世界展望
おびえて酔いが覚める
カリフォルニア州の判事たちは,飲酒運転で逮捕された十代の若者たちに「現実を思い知らせる」ようにしている,とニューヨーク・タイムズ紙は伝えた。初犯の若者は,罰金を科されて保護観察下に置かれる上,死体公示所の見学という罰を科される。同紙によると,この罰について判事たちは,「法律に違反した若者たちにショックを与えるというよりは,人の命のはかなさを見せることを意図したものである」と述べている。その理由は何だろうか。「十代の若者たちは,怖いもの知らずである」ために,「現実を思い知らせる必要がある」と一権威者は説明する。カリフォルニア州のある判事の報告によると,サクラメントで前述の罰を科された400人の若者のうち,再び逮捕されたのはわずか6人にすぎなかった。別の判事は,受刑者のうち再犯者になるのは普通30%から50%であることを指摘した。この計画が成功したので,他の州も同様の罰を科す計画に乗り出した。
女性喫煙者の危険
女性の喫煙者が,同性の非喫煙者と比較して,男性により多くみられる心臓病にかかりやすいのはなぜだろうか。カリフォルニア大学サンディエゴ校,医学部の研究者たちの研究によると,喫煙が女性のホルモンの変化と関連しているのがその理由の一つと思われる。更年期に入った女性の喫煙者の血液中には,2種類の男性ホルモンが同性の非喫煙者よりも多く含まれている,と同校の研究者はニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌の中で報告している。「我々の発見は,女性に喫煙を思いとどまらせるための根拠をさらに一つ加えることになるかもしれない」と,この研究の主な立案者である医師,ケイ-ティー・カウは述べた。
英国国教徒は一夫多妻を容認する
7,000万人の教会員を擁する英国国教会は,一夫一婦制をクリスチャンの規範として奨励しているが,8月に同教会は,百年前に制定された,一夫多妻者に洗礼を施すことを禁ずる禁止令を撤回した。英国カンタベリーで開かれた,3週間にわたる英国国教会の会議で禁止令の撤回が決議された。過去において,一夫多妻者が洗礼を受けた英国国教徒になるには,一人を除いて妻を全員手放さねばならなかった。しかし同教会によると,今では一夫多妻が社会に定着している文化において,男性は二人以上の妻を持っていても,同教会の是認された教会員であり続けることができる。しかし神の言葉によれば,これが姦淫であることに変わりはない。―エフェソス 5:31。テモテ第一 3:2。
バングラデシュの洪水
去る9月に起こった洪水でバングラデシュの大部分は水没し,2,800万もの人々が家を失い,窮状に陥った。この南アジアの国の一地域で,3万人の犠牲者のための食糧および住居の世話を担当した准将は,「それはひどい人間悲劇であった」と述べた。人口1億1,000万人のバングラデシュは,雨季の豪雨に襲われたのだ。雨は6月に降り始め,9月までに国土の推定75%は水に覆われた。洪水期間中に様々な原因で死亡した人の数は,伝えられただけでも500人に上った。
不安な歯科医
最も優れた歯科治療を受けたいと思えば,歯科医を怖がってはならない。これがハンブルクでなされた,ドイツ連邦共和国の342人の歯科医を対象にした調査から得られる教訓のようだ。インタビューを受けた歯科医の71%は,そわそわしている患者を前にすると,緊張することがこの調査で明らかになった。その結果,歯科医は「極端に用心深く,神経質になり,治療の質を落とさないために余分のエネルギーを必要とする場合が多い」と,ドイツの新聞「フランクフルター・アルゲマイネ」は述べている。