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目ざめよ! 1973
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ケベックのかえで糖造りの季節

カナダの「目ざめよ!」通信員

「かえで糖造り」のパーティーにいらっしゃいませんか。冬の雪が春の雪解けの陽気に道を譲るころ,きらきら光るブリキのバケツがかえでの木にぶらさがっているのが見えます。がたがたの製糖小屋の中には大きなおけが置かれ,火がたかれており,樹液を煮詰めてパンケーキの上にかける人気のあるメイプルシロップを作る用意ができています。カナダ,ケベック州の都市や農村からは大勢の人びとが,群れをなして製糖所にやって来ます。ごいっしょにいかがですか。

ケベックの多くの農場では,近隣の地区や都市から日帰りでやって来る人びとのために「かえで糖造り」のパーティーが組織されています。まず最初の楽しみは良いにおいです。木の燃える強いにおいと,煮つめられている樹液の甘いかおりとがいっしょになって,忘れがたい楽しいかおりがあたり一面に立ちこめています。

初期のヨーロッパ人の移住者は,樹液からかえで糖を作る方法をインディアンに習いました。統計資料が初めてまとめられた1851年には,北アメリカで61,000㌧のかえで糖とシロップが生産されました。今日では,生産量はその約2倍に達しています。かえで糖の生産国は,世界中でアメリカとカナダだけです。

樹液の採取と採集

まっすぐな樹幹と,木の高さの3分の2かそれ以上の長さにおおらかに伸びた枝を持つかえでの木々に思わず目を奪われます。カナダ産のかえでの木で一番大きいのは普通,高さが20㍍余に達し,幹の直径は50㌢ないし1㍍近くにもなります。

木立の間をよく見ると,木の幹にブリキのバケツが掛けられているのに気づきます。シーズンの初めに製糖業者は木の幹の適当な箇所を選んで,樹液が出やすいように少し上向きに,2.5ないし5㌢の深さの穴をあけ,次に,その穴の中に金属製の管を差し込み,樹液が管を通ってバケツに流れ込むようにしておきます。また,バケツの上には小屋の形をした覆いをかけておきます。

直径が30㌢以下の木からは樹液が採取されていないことに気づかれるでしょう。普通,直径30㌢の木からはバケツ1杯,45㌢の木からはバケツ2杯,60㌢の木からはバケツ3杯,75㌢の木からはバケツ4杯分の樹液が採れます。1本の木からは1シーズンで,150㍑までの樹液が得られるでしょう。樹液は,日のよく照る,暖かい気温(だいたい摂氏4度から7度)の日の昼間と霜の降りる夜に一番よく出ます。

木に穴をあけて樹液を取ったりしても木は何の害も受けないのだろうかと人びとはよく尋ねます。樹液を取られる木は養分を奪われるので,その分を補おうとしていっそう盛んに活動します。また,採取者もたいてい根元の土をきれいにして,さらに水分や養分を与えて,木がそれらを吸収できるようにします。こうして,シーズンごとに幹に穴をあけては何度も樹液を採取しますが,木は何ら害を受けません。そして,こうした採取が時には100年以上に渡る場合もあります。

なお雪に覆われている,かえでの林の中をさらに歩き回っていると,樹液をバケツから採集する様子を見ることができます。樹液は金属製の採集容器を取り付けた,車台の低いそりで製糖所に運ばれます。馬は,雪だまりや木々の間を楽々とうねって進みます。最近の金属製の採集容器には,一番上にこし器が,また底には管が取り付けられており,その管を通して樹液を製糖所の貯蔵器に流し込むことができます。

製糖所で

ここではかえで糖造りの過程のうちでも最もむずかしくて重要な作業である,樹液をシロップに煮詰める仕事が行なわれています。必要に応じて,樹液は貯蔵器から管を通して製糖所の中の蒸発器に送られます。その蒸発器は細長く伸びた大きな鋼鉄製のなべです。蒸発器の下の炉の中では薪が盛んに燃えています。樹液は貯蔵器から絶えず蒸発器の一方の端に流れ込みます。そして,長い迷路のようになっている仕切を通って進む間に,下からの熱で余分の水分は蒸発し,最後に抽出口から濃縮されたメイプルシロップとなって出てきます。シロップはろ過され,かびが生えたり,色や風味を失ったりしないように,まだ熱い(摂氏約80度)うちに,びんやかんに詰められます。

わずか1㍑のメイプルシロップを作るのに30ないし40㍑もの樹液が必要とされるのです!

この製造過程全般を通して,かえで糖製造者に,とっては手早く仕事をすることと清潔さを保つのは重要なことです。1回分の樹液からシロップを作る全過程は1日で終えられます。

訪問者の接待

かえでの森と製糖所を見学した後,訪問者たちはきれいな雪がぎっしり詰めてある木箱の回りに集まります。製糖所の人が煮立っている熱いシロップのはいったバケツを持って来て,シロップをひしゃくで汲んで雪の上にかけます。

シロップはすぐに固まり,訪問者は木のはしでそれをつまみ上げ,楽しいかえで糖造りの季節の「シロップをかけた雪」をおいしく味わうことができます。

次にみんなで楽しむのは,「かえで糖造り」の食事です。この伝統的な食事には,焼き豆やハム,それに深なべで掲げた塩づけの豚肉をこまかく切ったものに熱いパンを添えて出します。デザートは,メイプルシロップを入れて料理したいり卵です。食事がすむと,音楽やダンスが行なわれます。

かえで製品の用途

メイプルシロップがかえで製品の中で最も人気があるとはいえ,かえで糖やメイプルバター,それにメイプルタフィー(砂糖菓子)も忘れてはなりません。かえで糖は,樹液をシロップの場合より高い温度で煮詰めて造り,その後,型の中に流し込みます。メイプルバターは砂糖を作る場合よりも少し低めの温度で樹液を煮詰め,かなり濃くなるまでかきまぜて造ります。それから容器に流し込みます。たいていかえで糖を造る季節の間だけ手にはいるメイプルタフィーは,濃いシロップのような濃度になるまで煮詰め,次にそれを容器に流し込んで作ります。

メイプル・ライスプディングを作ってみたいと思われるかたもおられるでしょう。材料は,米3分の2カップ,卵2個,少しあわを立てたメイプルシロップ3分の2カップ,牛乳をカップに1杯半,にくずくの実のひいたもの少々,塩小さじ4分の1杯,たねのない干しぶどう2分の1カップ。作り方: 煮立った湯に塩を入れて米を柔らかく煮る。煮えたら,水を十分きる。卵とメイプルシロップをいっしょにしてよく混ぜ合わせる。次に,その中にミルク,にくずく,小さじ4分の1杯の塩,それに煮た米と干しぶどうを入れて,かきまぜる。それをバターをひいた蒸焼きなべに移し,中ぐらいの温度(摂氏180度)のオープンに60分から70分ほど入れる。(6人から8人用)メイプルシロップを使ったアップルソースもお好きでしょう。1カップのメイプルシロップと半カップの水を深いなべに入れて煮立たせます。次に,皮のついたままのリンゴを薄く輪切りにして,なべ一杯に入れ,リンゴにシロップがよくからまるまでかきまぜ,リンゴが柔らかくなるまで十分長く煮ます。そうすると,リンゴの輪切りは形をくずさずに,メイプルシロップの甘いころもで包まれます。

かえで糖を取る時期は短くて,わずか4ないし6週間にすぎませんが,それでも毎年この季節には楽しい経験を味わえます。

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