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目ざめよ! 1970
目70 6/22 13–15ページ

最も珍重される宝石

タイの「目ざめよ!」通信員

中国人のかわいい女の子が,友だちを追いかけながら往来をはしゃいで走っていました。その子をかわいがっているおばあさんは,孫の走る姿をじっと見守っています。すると突然,その女の子はつまずいてころびました。おばあさんは,泣く子を起こそうと,心配そうな様子で急いでやってきましたが,別にたいしたけがもしていないのを知ると,子どもをなだめて,再び遊びに行かせました。これはよく見られる光景ですが,この場合には一つの奇妙なことがそれに続いて見られたのです。子どもが両腕にはめていた緑色の小さな腕輪が砕けたのを見て,おばあさんはことのほか安心した様子を示したのです。

なぜおばあさんは安心したのでしょうか。その小さな腕飾りはひすいでできており,孫娘にお守りとしてそれをつけさせたのはほかならぬおばあさんだったのです。ひすいをつけている人が何かの事故にあうときは,そのひすいが割れ,そのおかげで当人は助かる,と多くの中国人は実際に信じています。それは迷信ですが,自分の信じていることの正しさが証明されたと感じて,「ほら,言ったとおりでしょう」,と言わんばかりの態度をおばあさんが示したのも不思議ではありません。

この事件から,中国人にとってひすいが「天地の精髄」であり,ダイヤモンド以上に「最も珍重される宝石」である理由が理解できます。

中国人は,ひすいが起自然的な起源を持つと考え,それゆえ天界との霊交を促進させ,かつ悪霊をなだめるのに役だつと考えるようになりました。中国人は伝統的にひすいを五つの基本的な徳目,すなわち,慈愛・謙譲・勇気・正義・知恵と関連させます。昔の哲学者たちの教えによると,適当な条件の下でひすいを飲み込むと,何千年も生きる能力,姿を隠す力および飛ぶ能力が授けられるということでした。

もちろん,そんな事柄を信ずる人はもういませんが,それは東洋人が幾世紀もの間ひすいを重視してきたことを示すものと言えるでしょう。しかし,ひすいにまつわる迷信は別として,それはほんとうに美しい宝石です。東南アジアのたいていの場所で,盛装を凝らした中国人やベトナム人の女性がひすいを身につけていないということは,きわめてまれです。

ひすいとはなんですか

ひすいと呼ばれる宝石には2種類あります。カルシウムとマグネシウムから成る珪酸塩鉱物の軟玉と,それらナトリウムとアルミニウムから成る珪酸塩鉱物で中国ひすいとも呼ばれる硬玉です。興味深いことに,軟玉を表わす英語の「ネフライト」ということばは,じん臓を意味するギリシア語のことばから来たもので,粉末状に砕かれたひすいがじん臓の病気にきくことを示しています。硬玉と軟玉の相違を重視するのは収集家だけですが,全般的に言って,硬玉のほうが輝やきがあり,光沢があります。軟玉のほうはつやがあると言うよりも,油のようになめらかな外観をしています。

長い間,中国大陸がひすい工芸品の中心地とされてきましたが,その原石が中国大陸で発見されることはほとんどありません。原石は他の国々,特にトルケスタン地方から輸入されました。しかし今日,軟玉の主要産地はニュージーランドで,硬玉はおもに日本,ビルマ,カリフォルニアで発見されています。ひすいは川床でしばしば発見されます。山から洗い落とされてくるのです。山から掘り出されるのもありますが,中国人は川床から採ったひすいを好むようです。

ひすいと言えば,普通明るい翠緑色のものを考えますが,純白・種々の黄・赤・青・黒にいたるまで,さまざまな色のひすいがあります。

ひすいの真偽を鑑定する

ひすいにたいへんよく似た石が多いので,本物かどうかを確かめなければなりません。それにはどうしたらよいでしょうか。ひすいを買いたい場合,偽って本物として売り出されている模造品を避ける一番容易な方法は,専門家に鑑定してもらうことです。ひすいの特性はその密度と硬度の二つの点にあります。ひすいの密度つまり比重とは,その質量と,同体積の水の質量との比のことで,硬玉の比重は3.4でそれよりやや小さく,軟玉は約3.0です。したがって,90グラムの軟玉は30グラムの水の体積と同じということになります。

硬度の鑑定は簡単な原理に基づいて行なえます。すなわち,堅い鉱物は柔らかい鉱物に傷をつけるが,その反対は絶対にありえないという原理です。ですからひすいの鑑定には,たとえばトッパーズを用います。トッパーズでこすっても傷がつかないなら,それは本物のひすいにまちがいありません。

もっと簡単な方法は,鋼鉄製の懐中ナイフかピンでこするか,突いてみることです。本物のひすいなら,それぐらいでは傷ひとつつきませんが,石けん石などでできている模造品ですと,傷がつきます。もちろん,他人の工芸品をやたらにこすったり,突いたりするのは奨励すべきことではありませんが,どうしても確かめる必要があるときには,品物のうしろ側や台などの目だたない場所を選ぶことができます。本物のひすいであれば,傷つくことはけっしてありません。ガラスも細工によってはひすいそっくりに見えますが,ガラスの質量は同じ大きさのひすいと比べて相当軽いものです。

ひすいの価値

ひすいの値段には相当な開きがあります。宝石そのものの価値以外のものが関係してくるのです。色・形・質,なかでもその古さや来歴などが重要になってきます。1960年,中国ひすいの彫刻品が競売に付され,576万円余の最高価で引き取られました。1860年,北京に向かった英国の探検隊は帝王の夏の殿を略奪し,壮麗なひすいを多数持ち去りました。今日,「北京,夏の殿から」という札のついた品物を見かけるなら,それがすぐれた質のものであることは確実です。もっとも,その札に書かれてあることが真実であっての上ですが。

国によってもひすいの値段は違います。香港ではわずか1,400円ほどでひすいを入手することもできます。しかし,ヨーロッパやアメリカではそれよりも高くつくのが普通です。香港のある一流のひすい製造者の言ったことだそうですが,玉の色が,たとえばこけのように濃い緑だったり,明るすぎてひどく黄味がかっていたりすると,それは質の悪い証拠だそうで,高級なひすいは豪華な緑色をしており,その光沢のために脈でも打っているような感じを与えるとのことです。また,まだらがあってはならず,ほとんど半透明に近いものでなければならないということです。

ひすい細工

ひすい細工は長時間を要する,骨の折れる仕事で,中国人がこの仕事では名人だとされてきました。北京のある加工場では,職人が昼夜交替で絶え間なく働いても,一つの品物を完成するのに何年もかかりました。少なくとも2世紀の間,その加工法は変わっていませんが,どのように加工するのでしょうか。

最初に知っておかねばならないことは,ひすいは刻んで加工するのではないという点です。そうではなくて,穴をあけたり,研磨したりして細工します。のこぎりを使って,ひすいの丸石を適当な大きさに幾つかに切ります。ひすいの堅さのゆえに,それよりも堅いある種の研磨剤を湿めらせて,のこぎりの歯面に絶えず塗らねばなりません。したがって,実際に丸石を切るのはのこぎりではなくて,研磨剤なのです。

横に取っ手のついたつぼも作りますが,その取っ手から別のひすいの輪をつり下げますと,穴のあいた耳たぶに通されたイヤリングのように見えます。その輪も元はつぼと一体になっていたのですが,職人がきりを使って,たれ下がるようになるまで細工を施したのです。ときには,そうした一連の輪が全部一つの原石からできていることもあります。

鉢を造る方法は,堅いひすいのかたまりに垂直の穴をごくわずかの間隔をおいて並行に幾つもあけ,その後に残った薄片の直立した部分を削り取り,鋼鉄製の平らな円盤と普通の研磨剤を用いて研磨し鉢を仕上げます。最後に,木か皮でできている円盤に特殊な粉末をつけて回転させ,みがきをかけます。

ひすいの用途

重さが300キロ近くもある緑がかった白いひすいがかつて北京に持ち込まれました。乾隆帝の命で,山のある風景をひすいで作るためでした。それは1874年に完成し,渓谷を持つ山・木々・あずまや・竹林それに4世紀の文人の姿まで配されたみごとな作品となりました。北京の職人はそれよりも大きい風景をひすいで作りましたが,この作品は現在,アメリカのミネアポリスにあるウオーカー美術館に陳列されているので,アメリカの西部の人々はこれを鑑賞できるでしょう。アメリカではこれよりも大きいひすい細工品はないと思われます。そのほか,ひすい細工の工芸品をあげるときりがありません。王座・寝台・まくら・びょうぶ・はし・きゅうす・皿・本(ひすい板に金文字を刻んだもので,にしきのおおいをして,ビャクダンの木で作った箱にしまってある)・仏像・有名人の像・造花・くし・チェスのこま・うちわ・がん具・アヘン用のパイプその他の宝石品などはその例です。ひすいは一時,種々の道具を作るのにさえ用いられましたが,金属が発見されてからは,金属を用いていっそう有効な道具が作られるようになりました。

死者の眼や口の中に,ひすいで作ったこおろぎを入れることがよくあります。それらの多くは掘り出されて再び使用されていますが,死体に入れられていたため部分的に腐食したひすいも少なくありません。この迷信は,こおろぎが再生を象徴しているとする考えに根ざしたものです。こおろぎは最初地下で幼虫として生活しはじめ,最後にははばたいて天に行くとされたからです。中国人の多くは,そのようにして3度埋葬されたひすいを特に珍重します。

ひすいは聖書のエゼキエル書 28章13節に,ツロの王の『おおい』を飾る宝石の一つとして述べられています。さらに出エジプト記 28章15,20,21節を読むと,イスラエル十二部族の一つの名前の刻まれた美しいひすいが,イスラエルの大祭司アロンが着けた「審判の胸あて」に光彩をそえていたことがわかります。出エジプト記は西暦前約1512年に書かれましたから,ひすいは少なくとも3,400年間,人に知られ珍重されてきたわけです。ときには迷信の対象となりましたが,ひすいが神から人間に賜わった地上の喜ばしい産物の一つであることには変わりありません。

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