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目ざめよ! 1971
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脾臓 ― おどろくべき臓器

橋などの建造物をつくる人たちは,建造物の安全性に余裕をもたせることの必要を知っています。つまり建造物は,最大許容量の荷を支え得るだけでなく,予期しない圧力にも耐えるだけの余裕のある強さを持つものでなければなりません。ところが,この安全許容度を最初に考え出したのは,橋梁建設者ではないのです。創造者である神は,わたしたちのからだに,この許容力を備えてくださいました。

脾臓は多くの面で,安全のための予備臓器と言えるかもしれません。2歳までは,脾臓を取ると,子どもは当然病気に感染しやすくなりますが,2歳をすぎると,脾臓を手術で除去しても,からだの他の部分が,脾臓の機能の多くを代行するようです。

1,800年ほど昔,当時の指導的内科医であったガレンは,「脾臓はなぞに満ちた臓器である」と言いました。こういう話があります。19世紀の有名な病理学者ルードルフ・フィルコーは,あるとき彼の教室の一医学生に,脾臓はどんな働きをするか,という質問をしました。その学生は口ごもりながら,知っていたけれども忘れてしまった,と言いました。するとフィルコーは,「それは残念だ! われわれになぜ脾臓があるかを知っていた人間がついに現われたのに,彼がそれを忘れてしまったとは!」と叫びました。脾臓については,今でも,はっきりわからないことがたくさんあります。たとえば,脾臓内の血液はどのようにして動脈から静脈に移るかについて,医学者の意見はわかれています。

脾臓の特徴

からだの中には,脾臓に似た器官はひとつもないと言ってさしつかえないでしょう。器官自体は痛みに無感覚です。この点では脳に似ています。腺のようにも見えます。しかし導管がないので,導管のある腺にも属さず,ホルモンを出さないので,導管のない腺にも属しません。脾臓は1分間に2回から5回,律動的に収縮します。

脾臓はどこにありますか。腹部の上部,つまり胸部の臓器と腹部の臓器とを隔てる横隔膜のましたにあります。そして小さな曲がった手に似ていると言えるでしょう。おとなの脾臓は,長さ約13㌢,幅約7.5㌢,厚さ2.5から3.7㌢,重さは200㌘くらいがふつうです。色は紫がかっているか,または濃い赤色で,強いゴム様の外被膜,もしくは『嚢』をもちます。脾臓は適応性に富み,仕事の量,状況そして温度にさえ合わせて,大きさを変えることができます。

脾臓がどれだけの働きをするかは,脾臓にかんする,きわめて当を得た次の説明から,ある程度理解できるでしょう。「脾臓は,製造工場,浄水場,廃物処理・利用工場,そして貯蔵所の組み合わせである」―「ツデーズ・ヘルス」1969年11月号。

製造工場

まず,脾臓は製造工場です。胎児が3か月にならないうちから脾臓は働きを始め,白血球と赤血球をつくり出します。しかし,赤ちゃんの誕生後は,リンパ球とよばれる白血球の製造だけに仕事を制限します。しかしなんという生産者でしょう。脾臓から出るときの血液は,脾臓にはいるときの血液よりも,60倍多くの白血球を含むと言われています。

製造工場としての脾臓はまた,からだの免疫性を強化する血液中の微粒子,抗体を生産します。また,からだが放射線照射の影響と戦うのを助ける物質も生産します。この工場で生産される製品はたしかに貴重なものです。

浄水場

脾臓は浄水場でもあります。肝臓に協力して,有害な細菌,消耗した赤血球,薄板片など,血液中の廃物をろ過します。脾臓は,その大きさとはおよそ不つり合いに見える大きな動脈を備えています。しかしそれがたいへん必要であることは,五,六㍑もあるからだの血液全部が,90分ごとに脾臓を通過することから見ても明らかです。

このろ過作業は,大部分,血行路に並ぶ細胞によって行なわれます。これを行なうそれらの細胞の能力は,科学者たちを悩ませています。彼らはこう言います。「われわれは,それらの細胞に先天的に備わっている,あの敏感な能力が何なのか,まだわからない ― それはまるで人間の監視人,不良品を監視する工場の検査人のようである」。

廃物処理・利用工場

血液から,無用な物,有害なもの,あるいは少なくとも不完全なものを全部こし取ったならば,それらを除去すること,また利用できるものを利用することが問題になります。脾臓はこれらの仕事も,その細胞の中のどれかを用いて行ないます。赤血球の平均寿命は127日です。からだに血液を正しく供給しつづけるためには,赤色骨髄は,昼夜兼行で毎秒250万個の赤血球を生産しなければなりません。ということは,血流をせき止めないように,毎秒同数の,つまり250万個の消耗した細胞の処理もしなければならないということです。脾臓が(肝臓とともに)「動的平衝のすぐれた例」であることは,よく知られています。そのために脾臓は「赤血球の墓場」ともよばれます。古い,消耗した赤血球を破壊する,そして脾臓内に静止している細胞は,「大食漢」という意味で大食細胞とよばれます。有害な細菌を攻撃する細胞は,「細胞をむさぼり食う者」という意味で,食細胞とよばれます。伝染病の攻撃が終わるころには,これらの細胞が病原菌で満ちているのが観察されます。

消耗した赤血球が処分されるとき,鉄分は救助されます。消耗した細胞を破壊する細胞は,鉄分でいっぱいになると,赤色骨髄に行き,そこに救助した鉄分を置きます。それは鉄分をくりかえし利用するためです。脾臓がひとつのものもむだにしないのは事実です。脾臓の細胞は,肝臓の細胞よりも有能であるといわれています。しかし肝臓のほうが,これらの細胞をたくさん持っているので,成し遂げる仕事の量が多いのです。

貯蔵所

脾臓はまた貯蔵所でもあります。健康なときには小さなものですが,拡大して,約1㍑もの血液を入れることができます。わたしたちが激しい運動をするとき,脾臓は,筋肉に余分の血液を供給するため収縮します。同じく,出血のあるときとか,けがをしたときのように,からだが突然血液を失う場合,脾臓はただちに自分自身の血液を殆ど全部,循環の中にしぼり出して,力のかぎり損失を補います。これとよく似ていますが,低地に住みなれた人が高地に登ると,脾臓はさっそく,余分の赤血球を血流に送り込みます。空気中の酸素が希薄なために,より多くの赤血球が必要になるのです。でも,しばらくすると,赤色骨髄と心臓が調子をととのえて,このふえた仕事を担当するようになります。

昔,脾臓は,しばしば感情と結びつけて考えられました。たとえば,怒った人のことを,あの人は自分の脾臓の口を開いてある人にそそぎかけた(人にうっ憤を漏らした),というふうに言いました。これはうまく要点をついているようです。というのは,人間でも動物でも,恐怖心や強い怒りにとらわれると,脾臓はただちに収縮し,きゅうきょ体力を強化するため,余分の血液を循環の中に送り込むからです。これは実験でわかったのですが,ネコを追い回す習慣のあるイヌの脾臓は,ネコに触れたはたきのにおいをかぐとか,ニャーという鳴き声を聞くと,収縮して,それが含む血液をイヌの血流中に放出します。

調子が狂うと

今からおよそ40年まえ,ひとりの外科医が,溶血性貧血の患者の脾臓をはじめて摘出しましたが,結果はよかったようです。この手術の結果,脾臓の研究がたいへん盛んになりました。またそのために,脾臓の摘出が一時流行したようです。しかし今日では,脾臓を取り除くことは,ずっと少なくなりました。それはひとつには,脾臓を取り除くと,からだが不良赤血球を生産することがわかったからです。

とはいっても,脾臓が病気にかかると,とくにひどく肥大すると,医師は脾臓を取るようにすすめるかもしれません。170㌘の脾臓が9㌔に,つまり50倍に肥大したケースが記録されています。その女の人は,おなかの中に大きな赤ちゃんをかかえているように見えました。しかし,こういうことはめったにありません。事実,脾臓に腫瘍ができることはごくまれなので,脾臓は抗ガン性をもつ,と言われてきました。

今日行なわれる脾臓摘出手術はほとんど,自動車衝突事故かスキーの事故のためです。脾臓嚢が破れると,血液が腹部に流れ込みますから,患者を出血多量で死なせないためには,手術が必要かもしれません。また嚢の内側がつぶれ,そのために血液が嚢内に充満し嚢が破裂し,同様の致命的結果を招く可能性もあります。他方,一見なんの理由もないのに血の気がなくなり,患者が死人のように蒼白になって気を失うショックの場合は,脾臓が血液で膨張することが知られています。

たしかに脾臓は重要な目的のために奉仕しています。脾臓が取られれば,からだはそれに応じて調節できるとはいうものの,脾臓は重要な働きをします。脾臓はたしかに『製造工場であり,浄水場であり,廃物処理・利用工場であり,貯蔵所』です。こうしたことはすべて,人間の創造者の知恵をあかし,わたしたちのからだは実に,『おそるべく,くすしく造られている』と言った詩篇記者ダビデのことばを裏づけるものです。―詩 139:14。

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