進歩するために打ち込む
1 エホバはこの事物の体制の終わる前に人々を集められます。かつてノアの日にあった体制の終わりに際してもそうでした。第一世紀のユダヤ教の体制の終わりの時にも同様でした。彼らはどんな目的のために集められましたか。彼ら自身の救いのためでした。そしてそれらの僕たちが他の人々に救いの手だてを差し伸べるためでした。第一世紀に弟子となった人々はまさにそのことのために奉仕しました。今日の真の弟子たちの会衆にも,それと同じ霊が示されています。
2 パウロは「これらのことをよく考えなさい。それに打ち込んで,あなたの進歩がすべての人に明らかになるようにしなさい。自分自身と自分の教えとに絶えず注意を払いなさい。……そうすることによって,あなたは,自分と自分のことばを聴く人たちを救うことになるのです」と言った時,クリスチャンたちに期待されている,人々を救う業を念頭に置いていたにちがいありません。(テモテ第一 4:15,16)わたしたちの進歩は何に向かってのものでしょうか。パウロの言葉によれば人々を助ける者となることに向かっての進歩であることが分かります。今神に集められているわたしたちは昔の時以上に,「それに打ち込んで」奉仕する必要があります。繰り返されることのない神のみ名の立証の日が近いからです。
3 わたしたち個人の進歩はこの点で非常に重要です。そして神からの力と会衆から与えられる援助により各人が進歩してゆくことが可能です。そして援助の上で大切な要素は個人的で定期的な援助です。アポロの例から教訓が得られます。彼は聞いた音信に対して大変熱心であり,強い確信を抱いていましたが,まだ十分に真理の正確な知識を持っていませんでした。一組の経験を積んだ円熟した夫妻が彼の証言を聞いて援助する必要をすぐに感じました。彼らはアポロを「自分たちのところに連れて来て,神の道をより正しく説き明かし」ました。明らかにアポロはその援助を喜んで受け入れたにちがいありません。後に彼は「水をそそ」ぐ業に熟達しました。―使徒 18:24-28。コリント第一 3:6。
4 今日同じことが各会衆の中で行なわれています。特に書籍研究の群れを通して各人が奉仕に進歩を遂げるように助けが備えられています。わたしたちはこの取決めから益を受けたいと思っています。長老たちは各書籍研究の群れの中で進歩することを望んでいる人々を知っていますから,それらの人々のために具体的な援助を計画するでしょう。この点で特に効果的なのは,各人に対して目標を持ち,できるだけ明確な計画を作って一度に一人ずつ助けてゆくことです。神の言葉を家々で効果的に伝道すること,出版物を巧みに用いること,正しい奉仕の記録をノートに取ること,再訪問の業,そして人々に聖書の真理を教えることなど,真の弟子たちのすべてが達することのできる目標を必要に応じて考慮できるでしょう。
5 書籍研究の群れは個人的に伝道者たちを援助し,進歩してゆくために長老たちが活用する優れた取決めです。その目的に達するためひとりの経験を積んだ奉仕者がだれか新しい方を数週間あるいは数か月の間援助し共に奉仕することが必要かもしれません。しかし,それだけの価値があるでしょう。そうすれば「時間の点から見れば教える者となっているべきなのに」そうなってはいない者を会衆の中に見ることはないからです。(ヘブライ 5:12)そしてすべての奉仕者が自分の召された目的,つまり人々の救いの手だてとなるということを正しく認識することになるでしょう。引き続きこのことに打ち込んでゆきましょう。