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  • ゆくえ不明になるイワシの大群 ― 未解決のなぞ
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目ざめよ! 1980
目80 3/22 8–10ページ

ゆくえ不明になるイワシの大群 ― 未解決のなぞ

南アフリカの「目ざめよ!」通信員

「イワシにわく南部海岸」。これは,1978年7月26日のヨハネスブルクのスター紙に掲載されたある記事の見出しです。その記事は次のように伝えました。「マーゲイトのすぐ南にあるマリーナ海岸では,幾百人もの人がバケツや箱や袋を手にして海に入り,今朝早く大挙して波打ちぎわに押し寄せたイワシをすくっていた。海岸はごった返しており,だれもが夢中になって海に殺到し,腰まで水につかっていた」。例年の“イワシの大移動”が始まったのです。

サーディンもしくはピルチャード ― この二つの語はある程度まで自由に置き換えることができる ― と呼ばれるイワシの大群が,南半球では冬に当たる7月ごろ,南アフリカの東海岸沖に毎年きまって姿を見せます。この群れはアフリカの南端にあるイーストロンドン港の近くで最初に確認されます。幾千羽もの海鳥がある海域の上空を旋回し,海めがけて急降下する光景が陸から見られるので,群れの居場所が分かります。時には,本隊が現われる前に,“水先案内”の群れが前方を泳いでいる姿が見受けられることもあります。本隊の群れは途方もなく大きく,数キロに及ぶことも少なくありません。そこには,幾百万匹もの数え切れないほど多くの魚がいるのです。

魚好きの動物にとって,これはまたとない機会です。イワシは,食欲旺盛な海鳥や腹をすかせた人間に食べられてしまうだけでなく,イルカやサメや他の大型魚など,海洋捕食動物のえじきにもなります。それらが幾百匹もこの豊富なごちそうに群がってきます。しかし,これらの海洋動物の攻撃を受けるのは群れの外側にいるイワシだけです。群れの中は魚が密集しているので,魚を食べるこれらの怪物たちは幾百万匹ものイワシの集団の中に入り込むことができません。大きな魚がその大群の中に入り込むなら,えらが詰まってしまうことでしょう。

それでも,専門家の話によると,捕食動物の動きやその旺盛な食欲に恐れをなして,群れが海岸へと駆り立てられることが時々あります。風や海流の影響を受けることもあります。理由や原因は何であれ,大移動現象の一部として,イワシの大群が浜に打ち上げられるという壮観な光景の見られることがあります。魚が浜辺に1㍍もの高さに積み重なることも珍しくないと言われています。群れには普通,海の“狩人”つまり大型魚が伴っています。これらの大型魚は興奮して浅瀬に突進し,土地の釣り師がこれを大量に捕まえます。

巨大な群れは北に進路を取り,やがてダーバンを通過します。すると,驚くようなことが起こります。群れが姿を消してしまうのです。

このイワシの大移動現象となぞに満ちた結末の理由を調べるに先立って,小さいながらも沢山の子を産むこの魚について学ぶことにしましょう。

“サーディノプス・オセラータ”

これは,有名な“大移動”を行なうこの種のイワシ,つまりサーディンもしくはピルチャード(一般にピルチャードの幼魚がサーディンと呼ばれている)の学名です。これは南アフリカ沿岸の水域で一番数の多い魚です。この魚は成長すると,体長25㌢から30㌢になります。優雅な姿をしており,色は濃淡のついたブルーかグリーンで,速く泳ぎます。またこの魚は,海水の温度や密度の変化にとても敏感です。

巨大な群れが,ナミビア(南西アフリカ)の沖合い,特にウォルビス湾の近海に見られます。この魚は表層魚で,西海岸の沿岸で冷たい水の湧昇流のあるところにすんでいます。ある群れは,この海域から南に向かい,喜望峰を回ってから北上し,あのナタール州名物のイワシの大移動を行なうようです。

南アフリカの海域にすむサーディノプス・オセラータには,世界の他の場所に,親せきが沢山います。中でも有名なのはヨーロッパのサーディナ・ピルチャードゥスです。これはよく知られているイワシのかん詰の主な原料になっています。北アメリカにも,サーディノプス・カエルレアというサーディンがおり,これは“カリフォルニア・サーディン”として知られています。これらはいずれもニシン科に属しています。

ところで,これらのおびただしい数の魚は,なぜ,アフリカの外れにまで時間をかけて長旅に出るのでしょうか。やがて,なぞに包まれて姿を消しますが,なぜ,またどのように消えるのでしょうか。産卵のためですか。

産卵のため?

イワシは年間を通じてある程度産卵を行ないます。しかし南半球では,9月から2月までが主な産卵期と考えられています。産卵数はとても多く,一匹の雌がなんと約9万5,000個の卵を産めるものと推定されています。これらの卵は海面近くを漂っていますが,数日するとふ化して幼生となり,やがて変態して稚魚となります。

南アフリカのピルチャードの場合,主な産卵は南アフリカ西岸沖の水温が摂氏13.8度から16度の間のところで行なわれます。平均水温が摂氏15度であることが,大規模な産卵を行なうのに最適の条件であるとされています。ケープタウンのヤングスフィールドにある海洋気象局発行の海面図表から,ナタール州つまり東部沿岸の温度はめったに摂氏19度付近を下回らないことが明らかになりました。これは大規模な産卵の行なわれる温度の範囲を超えています。このような要素と移動を行なうピルチャードの性的成熟度を考え合わせると,大移動の動因が産卵にあるとは思えません。

索餌回遊?

数え切れないほどおびただしい数のイワシは,より良いえさ場を求めて回遊しているのでしょうか。

群れから採った魚の試料は,全体の75%の魚の胃が空であったことを示していました。残りの25%の魚の場合,内容量の7.7%が植物プランクトン,8.3%が動物プランクトン(海に漂う微小な植物と動物)であることが明らかになりました。東海岸と西海岸を比べると,プランクトンの群れはどちらかというと西海岸のほうに多くいます。

1959年と翌60年の7月に東海岸沖で大規模な漁が69回ありましたが,ピルチャードの幼魚は全く水揚げされませんでした。ですから,ナタール州の沿岸に幼魚のえさ場があることを示すしるしは何もありません。このように,イワシの大移動を索餌回遊と考えるのは無理のようです。

では,なぜイワシはそのようなコースをたどるのでしょうか。海流に対する反応が一つの可能性として十分考えられます。海流が魚の動きをかなりの程度まで左右するという見方は広く受け入れられています。ハーデン・ジョーンズは,自著「魚の回遊」の中で,魚が回遊に海流と反流系を利用している場合のあることを明らかにしています。しかし,ジョーンズはまた,魚が長い距離を海流に運ばれるままになる,つまり漂流する結果,「普通ならば分散したものが,本当の回遊と全く同じように見えることがある」とも説明しています。

なぞのうちに姿を消す

この点についてはこれまでも調査がなされてきました。しかし,イワシの大移動の期間中に十分の数のピルチャードに標識を付ける試みは失敗に終わりました。1959年には,わずか69匹のピルチャードの体内に金属標識が取り付けられたにすぎませんでした。しかも,そのうちこれまでに回収されたものは一つもありません。しかし,1960年に,地元のある漁師から寄せられた報告はこれを解く手掛かりとなる可能性があります。その漁師はそれまで数年にわたって,南半球では春に当たる9月ごろ,魚の大群が南に向かっているのを目撃しました。この漁師は1958年に何匹かのピルチャードを捕まえましたが,それは「やせ細っていて脂がなく,捕まえたあとすぐに腐ってしまった」とのことです。

ピルチャードは南西に向かう海流(アグリアス海流)に乗って大西洋に戻るのでしょうか。現在までのところ,これを確証するものは何もなく,単に一つの可能性にすぎません。

食物としての価値

“イワシの大移動”の動因や結末は依然なぞに包まれてはいますが,イワシが人間と動物の双方にとって豊富な食糧源であることは紛れもない事実です。この小さな魚の重さは平均でわずか85㌘ほどですが,蛋白質を20㌘,脂肪を9㌘含んでいて,175カロリーの熱量があります。油やトマトソースにつけてかん詰にされたこのおいしいイワシは,とても栄養価の高い食べ物です。

海の生物は驚くほど変化に富んでいます。これは寛大である上に変化をも喜ばれる創造者の特質をよく表わしています。1953年に提出された報告によると,南アフリカの海域だけで,なんと1,325種類の魚がいるのです。これらの海洋生物については,まだまだ学ばなければならない事柄が沢山あります。そして,それには次の質問に対する答えも含まれています。「南アフリカのイワシは,なぜ,あの有名な大移動を行ない,そのあと姿を消してしまうのでしょうか」。

それは依然なぞに包まれています!

[9ページの地図/図版]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

南アフリカ

ダーバン

イーストロンドン

ポートエリザベス

ケープタウン

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