パンデミック前に完了した建設プロジェクト

毎年何十万人もの人がバプテスマを受けているので，崇拝のための施設がますます必要になっています。世界各地にある支部設計建設部門では，2020奉仕年度中，2700以上の崇拝の場所の建設や改装プロジェクトを計画していました。a

でも世界中で感染症が拡大していきました。兄弟姉妹の命を守り，政府の指示に従うため，統治体の出版委員会は大半の建設プロジェクトの一時中止を決めました。でも，パンデミック前に1700以上の崇拝の場所の建設や改装プロジェクトを終えることができました。支部の100以上の大規模プロジェクトも完了しました。どんな良い結果になっているか，2つの建設プロジェクトを見てみましょう。

カメルーン支部。ドゥアラにあった以前の支部施設は，スペースが限られている上に大規模な改修が必要でした。出版委員会は支部の改装について検討しました。でも改装すると，建物の価値を上回る費用がかかってしまいます。新しい土地に建物を建てることや，既存の建物を購入して改装することも考えましたが，どちらも現実的ではありませんでした。

そんな時，兄弟たちはドゥアラ市北部の大会ホールの脇に道路を建設する計画があることを知りました。道路ができれば，交通の便が良くなり，水道や電気などのインフラも整います。このことは支部の建設候補地の条件にぴったりでした。それで統治体は，大会ホールの一画に新しい支部施設を建設することを承認しました。

建設現場では，エホバの証人と外部の業者が一緒に働きました。時間と費用の節約になるからです。結果的に，コストを当初の予想より2億円以上抑えることができました。感染症が拡大する少し前にベテル家族は新しい施設に引っ越すことができました。

カメルーンのベテル奉仕者は快適な環境で働き，生活することができています。兄弟たちは新しいベテルがエホバからのプレゼントだと感じています。ある夫婦は「ここで一生懸命奉仕して感謝を表していきたいと思います」と話しています。

メキシコのトホラバル語遠隔翻訳事務所（RTO）。長年トホラバル語の翻訳チームはメキシコ市の近くにある中央アメリカ支部で奉仕していました。でも，トホラバル語が主に話されているのは，支部から1000キロも離れたアルタミラノとラス･マルガリータスです。それで翻訳者たちは現地で実際に使われている言葉に触れる機会が限られていました。トホラバル語の翻訳や録音を手伝える兄弟姉妹を支部の近くで見つけるのも大変でした。

統治体の執筆委員会は，翻訳チームをトホラバル語が話されている地域に移す計画を立てました。このため支部は建物を購入して改装することにしました。建物を建てたり借りたりするよりも安く済むからです。

この移転はどんな良い結果になったでしょうか。1人の翻訳者はこう言います。「支部で翻訳者として奉仕してきたこの10年間，トホラバル語を話す家族に近場で一度も会ったことがありませんでした。でも今では，トホラバル語がまさに話されている地域で翻訳することができています。毎日生きたトホラバル語に接しているので表現力が豊かになり，翻訳の質が上がりました」。

2021奉仕年度の建設プロジェクト

状況にもよりますが，2021奉仕年度中，75のRTOと聖書学校施設の建設や改装プロジェクトが計画されています。支部の8つの大規模プロジェクトも再開されます。ニューヨーク州ラマポの新しい施設の建設，アルゼンチン支部とイタリア支部の移転などです。さらに，1000棟以上の王国会館を建設する必要があります。6000以上の集会場所はふさわしい施設に変更する必要が生じています。4000棟の王国会館は改装が必要です。

このような建設や改装のプロジェクトの資金はどのように賄われますか。トホラバル語のRTOの建設に関する話の中で，中央アメリカ支部の支部委員ラサロ･ゴンサレス兄弟はこう語っています。「私たちの支部の管轄区域では資金が限られています。世界中の兄弟たちのサポートがなければ，遠隔翻訳事務所は建設できなかったと思います。資金面の援助があるおかげで，翻訳する言語が話されている地域で翻訳作業を行えるようになっています。世界中の兄弟たちの惜しみないサポートに心から感謝しています」。こうした建設プロジェクトは，世界的な活動への寄付によって支えられています。寄付はdonate.jw.orgから行うことができます。皆さんのサポートに本当に感謝しています。