第4部に進むという方法です。第2部の聖句を紹介する際,原則に従うことの益を強調し心を動かすことに努めます。感動するとき,人は新しい考えに心を開くものです。家の人がみ言葉に含まれる知恵に感銘を受けるなら,その機会を逃さず,少しずつ聖書の価値について巧みに説明しましょう。この二つの部分を連携して用いるなら,家の人の心を漸進的に霊的な事柄に向けることができます。―「王国宣教」2003年1月号,4,5ページ,3-6節を参照してください。
3 第2部をどの程度活用するのがよいでしょうか。家の人が最も関心を持っている一つか二つの項目を扱うだけで十分かもしれません。残りの項目は,研究を進めながら,引き続き活用できるからです。一方,聖書になじみがない人の中には,聖書の原則の価値を理解するのに時間がかかることがあります。その場合は,第2部の資料をもっと時間をかけて扱う必要があるでしょう。
4 第3部は,内容の一貫性(3節),科学的に正確(4節),歴史的に正確(5,6節),預言の成就(7,8節)の四つに分けることができます。それぞれの部分の最後に二重かぎの問いかけの部分があります。この部分を活用するなら,学んだ事柄を研究生と推論し認識を培うよう助けることができます。
5 研究生の霊的な関心を大切にする: 家の人が霊的なことに関心を示す兆候を見逃さないなら,このブロシュアーを柔軟に活用することができます。元々,霊的な事柄に関心や疑問を持っている人でも,初対面の人に打ち明けることは期待できません。しかし,第2部の聖句を何回か話し合っているうちに,自分の心に秘めていた疑問を口にするようになる人はいます。その場合,第2部の討議を単にそのまま続けるのではなく,ブロシュアーの中で,研究生の関心事を扱っている箇所に移行し,霊的な必要を満たすようにします。納得のゆく答えが得られるなら,聖書に対する認識が築き上げられ,研究を続ける備えができたことになるでしょう。
6 ある奉仕者は研究生と第2部を話し合っていたところ,聖書の価値は認めるものの,実践したからといって,すべての問題が解決されるわけではない,むしろ避けがたい深刻な問題(病気,死,長引く経済難など)が多いと言われました。奉仕者はすかさず,第7部のテーマと写真や挿絵に注目してもらい,その部分から話し合い,関心を高めることができました。その人の関心事を直接扱った部分が「満足のいく生活」のブロシュアーにない場合は,他の適切な出版物を活用してください。
7 人格的な存在としての神を理解するよう助ける: 区域の中には,神が人格的な存在であることを思い描くのが難しい人もいます。そのような場合,第4部と第5部の間には大きなギャップがあり,ここで関心が冷めてしまう傾向が見られます。兄弟たちはこの障害をどのように乗り越えているでしょうか。一人の開拓者は,進める順番を調整しています。第4部の次に第6-8部を簡潔に考慮し,その後第5部に戻るという方法で,関心が持続するよう助けています。
8 例えば,第4部の4節で,欄外に言及されている「創造者」の本の4章から脳の特異性について話し合い,人が永遠に生きるように造られていることに注目します。この本の66ページの最初の文章から話し合うと,家の人は「どうして人間は比較的わずかな年数で死んでしまうのか」と考えるようになります。
9 次に第6部の4-6節を考慮します。テロメアについての専門的な事例は,身近な「ろうそく」に例えます。「ろうそくがだんだん短くなって最後に消えるように,テロメアが短くなってついに細胞分裂がとまり人は死ぬことになります。しかし,テロメアが短くならないよう,テロメラーゼが本来の働きをすれば,命の火が燃え続けることができると考える科学者がいます」と述べます。最初の人間夫婦が永遠に生き,充実した人生を送るように創造されたことに言及し,それがどこで狂ったのか第7部に話し合いを進めます。まず概略を知ってもらうため,第6-8部は一度に一つの部を扱うことができます。
10 こうした事例を考慮すると,家の人はエホバ神が感情や目的を持つ方であることを少しずつ感じ取ります。そうなれば第5部に戻り,第9部まで順番に研究を進めるのが容易になるようです。
11 研究生の関心を高めるには,その思いを少しずつ霊的な事柄に向けてゆく必要があります。霊的な必要が満たされることに喜びを感じるようになるなら,研究生は一層意欲的に真理を学ぶようになり,研究を中断させようとするさまざまな圧力に対処できるようになるでしょう。―マタ 5:3。