世界展望
海洋は廃棄物の捨て場としては不適当
◆ 海洋に捨てられた廃棄物は海岸に打ち上げられるので,廃棄物を深海に投棄することが考えられている。それとて問題を招きかねない。有機物質は深海では急速には腐敗しないことがわかったからである。海底調査潜水艦「アルビン」号が1.6キロの深海を1年間潜航して浮上した際,乗組員のサンドイッチは,びしょぬれになってはいたが,腐ってはいなかった。低温と高圧があいまって,バクテリアの活動は抑制されるようである。米国立科学協会の生物学的海洋学プログラムの責任者はこの発見を評して次のように語った。「とりわけ有機物質にとって,深海は廃棄物処理工場ではない。海洋に捨てられる有機物質は保存されることになり,やがて海底は幾十年にもわたって残存する廃棄物でおおわれることになるだろう」。
教会の財産を売却する
◆ ボリビアのローマ・カトリック教会の首位者,ホセ・クレメンツ枢機卿は,ボリビアの同教会が4世紀余にわたって蓄積した財産を売却し,そのお金を住宅,病院,学校の建造や道路の敷設,また産業開発に用いることを提案した。その資産は1億ドルと推定されている。
プロテスタントの聖書を求めるカトリックの僧職者
◆ 教皇パウロ6世が,ミサに用いることばをラテン語から現代語に切り替えることを命じたため,多数の司教はミサの典拠となる自国語の聖書を持ち合わせていないという事態に陥った。プロテスタントの聖書は1,200余の言語に翻訳されているが,カトリックの聖書はわずか80か国語でしか入手できないため,カトリックの多数の僧職者はプロテスタントの聖書の使用を余儀なくされている。あやまって伝えられたため,中にはプロテスタントの聖書とカトリックのそれとは異っていると考える人もいるが,基本的に言って両者に相異はない。
砂漠で農園を営む
◆ 降雨がほとんどないにもかかわらず,かつて中東の砂漠には多数の農園が営まれていた。古代人が送水管を用いて水を導入することなしに農業を営んだひけつが発見され,イスラエルのネゲブ砂漠でその有用性が実証されている。ミカエル・エベナリ教授は,年間の雨量がわずか75ミリであるにもかかわらず,送水管を用いて水を導入することなしに砂漠で相当の種類の作物を栽培することに成功した。同教授は,砂漠の砂地が雨水を地中に封じ込める一種の外殻を形成し,雨水の蒸発をおおむね阻止することを発見したのである。古代ナバチア人はそうした雨水を確保するため,耕地の何倍もの広い集水地を作った。エベナリ教授の発見によれば,果樹二,三本の栽培にまにあうほどの狭い集水地は,水分の蒸発が比較的少ないので,いっそう効率がよいという。雨は何か月も,ことによると1年間も降らない場合があっても,集水地の砂地の外殻の下には水分が封じ込められているので,木は生きのびて,実を結ぶのである。こうした方法を用いた同教授は,送水管を用いて水を導入することなしに,アンズ・モモ・堅果・豆・ヒマワリ・植物油を取るための種々の作物・アスパラガス・ローガンベリー・その他さまざまな種類の飼料作物を栽培してきた。
規定食は人体の防御機構を向上
◆ 人体の防御機構は,減量した規定食で改善できるようだ。アメリカ,ロサンゼルスのカリフォルニア大学医学部のロイ・L・ウォルフォード博士が第1回国際免疫学会議で報告したところによれば,栄養価の高いエサを通常の3分の1に減らして与えられたネズミは寿命がかなり延びただけでなく,発ガン傾向も非常に低くなった。ネズミの発育速度は比較的ゆるかやではあったが,健康を害することなく最終的には普通の大きさのネズミに成長した。これは人間にとって小食が賢明であることを示すものかとの質問に,ウォルフォード博士は,「そういうことになる。が,それにはごく幼い時から小食を実行する必要がある」と答え,また,そうした規定食は栄養に富み,平衡の取れたものでなければならないと語った。
体重を減らす最善の策は規定食
◆ ふとり過ぎの人々は薬を服用して体重を減らそうとする場合が多いが,1971年7月23日号,メディカル・レター誌によれば,そうした方法は危険なだけでなく非現実的である。同誌は,薬を服用して肥満を直そうとする方法は「永続的な効果のあることが実証されていない」と述べている。薬を服用すれば,副作用を招くおそれがある。同医学雑誌はこう述べている。新しい方法や薬剤が続々と登場していることは,たいていの肥満体の人々の体重の減少状態を持続させるのにそうしたすべての手段が概して失敗していることを示している。…体重を減少させるための最重要な方法はやはり,規定食にかぎる」。他の方法の場合,体重は減っても,ほどなくして元に戻ってしまう。同記事は結論で次のように述べている。「急場しのぎの計画,風変わりな,もしくは特殊な規定食や薬剤の服用は一時的に体重を減少させる以上の効果をもたらすことはまずない。事実,患者が生涯食事に制限を設けることに同意する以外,肥満を恒久的に抑制できるものはない」。
認められた,父親の権利
◆ このほど,アメリカ,ニューヨークの控訴院は,家を出て,父親の気にさわるような仕方で生活するようになったわがままな娘に対して扶養を差し控える親の権利を認めた。同控訴院はとりわけ次のように述べた。「結論として,本件の場合のように,就職可能な年齢の,十分の能力のある未成年者が,みずから,しかも理由もなく,親の意志に反して,親の監督を免れる目的で家出をする場合,当人は扶養される権利を失う。…扶養の義務は継続的なものではあるが,扶養に対する子どもの権利と,保護監督と世話をする親の権利は相関的である。したがって父親は保護し扶養する代わりに,穏当な規則を子どもに課すことができる」。
「ダット」の話
◆ 最近,猫と犬の交配種を育てたと主張した,英国ラムスゲイトのあいがん動物店の店主のことがいくつかの新聞で報じられた。その店主は問題の交配種を「ダット」と呼び,別の報道は「ドガット」と呼んだ。同店主によれば,その動物はある時はほえ,ある時はにゃおと鳴き,その姿は犬の顔をしているが,猫の足や毛やひげをつけているということだった。その後,このあいがん動物店の店主は,全くの冗談で地方新聞に広告を出したにすぎないことを認めた。「ダット」は小犬にほかならなかったのである。
地震を予測する
◆ アメリカ,クィーンズランド大学のふたりの科学者が火山の調査によって地震を予測する道が開かれるかもしれないと報告した。そのふたりは,火山が爆発する前に,火山付近の磁場が変化することを発見した。
カトリック教徒の先祖崇拝
◆ 最近,中華民国のパウロ・ユーピン枢機卿はある先祖崇拝の儀式を認めると言明した。その儀式が挙行される数日前,同枢機卿は,自分もその儀式に参加し,ゆくゆくはさらに多くのそうした儀式を奨励したいと語った。バチカン当局は1939年に先祖崇拝の禁令を廃した。こうした態度は,創造主にのみ崇拝をささげた初期クリスチャンとなんと異なっているのであろう。
ニュージーランドで年少者による犯罪が激増
◆ ニュージーランドの警視総監,W・シャープが国会に報告したところによれば,年少者による犯罪が驚くほどふえ,1966年から1970年にかけて2倍に増加したという。近年の犯罪増加率は37%を上回っている。今やこの国の犯罪総数の約4分の1が年少者によるものである。
同性愛者に対する僧職者の見解
◆ 最近,アメリカ,テキサス州のメソジスト紙が,同性愛行為を容認できるかどうかに関して行なった調査によれば,対象となった僧職者の60%は,人は同性愛行為をならわしにしていても同時にクリスチャンでありうると答えた。しかし,神ご自身のみことば聖書は,そうではありえないこと,つまり同性愛者は『神の〔王国〕を嗣ぐことがない』と明示している。(コリント前 6:9,〔新〕)しかしながら,『汝等のうちさきには斯のごとき者ありしかど,己を洗うことを得たり』とも述べている。(同11節)したがって,以前同性愛者であっても悔い改めて神の規準を受け入れ,そうした行為をやめるならばクリスチャンになれる。神の基準は,それら僧職者の低劣な理論となんと大きく異なっているのであろう。