あくびは抑えるべきですか
● あくびは呼吸を助けるものであるということをご存じでしたか。それは,あくびをすると,肺の換気をいっそう十分に行なえるからです。普通の呼吸の場合には明らかに,肺胞と呼ばれる気嚢すべての換気が均等に行なわれるわけではありません。それら気嚢の中には実際には時として通気孔を閉じてしまうものもあります。その場合,そうした気嚢を通過した血液は十分に酸素を供給されないまま動脈にはいってしまいます。そのために,血液中の酸素の平均量は減少してしまいます。
長くて深いあくびをすると,肺の中のそれら閉じた気嚢が開かれるのです。それに,あくびをすると,からだのほとんどの筋肉も働くので,あくびは血液のたよっている血管からよどんだ血液を絞り出す働きもします。さらに,あくびをするさい,のどは広く開き,一瞬完全に弛緩します。これは声を出して話すのに益となります。
では,あくびがしたくなったら,どうすればよいでしょうか。たぶん,手を軽く当てて口をおおい,十分にあくびをして,その益にあずかれます。