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失敗を重ねる国連
● 「国連は,これまでに32年間機能してきたにもかかわらず,憲章に記されているどの目標も達成できなかった」。この意見はアカデミーフランセーズの会員ピエール・ガクソッテ氏が,パリの日刊紙ル・フィガロに発表したものです。それによると,失敗の一因は,「『民族自決の権利』や『性別,言語,宗教のいかんにかかわらずすべての人の権利を尊重する』などの基本的原則を無視する」国家を国連に加盟させたことにあります。
同氏はさらに,国連には100を超える独裁国が加盟している,と語りました。他の加盟国と戦争状態にあったり,部族間で集団虐殺を行なったり,テロリスト訓練施設を保有していたりする国も50以上加盟していることが指摘されました。その記事はさらに,こうした道が,「基本的人権と人間の尊厳及び価値に関する信念をあらためて確認する」という国連憲章にもとるものであることも指摘しています。
多くの人はおそらく,国連がその憲章に掲げた目標を達成できなかった要因の一部がここにあるということに同意されるでしょう。しかし,その主な原因は,同機構が全能の神の是認と後ろだてを得ていないことにあります。(啓示 17:8)「エホバが家を建てるのでなければ,建てる者がそのために一生懸命働いても無駄」なのです。―詩 127:1,新。
あなたの家では『めったに読みません』か
● 最近開かれた1978年スイス聖書協会の総会で,世界聖書協会協議会のヨーロッパ地区担当秘書官オール・ファン・ルインは,アジア,アフリカ,南米での聖書の需要は大きいが,ことヨーロッパに関しては,聖書に対する関心を再び燃え立たせる必要がある,と語りました。これを確証するように,ドイツ福音聖書協会の総主事S・モイラー博士は,聖書は「ヨーロッパの商品市場で最も廉価な書物のうちの一つである」が「めったに読まれない本である」と語りました。
モイラー博士は,教会や聖書協会がもはや読者に理解し難い伝統的な翻訳にあまりに長く固執していたと語って,こうした事態の責めが彼らにあると論じています。さらに同博士は,一般大衆にとって役立つ,「新しい体裁と新しい言葉と新しい方針に基づく」聖書が作られるべきであると考えています。
誠実な聖書研究者は,理解しやすい言葉で書かれた聖書を備えることの価値を正しく認識しています。しかし,自国語の聖書が入手できるかどうかはさておき,各自が次のように自問してみるのは賢明でしょう: わたしの家では聖書を『めったに読まない』だろうか。聖書の価値を正しく認識している人は,聖書を「神のことば」として心からの感謝を示し,これを定期的に読み,研究することでしょう。―テサロニケ第一 2:13。
あなたのお子さんは麻薬を服用していますか
● 十代の子供の中に麻薬に手を出す者がいるのはなぜでしょうか。オーストラリアのビクトリア州で行なわれた最近の調査によると,(1)好奇心,(2)手の届く所にあった,(3)付和随行の三つが最も一般的な理由でした。メルボルンのヘラルド紙によると,精神衛生機関の三人の係官が15歳から20歳までの5,000人を超す若者を対象に研究を行ないました。
報道によると,若い麻薬使用者の親子関係は,「いつも健全」でした。しかし,これらの親の40%は,子供がマリファナやアンフェタミン,あるいはこれより強い麻薬を使っていたことを知りませんでした。
それで明らかに,親は子供との関係を本当に健全で正直なものとするため,子供たちと自由に話し合わなければなりません。麻薬が手に入らないようにする点で親のできることは限られるかもしれませんが,実際的な知識,とりわけ麻薬の有害な影響について教えることにより,若い人の好奇心を抑えることができます。また,クリスチャンの親は,若い人たちを麻薬の使用に走らせる危険のある付和随行の一般的傾向と戦うことができます。どのようにですか。息子や娘が悪い交わりを避け,「この事物の体制に合わせ」ないよう助けることによってです。―ローマ 12:2。コリント第一 15:33。