ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目70 11/8 24–26ページ
  • そのくずを捨てないでください

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • そのくずを捨てないでください
  • 目ざめよ! 1970
  • 副見出し
  • 合成
  • 別の方法
目ざめよ! 1970
目70 11/8 24–26ページ

そのくずを捨てないでください

ベネズエラの「目ざめよ!」通信員

近くのマーケットで買う食料品の値段が上昇する昨今,家族の必要とする新鮮なくだものや野菜を,家の裏庭で育てられたらどんなによいだろう,と考えたことはありませんか。あるいは,色とりどりの美しい花壇や,肥えた芝ふ,また,手入れの行き届いたかん木の植え込みをごらんになって胸を踊らせ,自分の庭にもそうしたものを育ててみたいと思ったことはありませんか。

それに類したことをやって,次のような経験をしたかたがおられるかもしれません。大きな期待をいだいて,土を堀り,種をまき,雑草を取り,熱心に水をやります。ところが,その結果は失望に終わります。芽を出したのは,ごくわずかで,まばらにしかはえておらず,しかもみなやせこけています。

こうした経験をすると,庭いじりを始めた人の多くはがっかりして,自分にはとても植物を栽培する才はないのだと考えて,あきらめてしまいます。あるいは,庭をいじって少々の成功を収めている人であっても,もっと改善の余地があるはずだ,と考えておられるかもしれません。また,いっこうに進歩が見られない,と思っている人もいることでしょう。そういう人は,何年努力しても同じことの繰り返しで,少しも進歩がない,と感じます。

この問題に対する一つの解決法は,簡単で費用がかからず,しかも手近にあるものです。その秘訣は,あなたが今,無用なものとして捨てている多くの廃物を利用することです。つまり,台所から出る食料品のくず,芝ふを刈った時の草・いけがきを刈り込んだ時の小枝・雑草・枯れ葉などです。これはすべて,庭にとっての資産とも言え,経済的にも美的見地からも,豊かな収益をもたらします。適当に合成させると,それらの材料はこえた肥料になり,植物が強く,産出的で美しく成長するために必要な要素全部を,地中に供給してくれます。

ですから,少しの土地があるかぎり,くずを捨てる際,この中に肥料として役だつものはないだろうか,と一度自問してみるのは益のあることです。たいていのくずは,“合成”として知られている過程を経て,肥料になる可能性を持っています。

合成

これは,野菜類が分解し,暗黒色の腐植に化する種々の方法のことです。この過程の論理は明りょうです。それは,地中から取られたものを土に還元させることにほかならず,自然の物事の取り決めを模倣しているにすぎないのです。つまり,すべて死んだ物質は,バクテリアや真菌類によって分解され,ついには土に帰ります。この循環が繰り返されるため,土地は来る年も来る年も,産出力を失うことなく草木を育てるのです。

しかし,店に行って,化学肥料を一袋買ってくるほうがもっとてっとりばやいのではありませんか。確かに,てっとりばやいかもしれませんが,そのやり方には幾つかの純然たる利点が欠けています。店で肥料を買うお金を節約したいとは思いませんか。それに,自然の有機質肥料ですと,多量に与えすぎて植物を“痛める”心配がありません。そのうえ,化学肥料ですと,毎年施す必要がありますが,有機質肥料は土質を向上させます。また,自然の肥料を使ったほうが,作物の味も栄養価も良くなると多くの人が信じています。

合成はむずかしくもなければ,複雑でもありません。非常に多くの方法がありますので,その中には一つぐらいあなたに役だつものがあるかもしれません。たとえば,プラスチックの袋を使って合成させる方法があります。厚いプラスチックを切って,四つの袋を縫います。各の袋の大きさは,まくらカバーよりもやや大き目にします。その一つに,湿ったくず(動植物の皮を大きく刻んで入れる),刈り取った草,古くなった生け花,ぼろぼろした土を少し,それに,ふん尿があれば少量入れます。それが済むと,袋をひもでかたく縛り,できるならば太陽の光に当てて,腐敗させます。一日に一度かそこら,袋をひっくり返してやります。次に,第2の袋に取りかかります。4番目の袋がいっぱいになるころには,1番目の袋の中味は肥料として使えるはずです。

多量の肥料を合成するためには,普通,大型の入れ物を造り,その中に,さまざまの物を層にして入れます。底の層には刈った草・木々・葉・わらなど,その上の層には薄くくずものを敷き,もしあれば,ふん尿をその上に置き,最後に土を一番上にばらまきます。中味が少し冷えたら,ミミズを入れてやると,腐敗が早まります。ぴったりと合った,がんじょうなふたをすると,ハエが近づかず,不快なにおいに悩まされることもありません。

ごみをあさる動物が問題なら,入れ物のふたに細い針金をかければ十分でしょう。中味は常にしめっていなければなりません。入れ物の底から少しずつ流出する液体は,肥料効果の高い多くの要素を下の地面に与えることになるので,入れ物の位置を時々変えるのが得策でしょう。入れ物を二つ用意するなら,一つの中味が腐熟する間,または肥料として使われている間に,別の合成を始めることができます。

もっと良いのは,オイルかペンキの大型ドラムかんを使う方法です。まず,さびないようにタールかペンキを塗ります。次に,底のほうに排水用の穴をあけます。それから,じかに地面に置かないで,平たい石かレンガの上にドラムかんをのせます。こうしておけば,ドラムかんを庭のあちこちに動かすことができ,合成物から流れ出る液体は庭全体に益を与えます。物事を美しくすることの得意な人なら,ドラムかんに緑色や茶色のペンキを塗って外観をよくしたり,色の合った模様を施してきれいに見せたりできます。

もちろん,庭が広い場合は,その裏の方に大きなつか状に,合成する物を積み上げるだけでよいでしょう。よく下まで湿らせてから,プラスチックのおおいをします。周囲に土を積むか,重い石を幾つか並べて置けば,たい肥が外にこぼれることがありません。おおいをすると,湿気と熱が保たれるため,腐敗が早まりますし,発酵中の肥料をかきまぜる必要もありません。腐熟したたい肥は垂直に堀り起こします。そうすると,いろいろな層の肥料がよく混じり合うからです。たい肥は,暖い時ですと,1か月以内にできあがります。寒い時ですと,腐敗の速度が落ちるため,数週間かかることがあります。

別の方法

以上の方法のいずれにも適さないような環境に住んでいる人がいます。そういう人のために,もう一つの方法があります。それは,ぜひ,悪臭・ハエ・ネズミなどの問題が起こらないようにしたいと願っている,都会に住む人にとって最適の方法と言えます。来年,何かを植えようと思っている場所に,台所の残り物をうめるだけでよいのです。その際,あまりたくさんうめることは好ましくなく,残り物の上に,20センチほどの高さに土を盛ります。そこに何かを植えるには,うめたものが完全に腐敗したことを確かめるため,丸1年待たねばなりません。

立ち木や,ライラックのようなかん木の回りの深い根本の土の地力を回復させたい時にも,同じ方法を用いることができます。その場合,深い穴を一つ堀り,その中にくずを投げ入れればよいのです。穴の大きさや深さについては,ご自分で適当に判断してください。ある庭師は,長さ約1メートル・幅約60センチ・深さ約1.5メートルの穴を堀り,冬じゅう,野菜のくず・むいた皮・卵のから・食べ残りなど,台所から出たくずをその穴の中にほうり込みました。

そのような穴をおおうふたを作って,地面にかぶせることができます。時々,農業用の石灰や粉末になったかこう岩を穴にいれてやると,中のものはより完全に発酵します。悪臭が立ちはじめたら,穴を堀り出した土を,ごみの各層の上10センチぐらいの深さにかけてやります。そうすると,においを消すことができます。穴がほとんどいっぱいになったら,ふたを取って,地面の高さにまで土をうめます。近くのかん木や立ち木が見違えるほど元気になったのに気づくのは,そう先のことではないはずです。

ある庭師は,このように穴を堀ってごみを入れる方法のもたらした成果に関して,次のように述べました。「かこう岩や石灰とともに,穴に捨てたものの持つ養分が,周囲の地中にしみ出て,フランスのあの特別なライラックの根毛と直根とに,養分を保給した。その葉は濃い緑色を帯びて,よく茂り,つぼみが出はじめた時には,木全体がつぼみにおおわれ,開花期には,芳香ただよう,薄紫の小山の観を呈した」。

良い有機質肥料を造り出す方法がたくさんあるのは,以上のことから明らかではありませんか。都会に住んでいようが,農場に住んでいようが,植物栽培の専門家であろうが,しろうとであろうが,作物や草花が健全な産出力を維持するために必要な養分を,まちがいなく与える方法は,いくらでもあります。

くだものや野菜を非常に安く入手し,しかも余分に食卓に出せたらよいのに,とは思いませんか。なんのふぜいもない庭を,周囲に美しいかん木や色とりどりの草花,ここかしこには陰を作る,みごとに茂った木立ちのある,芝ふの敷きつめられた庭にしてみたいとは思われませんか。それでは,たい肥の合成を考えてはいかがですか。くずものを全部捨ててしまわないで,地力を増進させるために使ってください。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする