羊のような人々が確かな土台の上に築くのを援助する
1 家を建てるには,注意深く計画し,努力を集中する必要があります。家の設計が決まったら,整地して確かな土台を据えなければなりません。最終的に完成するまで工事は段階的に進みます。それと同じく,わたしたちは羊のような人が真理を段階的に学ぶよう援助しなければなりません。最初の訪問で,関心を高めるようにします。それから再訪問を行ない,人間に対する神の目的と神についての基本的な真理を教えることにより,土台を据えます。―ルカ 6:48。
2 しかし土台を据える前に,家の人の状況を考慮に入れて,いわば敷地を整える必要があります。前回,どんな事柄を話し合いましたか。反応はどうでしたか。エホバの証人や聖書に対してどのような見方をしていましたか。どんな出版物を配布しましたか。再訪問の際には,特定の話題を念頭に置き,段階的に土台を築いてください。訪問の度に,家の人の知識は増え,聖書と神に対する敬意が深まってゆきます。
3 『永遠に生きる』の本を配布した場合,次のように言えるかもしれません:
■ 「お会いできてとてもうれしく思います。覚えておられることと思いますが,先日お会いしたときには,道徳心が低下し,生活環境が危険な状態になっていることについてお話しできましたね。今日は,この間お分かちした本から,神が人間と地球の将来に深い関心を抱いておられ,人間の手に負えなくなった諸問題を解決される時が間近いということについて数分お話しできたらと思いお寄りしました」。啓示 21章4節を読み,『永遠に生きる』の本の1章1節と2節を討議し,次回の話し合いを約束します。
4 最初の訪問で『永遠に生きる』の本を配布したとき,家族生活の話題を際立たせた場合,次のように言えるかもしれません:
■ 「この間お訪ねしたときには,家族生活について一緒にお話しできました。そして,幸せな家族生活を送るためには,聖書に書かれている家族生活に関する説明書に従うことが大切だという点に同意してくださいましたね。では,結婚を成功させるかぎは何だと思われますか」。答えてもらい,『永遠に生きる』の本の243ページから246ページに示されている情報の特定の点を際立たせます。さし絵について家の人の意見を尋ね,ふさわしければ選んでおいた点を考慮します。聖書の原則の実際的な価値を強調してください。
5 再訪問の際,家の人の側に求められることとして,正直さ,謙遜さ,霊的に飢えていることの三つが挙げられます。しかしながら,そのような望ましい特質を引き出すためには,人々の関心や考え方を巧みに聞き出し,できるだけ心の中にあるものを自由に汲み出すことが大切です。家の人と話し合ってみたい話題としては,最近のニュースに加え,家族生活,人間関係,道徳の崩壊,民族紛争や戦争,環境破壊,健康そして宗教などがあります。
6 話し合いの際には,家の人の述べる事柄によく耳を傾け,その考えを汲み取るように努めてください。特に,家の人が聖書的な見方や考え方をしていることに気づいたなら,そのことを褒め,聖書から根拠となる聖句を示すことにより,共通の土台を据え,聖書に対する親しみや信頼感を築くようにします。家の人の良い点を見いだし,純粋な関心を抱いてください。そうするなら,何度再訪問しても会えなかったり,期待したほどの進歩が見られなかったりしたときでも忍耐強く援助する際の強い動機付けとなり,また再訪問を繰り返し行なうことの喜びを保つことができます。
7 わたしたちはすべて,定期的に再訪問を行なわなければなりません。9月中効果的な再訪問を行なって,関心を示した人をすべて引き続き訪問してゆきましょう。