アメリカ合衆国よりの報告

伝道者 1942 64,959 1947 73,512 1952 132,797 1953 153,624

善意者には援助が必要です。そして新しい世に生きるためにそのような授助を与えるのは伝道者の責任です。その点を強調するのに，合衆国の中央西部にある御国会館の戸口の下にさし入れられた次の手紙に注意してください。これは手紙そのままの引用文です。

『親愛なるヱホバの証者の方々，私は「神を真とすべし」という本を読んでいます。何年も前の昔しに読むことができたら良かつたのにと思います。その本について多く疑問を持つており，答えてもらいたいです。誰か私を助けてくれますか？ 電話がありませんが，大抵毎日一日中家にいます。もし誰かが時間があつて，家に来ていただければ幸いに存じます。夜は暇ではありませんが，昼間は全部暇です。』その人は今家庭で聖書研究をしており，集会に出席しています。家から家への宣教のすべての活動に参加すれば，最も良い結果をもたらすということは全く真です。私たちのつくす努力が完全で十分ならば，ヱホバは，疑いなくより大きな祝福を私たちに与えられます。

ここ合衆国では，会衆の書籍研究の利益と，それを中心とする制度の上に特別な強調がおかれています。書籍研究が司会されている家庭を中心として，伝道することは，最も価値あるものです。会衆の書籍研究を組織している一人の兄弟は出席者数が15人から40人に増加したと言つています。多くの伝道者は，より活潑に働き始め，最初の月にすでに新しい伝道者最高数が得られました。会衆の書籍研究をする家庭を中心とした区域で，野外奉仕に費した時間の数は，以前のどの月のときよりも高いものでした。区域のいろいろの場所で会衆の書籍研究を設けることによつて，非常な増加がもたらされました。伝道者たちには，個人的に援助が与えられました。

全部の伝道者が家から家へと行けるわけではありません。特に，手紙をよこした一人の姉妹は74歳で，不具です。ここ15年間，歩いたことはありません。書くことは難しいことです。しかしその姉妹は電話や，手紙を書いたり，文書を送つたり，また寝床のところにくる訪問客に話したりして，良い音信を伝道します。その地の会衆にいる兄弟たちは，郵便を送るという問題について，その姉妹を助けています。合衆国の17の州，カナダ，欧州，そして朝鮮に文書を送りました。彼女の努力にたいして，多くの返事は感謝の言葉を表わしています。手紙を送つた人の中である人はいま伝道者です。郵便でその姉妹は研究を司会します。この不具の姉妹はこのように言います『家から家へと行く人はよく御存知のように，近づいて接触する多くの人とくらべてほんの少数の人だけしか御国の音信に興味を持ないということを私でも知ります。でも最後まで続けようと決心しています。』

別の兄弟は，盲という悪条件を持つていますが，定期的に家から家への伝道をします。その兄弟は事務所の地区や，店から店へと伝道します。毎月400冊から700冊という雑誌をその兄弟は定期的に配布しています。昨年の平均時間は毎月105時間でした。

これらの二つの例を考えますと，1954年の私たちの定期的な伝道者の数は15万3624名という前の最高数を必らず越さねばなりません。『ものみの塔』を研究する新しい方法は，合衆国で調子よく行われていると報告するのもよろこびです。一つの会衆では，新しい仕方にしたがつて行われた最初の研究で，41名の兄弟が論議に参加したと報告しています。その会衆は，それまで15人から18人位しか参加していませんでした。皆『ものみの塔』の研究を楽しみにしています。

ブルツクリンにある9階建の印刷工場は，今では一つの区割を占めています。いま『ものみの塔』の印刷工場の占める同じ区劃内にあつた他の建物は取りさられ，ブルツクリンのこの地のまわりに新しい道路の系統をつくるようにしました。この印刷工場の1階全部は，いまでは『ものみの塔』と『アウエイク』の雑誌を取りあつかい，郵送するのに使われています。その光景を見るのは，全く興味深いものです。拡大する真理の川が，国々に流れ出て行くのを目のあたりに見て，ほんとうにうれしく思います。文書にたいしての大きな要求のために，協会はいま13のリノタイプの機械を用い，『ものみの塔』を毎月多くの言語で組んでいます。またこれらの機械を用いて，本や冊子などを組んでいます。17の印刷機械は，いつでも忙しく働いています。昨年の間，この飽くことを知らない機械は，4278トンの紙を喰べ，6700万冊以上の聖書や本や冊子や雑誌を生産しました。協会の印刷工場の中に，近代的な設備をもつインクの部屋があります。それは10万5300ポンド（1ポンドは約120匁）のインクを絶えず生産し，この印刷工場で用いられました。その外に，ニカワ，ノリ，そして他の供給物は，この課で作られます。この報告を読む人が，ニユーヨークにいてこの工場を見学したいならば，いつでも私たちはよろこんで工場とベテルの家の訪問を歓迎します。毎日数回にわつつて，案内をするのはよろこびです。この案内をつけた見学での最高数は，新世社会の大会の終つた後の3日間でした。その時には1万5000人以上の人をおもてなしするという特権を私たちは持ちました。

38の違つた言葉でなされた仕事を含めて，非常に多くの生産された文書類は合衆国以外の国々に送られました。海外にいる仲間の奉仕者を助けることのできるようここ合衆国の本部にあつて，拡大された施設を用いるという特権にたいして，私たちはヱホバに心から感謝しています。ヱホバとまた彼の目的の決して敗けることのない前進の進軍に確信をもつて，私たちがみな宣教に自分自身を献げるとき愛のこの強い結びが，ますます丈夫に強くなるよう祈りつつ。（1954年度のヱホバの証者の年鑑より）