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  • 言葉は必要に応じて造られる
  • 目ざめよ! 1977
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目ざめよ! 1977
目77 12/8 24–27ページ

言葉は必要に応じて造られる

ブーランジェ氏は普通の人ですが,新しい言葉の必要を産み出しました。彼は,調理された食事を買ってその場で食べることのできる店を始めたのです。当時のパリでは七年戦争(1756-1763)の生き残りで空腹をかかえた人々が町にあふれており,ブーランジェ氏は客寄せに次のようなラテン語の看板を店のドアに掲げました。“Venite ad me omnes qui stomacho laboratis et ego vos restaurabo.”その意味はこうです。「空腹に悩める人よ,すべて我に来たれ。我なんぢを回復させん」。

それで客を回復させることを目的としたこの店は,きわめて当然にレストランと名づけられました。これはフランス語で「回復させるもの」という意味です。

ブーランジェ氏がフランス語そして結局は英語その他の言語に知らずに貢献したことは,絶えず変化する必要に応じて言語が成長することを示す例です。しかし正確に言って言語とは何ですか。簡単に言えばそれは「言葉,その発音,および言葉を組み立てる方法で,かなりの地域社会によって用いられ,理解されているもの」です。言語は,それを使っている社会の事情またその社会に加えられる圧迫や,課せられる要求に応じて成長し,変化し,衰え,消滅さえします。言語は絶えず変化しています。新しい言葉が毎日加えられる一方,影が薄くなり,一般に使われなくなって姿を消す言葉もあります。

英語は世界で最も豊かな言語のひとつです。それは人類に知られている,ほとんどすべての言語から借りています。多くの権威者は英語の語彙が60万語に上るものと推定していますが,これは,完備された辞典であっても一般の辞書には出ていない特殊な専門用語を勘定に入れないでの話です。もしこれらを加えるならば,その総計は300万語を優に超えるでしょう。どんな考えを表現するにしても,あやを異にする幾つかの英語の言葉がたいていあります。

これらすべての語の語原はどこにあるのでしょうか。どのようにして言葉が借りてこられ,あるいはその時々の必要に応じて造られるかを調べるのは,(言葉とその起源を研究する)語原学者だけのする事ではありません。一般の読書家にとっても,それは興味深く有益で,面白いものとさえなり得ます。事実,あなたはあなたの話す言語の発達に一役買っていることを知って驚かれるでしょう。

多くの言葉が借りられている

他の言語から言葉を借り,それを別の“社会”の新たな必要や好みに応じて修正する過程には,ほとんど際限がありません。普通に見られる,ある植物の葉を形容するフランス語を考えてごらんなさい。フランス語の三つの語ダン・デ・リオン(ライオンの歯)はきわめて適切な形容であるため,これを結合していくらか英語化すると,それっ!―ダンデリオンという英語ができました。

アメリカ・インデアンが初期の移住者たちに紹介したある植物の名前を保存しない理由はないように思われました。もちろんそれは少し長過ぎました。それでナラガンセット・アスクタスクオッシュは簡単に(そして幸いなことに)スクオッシュ(かぼちゃ)に短縮されたのです。(食事の席でアスクタスクオッシュを回してくださいなどとだれかに頼むことを想像してごらんなさい!)「興奮した群衆」を意味するラテン語モービル・バルガスは,一般の用語としては,やはり煩わしいものでした。言語の“純正主義者”の非常な努力にもかかわらず,この語は短縮されてモービルとなり,遂にモップ(暴徒)になりました。

定義の変化 ― なぜ?

他の言語から借用された例としてここに挙げた言葉の場合,その言葉の定義は借用の後もそのままで変化してはいません。ショーファーという語は,そういう訳にはゆきませんでした。これはフランス語をそのまま借用した語であって,元来は「熱くする人」を意味しました。これは蒸気自動車の出現と共に,車の所有者である主人の出発に備えて車のボイラーの蒸気圧を高めておくために雇われた人を適切に描写していたのです。この言葉はその出現を促した発明品がすたれた後にも生き残り,「自動車のおかかえ運転手」を意味する語として有用さを保っています。

ある言葉の,一般に通用してはいるが不正確な語法もまた時のたつうちに定義の変化する原因となります。「芽ぐむ」という意味の英語バージョンは,「急速に成長あるいは発展する」という意味にしばしば誤って用いられてきました。そのため今では後のほうの意味を正しい,あるいは望ましい語義として挙げている辞書が少なくありません。

語原

しかし言葉はどのようにして始まったのですか。だれかが,いつの時かに,新たな心要あるいは事情に応じて言葉あるいは表現を造り出さなければなりません。それが一般に通用するようになり,時の重みに耐えるならば,遂には標準的な普通の語法の一部になります。人の名前に由来する言葉はたくさんあります。その人の名前を聞くと,“世間一般”がある一定の事柄を思い浮かべる,そうした人の名前です。こうしてヨーロッパにおける七年戦争のころにフランスの大蔵大臣だった人の名前から新しい言葉が生まれました。彼の厳しい政策は,それから最も影響を受けた人々 ― 貴族階級によってあざけられました。以前の中味が減ってわずかに輪郭をとどめるだけの物あるいは人はシルエットと名づけられました。これは嘲笑的にエティエンヌ・ド・シルエットにあてつけたものです。彼は貴族階級の財布と生活様式に正にそうした影響を及ぼしたに違いありません。

人の名前あるいは称号に関連した別の例を幾つか考えてください。ジョン・モンタギューという英国人は賭け事のテーブルを離れて食事をする暇を惜しみ,パンの間に食物をはさんだもので食事をとるようにしました。それで彼が四代目サンドイッチ伯爵の称号を持つ人で,彼の食べ物がこの名で呼ばれるようになったと聞いても驚くにはあたりません。物を持ち上げる装置であるデリックも別の英国人の名にちなんだものです。彼の職業はこの語の定義をまざまざと思い起こさせました。彼はロンドンのタイバーン刑務所の絞首刑執行人でした。米国,南北戦争で芳ばしくない記録を残したバーンサイド将軍も,一般に「バーンサイド」と名づけられた豊かなほおひげによって,歴史に名を留める,いっそう安住の地を見いだしました。遂にそれは意味論上のしゃれによってサイドバーンズ(ほおひげ)になったのです。

そのほか場所の名に由来する語があります。そのひとつは,ある言葉が標準語の仲間入りをするかどうかを決めるものが他の何よりもその語の通用性であることを強調しています。その語はセント・メアリー・オブ・ベツレヘム病院の,かつてよく知られた略語ベドラムです。これは精神病患者を人道的に扱う点で先駆をなした英国の病院でした。しかしこの言葉は「喧噪と混乱の場所あるいは光景」を意味するようになりました。

ある語は頭字語であり,複合語の各部分の頭文字を順番に組み合わせて作られています。例えば,レーダーはレイディオ・ディテクティング・アンド・レインジングの頭文字を取って造られた語です。ほかに二つの語を混合して元の語のいずれとも意味をやや異にする第三の語を混成した場合があります。クラップ(手を打つ)とクラッシュ(砕ける)の混成語であるクラッシュ(衝突)はその例です。

俗語すなわち標準語ではない,普通きわめて砕けた性質の語彙も,言語の発達に貢献してきました。時として俗語は教育のある人々の間でも広く使われるようになり,その結果,標準の辞書に採録されています。字義通りには「ナッブ・ア・キッド」(子供を誘かいする)を意味するキッドナップは標準の英語となっていますが,その構成部分である「ナッブ」と「キッド」は両方とも一般にはやや標準的でない言葉とされています。

慣用語法についてはどうか

慣用語は,それを構成する語から論理的に考えられる意味とは別の事柄を意味する表現です。しかもそれは言語に色彩と生気を与えます。慣用的な表現にも面白い背景のあるものがあります。

一例をあげると,インドの大公はだれかに対して気に入らない事があると,その者に白い象の贈り物を与えたと言われています。このまれな動物を殺したり,他人にやったり,あるいは働かせることはかたく禁じられていたので,それをもらった人は飼育する費用のために貧窮に追いやられました。それで白象(やっかいな所有物)という慣用句があるのです。

そのすべてはどのように始まったか

しかし慣用的な表現や語原のことを考える時,人類の持つ多くの言語がどのように始まったのかをあなたはいぶかるかもしれません。無数の方言や言語は一体どのように始まったのでしょうか。

他のどんな本よりも多くの言語に訳されている一冊の古い本によれば,「全地は同じ発音,同じ言葉であった」時がありました。この同じ本すなわち聖書はまた,どうしてこれほど多くの言語が突然に存在するようになったかを説明しています。その真実の記録は創世記 11章1節から9節を読むことによって知られます。そこに示されているように,人類家族の一部の人々は神の目的に反対する企てを始めました。神のご意志の通りひろがって『地を満たす』かわりに,彼らはメソポタミアのシナルの平野と呼ばれるようになった地に集中的に住んで人間社会を一点に集中しようと企てたのです。(創世 9:1; 11:2)彼らはその地に偽りの宗教に用いる塔を建てることに努めました。しかしエホバ神は彼らの企てをくじき,彼らを全地に散らすことをされました。どのようにしてですか。彼らの言葉を乱し,彼らが一致協力して塔の建設にあたるのを不可能にすることによってです。加えてその時のエホバ神のご処置は,人類が自分たちにとって危険な,そして神のご意志と調和しない企てに力を合わせる能力に限界をもうけたという点で有益でした。

それ以来というもの,言語は新しい境遇やその時々の必要に応じて対処することを余儀なくされてきました。なるほど,あなたは実際に新しい言葉を造ってこの過程に直接的な貢献をしたことはないかもしれません。それでも言葉を選択することによってあなたはご自分の話す言語を形づくることに毎日参加しているのです。

[25ページの図版]

この植物はなぜ「ダンデリオン」と呼ばれるのですか

貴族階級はなぜシルエット氏をきらったのですか

[26ページの図版]

あなたは“白象”の所有者になったことがありますか

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