良いたよりを伝える ―「家族生活」の本を用いて

¹ 今日，家族生活のあり方について健全な指導や教えがないために，種々の問題に直面して悩み事を抱える家族は決して少なくありません。一方，聖書を学び，その教えや原則を適用することを学んだ家族は，問題を少なくし，幸福感を抱いて家族生活を送れるようになるということを経験してきました。

² それで6月中，「家族生活」の本を用いて奉仕するのはまさに当を得たことと言えます。ではこのことをどのように行なえますか。家族生活の諸原則を説いている聖書に人々の注意を向けることによってです。人々は家族生活についていつも考えています。それでわたしたちや一般の家族が日々経験している事柄を中心に会話を進めてみてください。

提供の仕方

³ 家族生活の諸問題について人々と話し合う際には，巧みでありたいと思われるでしょう。あたかも家の人の家庭に問題があり，そのことを話しているかのような印象を与えないようにしてください。社会一般に生じている事柄について語るほうが勝っています。

⁴ 次のように話を始めることができます。「近ごろ世の中に大きな影響を及ぼしている問題について話し合うことができればと考え，訪問しています。それは，家族生活に関することです。だれでも自分の家族が幸福な日々を送れるようにと願っていますが，不幸にして問題を抱え込む家族は少なくありません。家庭の不和や離婚，子供の非行などの問題も次第に増えているようです。人々が家族生活にもっと幸せを見いだすのに何が助けになると思われますか。[考えを述べてもらう。] 聖書には，幸福な家族生活を築く責任は単に父親や母親だけにあるのではなく，家族のひとりひとりにあることが次のように述べられています。[コロサイ 3:18-21を家の人に見せながら読む。] とても有益な助言だと思われませんか。このように聖書の原則を各自が自分に当てはめるなら，家庭内に生じるいざこざを少なくし，今の生活をより幸福なものにすることができます。こうした必要を満たすため，ご家族に役立つこの本を是非愛読なさるようお勧めいたします」。

⁵ コロサイ 3章18節から21節には，夫，妻，親，子供など家族の成員それぞれに当てはまる言葉が含まれています。聖句を読んだ後，家の人の立場に当てはまる部分を短く注解したり，「家族生活」の本からその人に特に関係のある章を見せたりすることもできます。結婚に関心を持つ独身の人には2章の内容を，既婚者には3章から6章の中から関心をとらえる数多くの点を話題に含めることができるでしょう。さらに7章から11章には子供を持つ親にとって助けとなる数々の教訓が取り上げられています。親に対する敬意や責任を論じている12章は若い人々に有益なものですし，13章には年配の人々に訴える情報が数多く収められていることにお気づきでしょう。

新しい研究を取り決める

⁶ 6月中この本を野外で用いる一つの目的は，新しい聖書研究を取り決めることにあります。もし家の人が関心を示し，この本を求めたなら，再訪問の土台を据えることを目標としてください。例えば，話し合いを終える時点で，次のように述べることができます。「お一人で読むこともできますが，この本の効果的な読み方や学び方について，もう一度お訪ねしご説明できるならたいへんうれしく思います。それまでの間，この本の1章に目を通していただけるでしょうか。あるいはあなたやご家族の皆さんが一番興味をお感じになったところを話し合うことができます」。

⁷ この本は家の人の興味を引くどの章からでも，容易に話し合いを発展させることができます。それで家庭聖書研究を取り決める際には，ぜひ，家族全体を援助するという観点から考えるようにいたしましょう。そうすれば，家の人が家族の中のどのような立場にいようとも，積極的に聖書の音信を分かつことができるでしょう。