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  • 鑑14 130–141ページ
  • 1991-2001年 「苦悩の溶鉱炉」― イザ 48:10(第1部)

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  • 1991-2001年 「苦悩の溶鉱炉」― イザ 48:10(第1部)
  • 2014 エホバの証人の年鑑
  • 副見出し
  • 内戦
  • 慰めと希望が与えられる
  • 紛争のさなかの建設
  • フリータウンでの戦い
2014 エホバの証人の年鑑
鑑14 130–141ページ
130ページの図版

シエラレオネとギニア

1991-2001年 「苦悩の溶鉱炉」― イザ 48:10(第1部)

内戦

1980年代には,社会的・政治的・経済的問題が火種となり,西アフリカ全土で紛争が生じました。隣国リベリアが戦禍を被ると,多くの人がシエラレオネに逃げてきました。支部は避難してきた証人たちが住めるよう家や王国会館を提供し,兄弟たちが世話を行ないました。

130ページのグラフ

避難民にとって苦難の時でしたが,ほほえましいエピソードもあります。長年の宣教者イゾルデ・ローレンツはこう話します。「お父さんに頼まれて男の子が王国会館の裏手にやって来ました。そこは支部の所有地で,男の子は庭に設けられた炉で食べ物を温めました。お父さんの所に戻ると,今日は食事ができないと伝えます。どうしてかと尋ねられて,こう言いました。『だって今日はね,エホバがライオンの口からぼくを助けてくれたんだもん』。何が起きたかというと,食べ物を持って帰る途中,支部が飼っている大きなシェパード犬のロボに出くわしたのです。ロボは危険な犬ではありませんでしたが,男の子は襲われるのではと思いました。手をできる限り伸ばして食べ物の皿を差し出し,逃げようとしました。ロボはもちろん餌をもらったと思い,喜んで食べました」。

リベリアでの武力紛争がシエラレオネとの国境にまで及び,1991年3月23日,その後11年続くことになる内戦が勃発します。革命統一戦線(RUF)という反政府勢力があっという間にカイラフンやコインドゥに攻め進み,地元住民の大半がギニアに避難します。その中には約120人の兄弟姉妹もいました。反政府軍が来る前に,リベリアからシエラレオネに避難した証人たちも大勢いました。

当時の支部委員会の調整者ビリー・カウアンはこう述べています。「数か月にわたり,おなかをすかせ憔悴しきった兄弟たちがまとまって何組もフリータウン・ベテルにやって来ました。言葉にならない残虐行為を目にし,野草を食べて飢えをしのいできた人が多くいました。わたしたちはすぐに食べ物と着る物を与え,一緒に来た家族や関心のある人も世話しました。地元の兄弟姉妹は寛大に避難民を自宅に招き入れました。避難してきた証人たちはすぐに野外奉仕を忙しく行なうようになり,会衆に貢献しました。ほとんどの人はやがて移動しましたが,ここにいる間,わたしたちを強めてくれたのです」。

132ページの図版

シエラレオネでは11年間内戦が続いた

慰めと希望が与えられる

支部は,ギニア南部の難民キャンプにいる証人たちのため,食料,薬,建築資材,工具,調理器具を供給しました。フランスからの大量の衣類の寄付も送られました。ある父親はこう書いています。「うちの子たちは歌って踊ってエホバを賛美していました。集会に着て行く新しい服をもらえたんです」。こんなにおしゃれをしたのは初めて,と言った兄弟姉妹もいました。

しかし,避難してきた人たちには物資以上に必要なものがありました。「人は,パンだけによらず,エホバの口から出るすべてのことばによって生きなければならない」とイエスが言ったとおりです。(マタ 4:4)支部は聖書文書を送り,大会を通常どおり開きました。開拓者や旅行する監督が避難民のもとに遣わされました。

巡回監督のアンドレ・バートはギニアのクンドゥーを訪問した時,難民キャンプの係官から,避難民に聖書の講話をしてはどうかと言われました。そこで50人ほどの人に,詩編 18編に基づく「エホバのもとに避難する」という話をしました。話が終わると,年配の女性が立ち上がってこう言いました。「話を聞いて本当に心が温まりました。お米では問題は解決できませんが,聖書は神に希望を置くことを教えているんですね。慰めと希望を与えてくださって本当にありがとうございます」。

宣教者のウィリアム・スローターと妻のクラウディアがギニアのゲケドゥに割り当てられた時,100人以上の難民からなる会衆は霊に燃えていました。(ロマ 12:11)ウィリアムはこう話します。「多くの若い兄弟が霊的に意欲的でした。神権宣教学校で割り当てを果たせない人がいると,進んで代わりを申し出る若い兄弟が10人から15人もいました。たくさんの人がグループに分かれて熱心に伝道に出かけました。そうした熱意ある若者たちは,やがて特別開拓者や旅行する監督になりました」。

紛争のさなかの建設

内戦が始まってまもないころ,フリータウンの兄弟たちはウィルキンソン・ロード133番地に,0.6ヘクタールの土地を購入しました。支部事務所から道を数百メートル下った所にある土地です。アルフレッド・ガンはこう述べます。「そこに新しいベテル・ホームを建てたいと思っていましたが,戦争のことが心配でした。そのころ統治体のロイド・バリーの訪問を受けていたので,気がかりな点を話しました。するとこう言われました。『戦争のことでしり込みするなら,何も成し遂げられませんよ』。この励ましのおかげで勇気が出て,計画を進められました」。

このプロジェクトのため,大勢の兄弟たちが働きました。12か国から50人以上の奉仕者が駆けつけ,地元の会衆の人たちも喜んで手伝いました。建設が始まったのは1991年5月です。建設を監督したトム・ボールはこう話します。「人々は現場で造られる高品質のブロックを見て感心しました。鉄骨の建物は現地の建物とは大きく異なっていました。ですが,人々がもっと感銘を受けたのは,外国から来た白人と現地の黒人が一緒に仲良く働いている様子でした」。

1997年4月19日,喜びの日を迎えました。いろいろな国から来た人たちが新しい支部施設の献堂式に集ったのです。しかし1か月後,5年にわたって地方の町で残虐行為を働いてきたRUFがフリータウンに攻め込んできます。

135ページの図版

フリータウン支部の建設の様子と現在の支部

フリータウンでの戦い

ごわごわの髪に赤いヘッドバンドをしたRUF兵士の集団がフリータウンに押し寄せ,略奪やレイプ,殺戮を行ないました。アルフレッド・ガンはこう述べています。「非常に緊迫した状況でした。外国から来た宣教者のほとんどはすぐに国外に退避しました。あとはビリー・カウアンと妻のサンドラ,ジミー・ホランドと妻のジョイス,わたしと妻のキャサリンだけになりました」。

「とどまることを申し出てくれた地元のベテル奉仕者たちと共に祈ってから,退避場所に急ぎました。途中で,酒に酔った恐ろしげな反政府軍兵士20人ほどに止められましたが,雑誌とお金を渡すと,行かせてくれました。そして,重装備の米海兵隊員が配置された安全なチェックポイントにたどり着き,1,000人以上の避難者に合流できました。米軍のヘリコプターに乗り込み,洋上の軍艦に運ばれました。船の士官から後で聞いたところによると,この度の民間人の退避作戦はベトナム戦争後に米海軍が行なった中で最大規模のものだったようです。翌日,ヘリコプターでギニアのコナクリに行き,そこで仮の支部事務所を開きました」。

138ページの図版

他の避難者と共に退避するアルフレッド・ガンと妻のキャサリン

宣教者たちは不安を抱きながらフリータウンからの知らせを待ちました。ようやく届いた手紙にはこうありました。「混乱のさなかでも,『王国ニュース』第35号,『いつの日かすべての人が互いを愛するようになりますか』の配布を行なっています。人々はよく耳を傾けてくれます。反政府軍の中にも研究する人がいるほどです。わたしたちは伝道活動にいっそう力を入れる決意でいます」。

巡回監督として奉仕していたジョナサン・ムボーマは,当時を振り返ってこう言います。「特別一日大会をフリータウンで開くこともしました。霊的にとても励まされるプログラムだったので,ボーとケネマにも出かけ,そこでもプログラムを提供しました。戦争の被害を受けたそうした町の兄弟たちは,素晴らしい霊的食物を得られてエホバに感謝しました。

「1997年の終わりに,フリータウンのナショナル・スタジアムで地域大会を開きました。最終日,反政府軍の兵士たちがスタジアムに入ってきて,退去するよう要求してきました。わたしたちはプログラムが終わるまで待ってくれないかと必死に求めました。長い話し合いの後,彼らは態度を和らげ,立ち去りました。1,000人以上が大会に出席し,27人がバプテスマを受けました。危険を顧みずボーまで旅をし,大会をもう一度楽しんだ兄弟たちもいます。本当に素晴らしく,感動的な大会でした」。

「紛争ダイヤモンド」

シエラレオネの真実和解委員会が明らかにしたところによると,11年に及ぶ内戦の間,様々な勢力が資金調達のため,シエラレオネの豊かなダイヤモンド資源に目を付けました。この「紛争ダイヤモンド」は外国に密輸され,出どころを気に留めない商人たちに売られ,その結果,戦争が長期化しました。

140,141ページ,全面図版
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