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目ざめよ! 1970
目70 5/22 24–25ページ

かわいた土地に隠された水

オーストラリアの「目ざめよ!」通信員

北アメリカのスペリオル湖,アフリカのビクトリア湖,ソ連のカスピ海とを合わせたよりも,また,世界の35大湖を合わせたよりも広い帯水層を想像できるだろうか。オーストラリアにはそのような貯水池がある。

「オーストラリアに? オーストラリアと言えば世界でも一番乾操した大陸ではないか」と言うかもしれない。

たしかにそのとおりであるが,オーストラリアの地下には,それほど広大な帯水層が隠されているのである。その水は,170万平方キロ余の地域におよぶ大鑽井盆地の地下にある。鑽井盆地は全部で六つあり,オーストラリアの地下,約260万平方キロにわたって横たわっている。

「しかし鑽井盆地<アーテジアン・ベイスン>とは何か」とあなたは尋ねるかもしれない。

その水は,多孔性の水成岩層の中に閉じ込められた地下水のことである。「アーテジアン」という語はラテン語「アルテジウム」から出ていて,カレー市に近い,フランスの旧州アルトワのローマ名である。西暦1126年,ここで欧州最初の堀抜き井戸が掘られ,それからアーテジアンという名が用いられるようになった。

鑽井<アーテジアン>盆地に井戸を掘ると,閉じ込められていた水が上がってくる。圧力が強くて水が地上に噴出するものは自噴井<アーテジアン・ウエル>と呼ばれる。地下水がたいへんな圧力を受けている場合には,何メートルも空中高くふき上げることがある。圧力が不十分で,水が噴出しないものはサブ・アーテジアンと呼ばれる。

発見の意義

大鑽井盆地は,太平洋岸を160キロ内部にはいったところからオーストラリア大陸の中央部まで広がり,北はカーペンタリア湾から南はニューサウスウェールズの北部まで伸びている。同盆地の最も長い,幅の最も広いところは約1,770キロあり,大部分がフィンズランド州内にある。

この暑くて乾燥した,人口分布のまばらな土地では,旅行者の命はしばしば水に左右される。最近,経験の浅いひとりの旅行者がこの地域で熱射病と渇きのために死んだ。彼は最期のことばをポータブル・テープレコーダーに録音した。ところが,石を投げればとどくほどの所に吹き井戸があったのである。彼はそのことを知らなかった。もし知っていたなら,事情は大いに異なっていただろう。

1880年代のこと,西部クインズランドで水を掘り当てたというニュースに人々は熱狂した。その平原は,水さえあれば牧場に理想的だということを多くの人が知っていた。したがって地下水の発見によってこの地方一帯は,暑さや,ハエや,ほこりなど,いく多の困難を喜んで耐える人々による急速な開発舞台となった。

井戸は続々と掘られ,今では大鑽井盆地の中に3,500余の吹き井戸と,約5,000のサブ・アーテジアンがある。なかには1日の噴出量が900万リットル余に達した自噴井もあった。

家畜の飲料水

この地下水は,灌漑用水として大規模に,また継続的に使用するには適していない。炭酸ナトリウムが含まれているからである。しかし家畜の飲料水としては貴重な存在で,実際のところ,オーストラリアの羊の約20パーセントは完全に,または一部をこの地下水にたよっていると言われる。

大鑽井盆地の炭酸ナトリウム含有量は,1ガロンにつき20グレンから120グレンである。しかし牛は1ガロンにつき1,000グレン,羊は1,350グレンかそれ以上含まれていてもよく育つから,地下水に含まれている鉱物質は家畜にとっては問題とならない。

地下水は,地上に掘ったみぞを通して,望みの場所に送られる。なかには,多数の牧畜業者に地下水を供給する井戸もある。ひとつの井戸に端を発する一番長いみぞは,クインズランド州ボロンの近くにあるワイルド・ホース井戸から出ているもので,180キロ余におよぶ。この自噴井の1日の水出量は約300万リットル余である。以前とちがって最近の自噴井は,水を使わない場合には,水の噴出を押え,自噴を完全にとめてしまうようになっている。こうして地下水を保存し,その圧力を保持しようというわけである。

いつまでもつか

興味深いことに,これらの吹き井戸の噴出量は1914年までは増す一方で,当時は1日に最高約13億リットルの地下水が地上に噴出していた。しかし1914年から噴出量は徐々に低下しはじめ,それ以来,何千という井戸が掘られたにもかかわらず,地下水の総噴出量は現在の水量にまで低下した。大鑽井盆地の現在の噴出量は1日に約7億5,000万リットルとされている。

どうしてこんなに低下したのだろうか。多数の井戸が掘られて大量の地下水が放出され,それとともに水圧が大幅に低下したからである。また,多孔性の岩層を透過して帯水層にはいってくる水量が,吹き井戸から噴出する水量より少ないのである。こうして噴出量は徐々に減少している。

大鑽井盆地で過去60年にわたり生じてきたことは,庭に水をやる注水ホースを使う時に起こることと比較できるかもしれない。ホースの口を指でふさぐと,水圧と水量がホースの中で増すために,指をはずすと水が勢いよく吹き出る。しかし,水量は,また減少し,ホースからは一定量の水が流れるようになる。指を離してから一定した流量にまで減少する時間はほんの二,三秒であるが,大鑽井盆地の場合はこの減少が何年にもわたり,徐々に進行してきたのである。そして現在も減少をつづけている。

一部の牧畜業者は地下水がついには枯渇してしまうのではないかと憂慮している。しかし渇れる心配はないようである。この地下の帯水層は,1日平均,約4億9,000万リットルの水を得ているので,吸い込まれる水と,出ていく水の量が等しくなるまで噴出量は減少するとみられている。

そういうわけで,牧畜業者は向こう何年間も水の心配はいらないようだ。まったくこの広大な鑽井盆地はなんと不思議な土地であろう。ここオーストラリアの地下水は,たしかに,乾燥した土地のための隠された水と言えよう。

[24ページの地図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

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