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目ざめよ! 1979
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人の心を楽しませる宝石

「何てすばらしいんでしょう。とても信じられないわ! 本当にあなたが自分で見付けたの?」 満足気なその宝石収集家が感心し切っている友人たちにうなずきながら,その天然ルビーのイヤリングを見せると,さらに次々と賞賛の言葉が掛けられました。

それらの宝石は,米国ノースカロライナ州の道路際にあるルビー鉱山で数時間捜して,幸運にも得られたものでした。自分自身の宝石を掘り出す喜びを味わっている人はほかにもおり,中にはその宝石をみがいて台にはめ込み,好みのデザインの装身具にする人もいます。適切にも,英語で“宝石”に当たる語は,“喜び”を意味する古代フランス語のジュールに由来すると考えられています。

昔から人々は,自分の身や持ち物を宝石で飾ることに喜びを感じてきました。人間社会が強力な政治的宗教的組織へと発展するにつれ,最も珍しく華麗な宝石が,その権力の象徴として用いられるようになりました。

英国王室の王冠の中心で豪華に輝いているのは,317カラットのダイヤモンドカリナンIIと有名な黒太子のルビーaです。英国の笏にも,世界で最もすばらしいダイヤモンドの一つである530カラットのアフリカの偉大な星が付いています。

別の見事な宝石のコレクションは,クレムリン兵器庫内のロシアの王冠の宝石です。ばく大な財宝としての価値を持つ第三番目のコレクションは,イラン王立金庫の中にあります。

宝石の持つ意味合いは時として,世俗的なものを超えて,霊的な面に及ぶことがあります。古代イスラエルの大祭司の胸掛けには十二の宝石が付いていました。(出エジプト 28:15-20)それらの宝石にはイスラエル十二部族の名が刻まれていました。啓示に描かれている霊的な神殿の土台は宝石で飾られていると述べられています。(啓示 21:19-21)そして,永遠の主権者であられるエホバは,ご自分の王座の栄光の一端を示すために青いサファイアの輝きを選ばれました。―エゼキエル 1:26。

有名な宝石の中には,遠くの土地で掘り出され,それにまつわる物語の語り継がれているものがありますが,多くの宝石は,よく知っている周辺の地域で採掘されます。それは皆さんの家の近くにさえあるかもしれません。真珠やきれいなサンゴなどの宝石は海でとれます。ダイヤモンドが米国で発見されているなどと考える人はほとんどいないでしょう。中には,アーカンソー州で採掘されたダイヤモンドのことを指摘なさる方がおられるかもしれません。それでも,バージニア州,ウエスト・バージニア州,ケンタッキー州,テネシー州,ノース・カロライナ州およびサウス・カロライナ州などでダイヤモンドが採掘されているとだれが思い付くでしょうか。ウエスト・バージニア州産の淡緑色の有名なダイヤモンド,ジョーンズ・ダイヤモンドが,数年間スミソニアン研究機関<インスティテューション>に貸し出されましたが,それには,2万5,000㌦(約500万円)の価値があると伝えられています。

宝石はどのようにしてできたか

土中にある幾千という鉱物の中で,宝石と言えるものはほんのわずかであり,宝石市場に出されるものは,そのまた一部にすぎません。大半の宝石は希少価値のある鉱物で,大抵の場合耐久性に富んでいます。とりわけ,光に対する人目を引く特有の能力を備えている点で高く評価されています。宝石は,カットされ,みがかれると,人目を引くその魅力が増し,そのときから宝石と呼ばれるようになります。英語の“宝石”に当たる語は,“彫刻された石”を意味するラテン語のジェンマから来ています。

天然の宝石の大半は結晶構造を有しています。つまり,原子が規則正しく並んでいます。原子の並び方には限りがあり,等軸晶系,単斜晶系,三斜晶系,正方晶系,六方晶系,斜方晶系のいずれかであると考えられます。どの宝石がどの結晶系に属するかを知っていれば,宝石を見分けるのに役立ちます。よく知られた宝石のうち結晶体でないものは,真珠,サンゴ,こはくです。真珠とサンゴは動物と関係があり,こはくは,古い木々の樹脂が化石化してできたものです。多彩な輝きを放つ玉虫色のオパールは特殊な部類に属します。

宝石がどのようにしてできたかを調べると,それが非常に希少なものである理由が分かり,深い感銘を受けます。はるか昔に地球が形成された当初には,地球は一時,溶融状態の球体であったと思われます。その球体が徐々に冷えるにつれて,ケイ酸を含む他より軽い物質が地表近くに浮かんできました。それらの物質が固まって,岩石の薄い層から成る地殻が形成されました。これは岩石圏とも呼ばれます。現在では,この地殻は幾つかの大きな岩の板<プレート>に分かれていると考える人もいます。

時折,地球の内部にある熱したマグマがそれらの板状の岩の間,特にプレート同士が互いに作用し合っている縁の部分から押し上げられてきます。そうした噴出がしばしば火山で見られます。火山から噴出した物質は大抵すぐに冷えて,比較的小さな結晶になるため,これには宝石としての価値はほとんどありません。しかしこのマグマは,途中でたまって,地殻の中でゆっくり冷える場合もあることが明らかになっています。こうしてできた岩石のあるものは,ペグマタイトと呼ばれ,地質学上の一累層を形成します。そこには宝石の含まれていることがあります。

多くの場合,これらの岩石層は,熱せられゆっくり冷えるといった過程を幾度も繰り返します。この再加熱と冷却の作用は,同種の化学成分を分離させるのに役立ちます。とても起こりそうにないこうした状況が起こり,化学成分がちょうどよい具合に結合し,大きな結晶を形成するのにちょうど適した熱循環を経て始めて宝石ができあがります。

そのようにして宝石ができあがっても,宝石は,噴火や浸食などのなんらかの方法で人目に付くようにならなければなりません。そうした大きな宝石が形成され採掘されたこと自体,非常に貴重なことなのです。

多くの人に望まれる宝石

価値の高い宝石を幾つか調べると,そうした宝石に本来備わっている珍しい特性,とりわけ光を用いたすばらしい妙技とも呼べるものを行なえるその特性についてある程度知ることができます。天においては,「星は他の星と栄光の点で異なります」。(コリント第一 15:41)同様に,宝石もそれぞれ独自の特別な輝きを賦与されているようです。

ダイヤモンド 王者と呼ばれる宝石があるとすれば,多くの宝石の中からダイヤモンドが選ばれることでしょう。昔はアダマント(従わせることのできないという意味のギリシャ語)と呼ばれていたこの石は,東洋においては古くから知られ,高く評価されてきました。しかし,それが西洋世界に持ち込まれたのは,17世紀になってからのことです。宝石としての価値を持つダイヤモンドは安価な炭素元素だけから成っており,これが超高温高圧下で変化し,炭素のあの美しい同素体になるのです。しかし,そうした状況下では,炭素は土中の多くの化学物質と結合する傾向があるため,ダイヤモンドが見いだされること自体が驚くべきことなのです。

ダイヤモンドを宝石の王者たらしめているのは,ひとつに,ダイヤモンドが天然の物質すべての中で最も硬いという事実があるからです。鉱物の滑石は,モース硬度1ですが,ダイヤモンドの硬度は10です。しかし,ダイヤモンドを宝石として際立たせているのは,白色光を美しい紅色の光に分散させるその特性にあります。

サファイアとルビー ダイヤモンドが宝石の王者であるとしたら,サファイアとルビーは皇太子というところでしょう。化学的に言うなら,これらの宝石は美しい結晶体をした酸化アルミニウムです。実際のところ,両者は共に天然の鋼玉<コランダム>を構成しており,兄弟分のようなもので,含有する微量元素が異なっているというだけのことなのです。それらの微量元素は発色団と呼ばれ,両者に特有の色を与えます。

サファイアの色は,濃い青から黒に至るまで様々ですが,サファイアと言えば大抵青を連想するものです。微量元素がクロムであれば,色は赤になり,その宝石はルビーと呼ばれます。最も高く評価されているのは,暗赤色,つまり紫がかった色合いをしたルビーです。

サファイアとルビーには,60度と120度の結晶構造をした針状のチタニアがごく微量含まれていることがあります。これらの宝石が十分な特性を備えていて,適度にみがき上げられていれば,光を当てたときに,六つの尖りを持つ華麗な星型が描き出されます。この驚くべき特性は星彩として知られており,宝石の値打ちを大いに高めます。

サファイアとルビーはモース硬度9であり,硬さの点ではダイヤモンドに次ぐものです。この数値の違いは実際の硬さの違いをそのまま表わしているものではありません。実際には,ダイヤモンドはそれらの宝石よりずっと硬いのです。

エメラルド エメラルドは人気や値打ちの点では二人の皇太子にひけを取りません。モース硬度8の良質のエメラルドが,あるダイヤモンドよりまさっているということもあり得るのです。エメラルドは緑柱石の一種にすぎません。それは,ベリリウム,アルミニウム,ケイ酸塩などから成っています。エメラルドを同種の他の石から区別している特殊な緑色は,クロムによって,またある場合には鉄によってつくり出されます。もし緑柱石の中に鉄だけしかなければ,よく知られた藍青色になります。酸化リチウムが含まれていると,色は淡紅色になり,その宝石は,有名な銀行家J・P・モーガンにちなんで,モルガナイトと呼ばれます。

エメラルドは,ペルーからロシア,アフリカから北米と多くの場所で発見されてきました。この記事の冒頭の部分で,イヤリング用のルビーが発見されたことについて述べましたが,それが発見されたノース・カロライナ州の近辺にも鉱山があります。

その他の貴重な宝石には,アレクサンドル石,ひすい,アメシスト,オパール,真珠,サンゴ,こはくなどがあります。珍しい天然のアレクサンドル石は金緑石の一種です。この宝石は,光線の具合いに応じて,カメレオンのように色を変化させます。

ひすいとは,様々な合成物から成る宝石の総称です。硬玉と軟玉という名称を持つこれらの多彩な宝石については,「目ざめよ!」誌1978年5月22日号24,25ページの「ひすい ― 王たちの宝石」と題する記事の中で論じられました。硬玉は,普通,ナトリウムとケイ酸塩とアルミニウムから成っていますが,軟玉は,カルシウムとマグネシウムとケイ酸塩からできています。これらのひすいは,過去において王たちや一般市民の楽しみのもととなってきましたし,現在でも多くの人々の喜びのもととなっています。

アメシストは石英の結晶体で,大抵は,紫色であると考えられていますが,色について言えば,無色からバラ色,果ては暗くくすんだ色に至るまで様々です。この宝石の硬度は7にすぎませんから,比較的容易に,カットしてみがきをかけることができます。ですから,初心者が採掘して装身具に作り上げるのに適した宝石と言えます。この宝石は最も広範囲に分布しています。

非常な人気を博しているオパールは,その玉虫色の光の斑点でわたしたちを魅了します。走査電子顕微鏡の写真によると,オパールは,二酸化ケイ素の小集団と思われるものがほぼ規則的に並んでできています。その列が非常に整然としているため,白色光は分散させられ,様々な色になるのです。

真珠,サンゴ,こはくはどれも生物を源としていますが,これらも非常に珍重されています。真珠の主要な源は,海水産のカキであり,それらの真珠の大半は養殖されています。サンゴとこはくは,軟らかく,みがいて容易に光沢を出すことができます。

自分で宝石を見付ける

自分の宝石を自分で見付けるなら,すてきな宝石を持つ喜びはさらに増し加わります。宝石をカットしてみがき,自分で台にはめ込む人さえいます。今世紀初頭になるまで,宝石細工人,つまり宝石をカットして研摩する人の技術に関する信頼できる情報はほとんど得られませんでした。本が徐々に出回るようになるにつれて,宝石を見付けて装身具を造り上げるのを互いに助け合う目的で,しろうとのグループができるまでになりました。そうしたグループに属し,宝石や他の鉱物を人一倍熱心に捜し集める人には,“宝石狂”という愛称が付されています。皆さんの住んでいる近くにも“宝石店”があるかもしれません。店によっては,宝石を売ったり,カットしたり,研摩したりするだけでなく,道具を売って,造り方を教えているところもあります。

注意深く計画し,なおかつ節度を守るなら,宝石を捜し出してそれにみがきをかけるのは,楽しくて有益な趣味と言えます。そして,聖書は,そうしたすばらしい宝石が,特権階級に属する少数の人々だけでなく,やがて全人類の喜びのために光り輝くようになることを確信させる根拠をわたしたちに提供しています。

[脚注]

a ルビーではなく,天然の尖晶石であると伝えられている

[22ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

宝石の結晶体

三斜晶系

斜方晶系

単斜晶系

正方晶系

等軸晶系

六方晶系

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