世界展望
タンザニアでは,医師一人当たりの人口は6万4,000人である。―シティズン紙,タンザニア。
『少なくとも10億人の貧しい人々が慢性的な栄養不良状態にある。世界の飢餓人口を2015年までに大幅に減少させるという国連ミレニアム開発目標は達成されないだろう』。―サイエンス誌,米国。
「世界の武器製造企業の上位100社」による2008年の売上高は3,850億㌦だった。前年より390億㌦増加した。―ストックホルム国際平和研究所,スウェーデン。
ばい菌が少なすぎる?
「幼少期に極端に清潔で衛生的な環境にいると大人になってから炎症を起こしやすくなり,それが原因で様々な疾病にかかるリスクが高まる,ということが調査で分かった」と,米国イリノイ州ノースウエスタン大学のトマス・マクデイド准教授は述べている。フィリピンとアメリカの子どもの比較調査によると,フィリピンの子どものほうが感染力の強い病気にたくさんかかっている。ところが若い成人の場合,炎症が生じると高まるC反応性たんぱくの血中濃度は,フィリピン人のほうがずっと低い。これは何を示しているだろうか。子どものころに幾度も一般的な細菌に接触していると,大人になってから致命的な病気にかかりにくいようだ。
労働倫理が失われている
フィンランドの雇用主たちは,新世代の就職希望者たちに当惑させられている。職に就くのに必要な社会性を全く持ち合わせていないように思えるからだ。「新入社員は,仕事時間に縛られる必要はないと考える傾向があり,出社も退社も好きな時間にできると思っている」と,フィンランド国営放送のインタビューを受けたレストラン経営者アネ・ミッコラは言う。行動や服装の規準の面でも問題が生じている。特にサービス業の場合,どんな服装がふさわしくないかを雇用主が教えなければならない。友人がおしゃべりするために職場に立ち寄ることもあり,仕事とプライベートの境界が曖昧になっている。
領土問題が“解決”
ベンガル湾の小島をめぐるバングラデシュとインドの長年にわたる領有権争いが,ついに解決した。海面が上昇したためだ。インドではニュームーア島,バングラデシュでは南タルパティ島と呼ばれるこの無人島は,最高でも海抜1.9㍍しかなかった。とはいえ,その島が最近水没してしまったことが,衛星写真から分かった。「両国が何年話し合っても決着を見なかった問題が,地球温暖化によって解決した」と,コルカタのジャダブプル大学海洋学部のシュガタ・ハズラ教授は述べている。