世界展望
大災害に面している貧しい国々
◆ 世界銀行は最近,39の比較的貧しい国々が必要とする石油の量に関して調査を行なったが,それによると,石油価格の高騰は,今年予定されていた海外からの援助を完全に帳消しにしてもまだ追いつかないほどの打撃をそれらの国に与えている。石油を原料とする化学肥料が不足しており,価格は急騰している。同時に,食糧の不足している,これらのいわば飢えた国が輸入する食糧品の価格は,今収穫年度中に四倍近くになるであろう。アメリカにおける石油不足は,「われわれ[アメリカ人]にとっては,自家用車からバスに乗り換えなければならないこと」を意味するかもしれないが,「アジア,アフリカ,ラテン・アメリカでは,大災害を意味する」と,アメリカ政府の一高官は語った。
変化する旅行
◆ 燃料の不足は運輸手段の型を変えつつある。西ドイツでは,1973年11月の自転車売上げ高が,前年の同月に比べて61%も伸びた。オランダ最大の自転車製造会社は,1973年の最後の3か月間に,前年の同じ時期に比べて売上げが70%も多かった,と語っている。アメリカのバス会社,コンチネンタル・トレイルウェイ社の報告によると,同社のバスを利用する乗客の数は昨年の10月から今年の2月までの間に20%増えた。ニューメキシコ州のロズウェルの二つの主要航空路では,747機の旅客機のうち11機が事実上予備機とされた。米国郵政当局は350台の配達用電気自動車を発注した。
聖書の使用を禁ずる牧師
◆ 英国サリー州ストークダベルノンの聖マリア教会の教区牧師は,最近,同教会において“旧約聖書”を使用することを“禁止”した。聖書の中の望ましくない部分の代わりとして,俗人の著わしたキリスト教文書が使用されることになる。なぜこうした“禁止”措置が取られたのであろうか。同牧師はこう語っている。「侵略的なイスラエル民族が,彼らの神であるあの胸の悪くなるような戦争の神によって,罪のない人々を虐殺するように命ぜられたことに関する記述は,まことに恐るべきものである」。また同牧師は,「史実性に欠け,不快感を引き起こす,ユダヤ人の過ぎ越しの伝説」にも当惑させられたとのことである。その牧師は,イエス・キリストについても同様に「史実性に欠け,不快感を引き起こす」ものと考えているのであろうか。イエスご自身,過ぎ越しを祝われただけでなく,“新約聖書”の中で,「わたしたちの過ぎ越しであるキリスト」として言及されている。―コリント第一 5:7。
死んでいるのは神ではなく神学である
◆ ドイツは永年の間,神学の本家として知られてきた。しかし,ドイツにおける,学問としての神学は,今や死滅しようとしている。原因は何か。かつて人気を得た,「神は死んでいる」という神学と聖書に対する不信の念がその原因である。「今日の神学」誌はこう伝えている。「聖書に対する神学教師の態度を考えると,神学生が,聖書原典の詳細な研究に一生をささげることをやがてあきらめてしまうのも驚くにはあたらない。……また,純学問的神学を現代世界に全く適合したものにしていると思っていた神学者たち自身が,その神学を,死んではいないまでも,さながら致命的な病気にかかってやっと生きているような状態に陥れたのは皮肉なことである」。
分かれ争うルーテル教会員
◆ アメリカ,ミズーリ州セントルイスにあるルーテル教会系のコンコルディア神学校で,神学上の激しい論争が持ち上がり,神学校長の一時停職,および学生の授業放棄という事態にまで発展した。また,2,500人の学生を擁するミネソタ州のコンコルディア大学で生じた激しい人種対立事件も,ルーテル教会員のかかえる問題をいっそう深刻なものにしている。「白人と黒人チームの間で行なわれたタッチフットボールとバスケットボールの学内対抗試合は結局拳闘試合に終わった」と,「今日の神学」誌は報じている。
減少する司祭の数
◆ 最近の統計が明らかにするところによると,1971年には全世界で3,659人のローマ・カトリック司祭が僧職を離れた。その年には,7,180人が新たに司祭としての叙任を受けたが,死亡したり,職責を離れたりした司祭の合計は8,100人であった。教会当局の上げる数字によると,1971年には,15万5,513人の神学生のうち,1万9,737人が僧職者になる希望を捨てて退校した。また,カトリック勢力の強いブラジルのアマゾン地域に住む700万の住民に奉仕している司祭の数は,現在のところわずか621人にすぎない,とバチカンのオッセルバトーレ・ロマノ誌は報じている。バルセロナの新聞エル・ノティシエロ・ユニベルサルによると,過去10年間にスペインで叙任を受けた司祭の数は60%も減少し,1972年から1973年にかけては,わずかに289人が叙任を受けたにすぎない。