「彼らは平和を好む人々である」
◆ スワジランドでのこと,エホバの証人のある全時間奉仕者は,その地方の一長官から,地方政治集会に出席するよう求められましたが,そのことばに応ぜず,神への奉仕に忙しく携わりました。翌日,彼は長官に呼び出され,集会に出席しなかった理由を問われました。奉仕者が自分の中立の立場をていねいに説明すると,長官は彼を国外に追放すると言っておどし,スワジランドの国王に会って戻ってくるまで待つようにと告げました。長官がこの事件を国王に知らせたところ,エホバの証人をよく知っている国王は,証人たちをそっとしておくようにと述べ,「これらの人々はいかなる政党にも属さず,中立の立場を取っているから,彼らを苦しめる理由は何もない。彼らは平和を好む人々である」と語りました。やがて戻ってきた長官は,待っていた奉仕者に向かって,国王は上きげんであらせられたので,おまえを許されたと告げました。その奉仕者は伝道の仕事を今も楽しく続けています。
― エホバの証人の1970年度年鑑より