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  • 利潤の追求 ― 飢える世界の陰険な敵
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目ざめよ! 1975
目75 9/22 11–13ページ

利潤の追求 ― 飢える世界の陰険な敵

米国では1973年に取り入れの行なわれた耕地についてみると,5ヘクタールのうち1ヘクタールまでが輸出農産物の栽培に使われた計算になります。この巨大な輸出市場が閉鎖されたり,著しくせばめられたりすれば,農産物は米国内に山積みとなり,価格の下落を招くことでしょう。するとどうなりますか。

農夫は食糧の生産をわざと減らすかもしれません。農産物市場がどんどんあふれるようになれば,価格はますます下がるからです。

ゆえに米国のアール・バーツ農務長官がファーム・ケミカルズ誌から出された質問すなわち農産物価格が下がればどうなるかに対して,次のように答えているのも不思議ではありません。「農産物の生産も減少するでしょう」。‘目ざす獲物は利潤である’というのが農夫たちの結論であったと,アイオワ州の一観察者は述べています。

他方,この同じ利潤の追求は多くの農夫の間に幸福感を生み出してきました。過去二年間の出来事によって多くの農夫の平穏な生活が破られるまでは,彼らはいくらでも好きなだけ,もうけることができると信じていました。しかし大きな利潤を望んでどんどん投資した一部の人は,いま大きな負債に圧迫されています。

また利潤の追求に動かされて多くの農夫は,世界の食糧の備蓄に反対してきました。農業をしていない人の目から見れば,豊作の時に穀物を多量に貯蔵して不作の年に備えるのは理にかなった事と思われるでしょう。聖書には古代エジプトにおいてヨセフの時代にこの事の行なわれた模様が記録されています。これは世界の食糧の備蓄を勧める人がだれでも注目している事実です。―創世記 41–47章をご覧ください。

ところが米国の多くの農夫にとって,これは名案ではありません。なぜですか。米国の前農務次官は,ひとつの答えを与えています。世界の食糧の備蓄は米国の穀物と資金に依存するようになるという発言は,この次官によってなされました。その場合,輸出の必要は減少し,農民の収入の主要な基盤が失われることになります。ファーム・ジャーナル誌は,農民にとって不利な影響を価格に及ぼすことなしに備蓄をすることが可能かどうかを専門家に尋ねました。その答えは明白な「否」でした。

ゆえに利潤の追求は,世界的災害ともいえる事態を引き起こすおそれがあるわけです。

中間商人が利を得ているのだろうか

値上がりが農民を潤していないとすれば,だれが利を得ていますか。農民や消費者の多くは“中間商人”を指摘します。それはどんな人ですか。

この用語は,農民の手を離れた食糧が食料品店で消費者の手に渡るまでの流通過程に関与する人すべてを指して使われています。農民は食料品の価格が高いことを包装出荷業者,荷送り人,スーパーの経営者のせいにします。しかしこれらのグループのそれぞれは自分たちも農民と同じくインフレの犠牲者であり,経費の増大に伴って値上げせざるを得ないと主張します。自分たちが望んでいるのは,生計をたて,商売をしてゆくための正当なもうけだけであると彼らは言います。別のことばで言えば,彼らは体制の一部にすぎないのです。

農民はまた高い価格を市場の投機家と食品関係の大企業のせいにします。このような非難はどれほどあたっていますか。

農民が穀物のような主要農産物を売る場合,ふつうは製パン業者その他それを実際に使う人に直接に売るのではありません。それはその土地の穀物倉庫に運ばれてそこで売り渡され,少なくとも一時的に倉庫に入れられます。穀物倉庫において農民に支払われる価格は‘商品市場’によって決定されます。

通商委員会は全国の穀物倉庫に集まる穀物(および他の商品)の量を常に把握しており,予想される買い手に対して何が売りに出されているかを知らせます。そして買い手からの注文を受けます。米国中の穀物倉庫から供給される量と,それに対する買い手からの需要のかねあいで,農民の受け取る穀物価格が決まるのです。

投機家は人が株式市場で株を買うのと同じように商品を一定の価格で買います。投機家は実際に穀物を買うのではありません。彼は品物を配達してもらう意図は全くないのであって,市場で穀物の価格が上がるのを待つだけです。それから売って利ざやをもうけるのです。農民に言わせればこれらの人々は食糧の生産に直接関係しないのに,食糧の値上がりのおもな原因を作っています。

しかし投機家に言わせれば,彼らも体制の一部にすぎないのであって,正当な利潤を得ることを望んでいるだけです。自分たちは投資するたびに大きな冒険をしているのであって,価格は上がるときまっているわけでなく,下がれば大損になることもあると,彼らは指摘します。

いずれにしても,穀物が農民の手を離れて消費者の手に渡るまでの間,だれかが穀物を所有しなければならないと,投機家は言います。これは結局のところ穀物を“貯蔵”しているのと同じことであって,投機家がそのための危険な投資をしなければ,だれかがそれをしなければならず,そうなれば投機家の得ているものがだれかの手にはいるだけであると,彼らは論じています。

また大きな穀物会社についてはどうですか。彼らは市場を操作し,つまり共謀して暴利を得ようとしていますか。もちろん,だれかが自分の利益のために何らかの面で市場を支配し得る可能性は常に存在しています。しかし可能性は決して証拠ではありません。農民や“中間商人”の全部と同じく,穀物会社もまた適正な利潤を望んでいるだけであると主張します。そして穀物会社が,米国から輸出される穀物の大部分を“貧しい”国にではなくて“富んだ”国に売っているのはこの理由なのです。貧しい国はそれを買う資力がありません。

利潤に基づいた米国の巨大な農業の仕組みは,成功している面もありますが,いつまでも機能を保つことはできません。それは自分の尾を追いかける小犬のようなものです。関係しているすべての人が,現在の経済の仕組みに従ってもうけることを望み,またもうけることがどうしても必要なために,食糧はそれを買う資力のない人々の手にはいらず,まただれかが食糧を買ってその人々に与えることもできません。

それでセントルイスのグローブ・デモクラット紙は次のように結論しています。「食糧問題は一方に農民,他方に消費者,そして間に中間商人として知られるこみ入った迷路が関係している。悪者がいるにしても,それをはっきりと指摘することは不可能に近い」。

「このすべてを一緒にすると何が得られるか」と,ハーパーズ誌は問い,こう答えています,「崩壊にひんした体制の処方」。

なんらかのまさった体制が必要なことは明らかです。それは何ですか。

飢える人々のための希望

無私の気持ち,他の人に対する真の愛と関心に基づいた体制は,利潤追求を動機とする現在の体制よりまさっていないでしょうか。しかしこのような新しい体制を建て,運営を始めさせることができるのはだれですか。

地球と人類の創造者はそのことをできます。そして聖書はこれが創造者の目的であることを明らかにしています。イエス・キリストが追随者に祈り求めるように教えた王国政府は,正義の新しい体制がまもなく地上に建てられるように取り計らうでしょう。(マタイ 6:9,10。ペテロ第二 3:13)そのとき,「地はその産物を出し……神,われらの神はわれらを祝福され」ると,聖書は約束しています。(詩 67:6,口語訳)地は楽園となるでしょう。

神の王国の支配が全地にとってついに何を意味するか,エホバの証人に聖書から説明してもらってはいかがですか。本誌の発行者にはがきをくだされば,エホバの証人の所在をお知らせします。

しかし現在の体制の下における農業については何が言えますか。多くの農民は農業をやめたいとは思っていません。彼らは自分の選んだ職業に多くの利点があることを悟っています。ウィスコンシン州のある農夫はこう語りました。「自分の仕事を持つという満足があります。動物を相手に働き,動物たちがさまざまの楽しそうな生命の段階を経て成長するのを見守るのは喜びです。また穀類の作物や牧草の成長を見,年ごとにそれを収穫する楽しみがあります。農夫は自分の計画に従って働き,毎日多くの時間を家族と一緒にすごすことができます。それで農業にも楽しい面があるのです。多くの農夫はこの職業が自分たちを神に近づかせるものであると感じています」。

彼らは農業を愛しています。しかし彼らは,正直な人々 ― 農民,包装業者,小売業者,出荷業者,卸し売り業者 ― を日夜働かせ,その労働に対して最小の報いしか与えず,食糧を真に必要としている人々に食糧を届けることができない,圧制的な世界体制を憎んでいます。このような人々は真の熱情をいだいて神の約束の実現を神に祈っています。「あなたの王国が来ますように。あなたのご意志が天におけると同じように,地上においてもなされますように」― マタイ 6:9,10。

[12ページの図版]

利潤の追求に動かされて多くの農夫や穀物会社は,世界の食糧の備蓄に反対する

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