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目ざめよ! 1975
目75 5/22 12–15ページ

毎日,花束を

ローデシアの「目ざめよ!」通信員

アフリカ! この言葉に接すると,まず第一に何を思い浮かべますか。動物のことですか? もしこれがアフリカを旅行する機会に恵まれて帰ってきた人に大人や子供が質問している場面であれば,あなたは動物のことを連想したことでしょう。内地の人たちは,「ライオンを見ましたか。象も見ましたか。蛇も?」と熱心に聞くかもしれませんが,「どんなすばらしい花を見ましたか」と聞く人はほとんどいません。

アフリカ中南部のローデシアには動物もたくさんいますし,花もたくさんあります。それで気分の転換に,植物の生態を見ることにしましょう。まず,都市の郊外部から始めます。

栽培されている草花を観察する

ソールズベリのセシル広場の花市場を見物すれば,花としてどんなものが栽培できるか,また実際どんな花が栽培されているかをざっと見ることができます。街路を隔てて見ると,花市場は目もくらむばかりの大きな色模様のように見えますが,さあ,もっと近づいてご覧ください。水がいっぱい入ったバケツや低いたるの中には,さまざまの色合いのキンギョソウ,薄紫色やピンク色のルピナス,黄色やオレンジ色のキンセンカその他数限りないさまざまの花束が堅く縛られて入っています。もっと異国的な花の中には,花弁や葉の取り合わせや配色に信じられないようなものがあります。口ばしの長い鳥の頭を連想させるような花があるかと思えば,まるでたいへん高価な,青みがかった紫色のビロードで完璧な形に作られているため造花のような印象を与える花もあります。

アフリカ人の花売りはお互いに競い合い,ひいきにしてもらおうとしてこう呼びかけます。「さあ奥さん,とてもすてきなカーネーションです! 白いのはいかがですか。ピンクのにしましょうか。もしかしたら赤いのはいかがですか」。

「さあさあ,ご主人さん。とびきり上等の矢車菊です。赤,白,ピンク,青といろいろございます! バラもすてきなのがありますよ。さあ,今すぐお求めください。安いですよ。すごく安いですよ!」

「どうぞお嬢さん,この麦わら菊は長持ちしますし,それに安いですよ! 茶色あるいはオレンジ色,それとも黄色のがお好きですか」。

覆いのある,れんが造りの魅力的な売店もありますが,たいていの花売りは歩道の脇の路上のほうを好みます。そこでは降っても照っても一年中どの月でも花売りの姿が見られます。ですから,一日として花束なしで過ごせるものではありません。

多分高過ぎるのではないか,と言われるのですか。それでは,あなたはきっと驚いて大喜びなさるでしょう。どんな花が一番お好きですか。半ば開きかけた,完璧な形の美しいバラのつぼみが12個ある花束ですか。わかりました。花売りが言うには,たった45セント(米貨で78セント: 約230円)でよいとのことです。これは実に手ごろな値段ではないでしょうか。

町の公園もご覧ください。しかし,公園へ行く途中,民家の庭にも目をとめてください。家々の庭はまるで小公園のようです。もし広々としたこの町全体を,あるいは他のどの地域でも見物するだけの時間があれば,さまざまな規模の同様の光景を何度も目にすることでしょう。季節によって違いますが,厚ぼったい花をつける紫色のジャカランダノキ,鮮紅色のレースのような花を咲かせるホウオウボク(英語では,いみじくもフレムボイアントつまり“燃えるような”という意味の名で呼ばれている),芳香のあるクリーム色の花をつけるインドソケイ,ゆりの形をした赤いオレンジ色の実に大きな花を咲かせるアフリカンフレームなどがそれぞれ目を楽しませてくれます。

家のまわりの生垣にする木はいろいろありますが,一番好まれているのは,だれかがちょうど良い場所にピンで留めでもしたように,ピンクや赤の花をつける,明るい緑色の葉の茂るハイビスカスの木です。進取の気象に富む家の人は,岩の露出している所をアロエの庭園に早変わりさせたりしています。また,一見限りなく種類の豊富なサボテンが,バラと美しさを競わんばかりの花を咲かせるのには本当に驚かされます。歩道や車道はたいてい,きちんと刈り込まれたかん木や多年生植物,または一年生植物あるいはいろいろな植物を一緒にした植込みで縁取られており,玄関の「歓迎」と書いたマットのところまでそのような植込みが続いています。

ところで,これらの家の庭を全部一緒にするとすれば,それは市内の公園同様のものとなるでしょうし,その多彩さは,あっと言わせるほどのものとなるでしょう! 創造に際して作用するよう定められた法則に従って仕事をする,熟練した園芸家や助手たちは,特定の草木がいつ,どこで,どのようにして開花するかを学んできました。それで,ちょうど画家が絵具を使って油絵を書くように,園芸家はわたしたちの眼前にさまざまの色彩のパノラマをくり広げて見せることができるのです。公園では一年中どの季節でも,明るい色彩の,気持ちのよい花が至る所で咲いて,来訪者を待っています。

都心で買物をするさいにも,うれしいことに,考え得るあらゆる場所に,たとえば窓の下わくの上の植木箱,庭の通路から道路まで組み込まれている縁石,玄関とロビーの間に置かれた格別に大きい花びんや桶などに入れられているかん木やアロエや草花が目につきます。また,三,四か月して戻って見ると,情景は変わってはいますが,同じように美しい光景が見られるでしょう。ある植物が華麗な装いをしている時,別の植物は舞台のそでで自分の役を演じる順番を待っているかのようです。

鋼材で組み立てられ,電線を網の日のようにめぐらした醜い,しかし大切な送電塔や,往々にしてぶかっこうなコンクリート製の給水タンクは覆い隠されてはいないまでも,それら構築物をよじ登ったり,周囲の丈の高い保護柵にしがみついたりする,青々とした葉の茂った,あるいは赤やオレンジ色の花をつけたブーゲンビレアその他のつる植物によって,その堅い姿が和らげられています。

ローデシアの6,400㌔に及ぶ平たんな道路には鮮やかな赤い葉をつけるポインセチアや濃赤色の花をつけるブラシノキ,それに花咲くザクロなどのよく手入れされた植込みが随所にあるので,車の運転者を楽しませてくれます。それらの植込みはみな,乗客の気分を和らげるとともに,運転者の気を散らさないようにしてくれます。

道路脇でピクニックをしたいのでしたら,停車場(「待避所」と呼ばれる所)があって,いちじく,ムササ,アカシアその他土地特有の木々の木陰には,しっかりしたテーブルやいすが用意されています。

アフリカ人の友人と一緒に訪問する

ところで,砂利道にそれて,皆さんが心に描いておられるアフリカを訪ねてみましょう。部族信託地として知られる土地に入ると,支柱と泥で作った草ぶきの小屋が,道端にじゅずつなぎに固まって立っているのが見えます。そのような“村”のどこに立ち寄っても,人々は歓迎してくれますが,人々の言葉はわかりませんし,わたしたちの言葉を理解できる人がいつもいるわけではないので,学校の建物のある所まで進むことにします。そうすれば,多分先生に通訳兼案内人として同行してもらえるかもしれません。

そうそう,あのバオバブの木にお気づきになりましたか。「あまり美しい木ではありませんね!」と言われるかもしれません。ごもっともです。一年のうちのある時期には,巨大なかぶらを逆にして根のほうを空に向けたようなかっこうをしています。しかし,別の時期になると葉が茂り,大きな白い花を咲かせ,結構りっぱな装いを見せてくれます。そして,(子供たちが言うには)食べられる白い果肉を持つ,ココナッツのような形をした固い実をつける時期になると,これは一番良い木だそうです。

もし木陰や美しい風景に心を引かれるのでしたら,向こうの牧場のほうをご覧ください。あれは一本の野生のいちじくの木ですが,葉の茂ったその枝の下に20頭以上の牛がたたずんでいるのを見れば,その巨大さのほどがおわかりになるでしょう。もっとも,毛虫に神経質な方にはその実をお勧めはしません。

手製のれんがで作った低くて長い建物が近づいて来ましたが,あれが学校です。あのかわいらしいデージーの植込みで学校を美しく飾った子供たちのお手並みは見事なものではないでしょうか。しかし,最も注目に値するのは子供たちの菜園です。ここには水道がないので,しばしば遠くから水を運んで来なければならないことを考えれば,目を楽しませるものよりも,おなかに入れるもののほうが優先されるのもなるほどとうなずけます。

皆さんに校長のムバタ氏をご紹介いたしましょう。ムバタ氏の勧めで,わたしたちはここで車を降りて,20分ほど歩いて同氏の友人のいる村へ行くことにします。こうして歩くのは植物について学ぶ点で教育的ですし,女性の皆さんなら生涯で最もすばらしい花束を手にすることになるでしょうと同校長は約束してくれました。ただ一つ残念なのは,この季節には炎ユリが全然ないことだそうです。この花はローデシアの国花ですが,6枚の細長い赤い花弁が炎の舌のように伸びているところからそのように名づけられたのです。

わたしたちの案内人は,皆さんの花束のための最初のお花としてジキタリス蘭を差し出します。一本の茎に湯飲みのような形をした,淡いピンク色の花が六つもついているので,これだけでも一つの花束になります。加えて,黄色とピンクの混じり合ったスイートピーや,薄紫色のルピナスもありますが,もちろんみな,野生の草花です。

ムバタ氏によれば,「ろばの雑草」と呼ばれる5枚の花弁を持つふじ色のこの花を皆さんは嘆賞なさるかもしれませんが,それは菜園を荒らす疫病のようなものなので,なくなってしまえばよいと願っているとのことです。

ここにもう二つの花の逸品があります。このハイビスカスは赤味がかったオレンジ色の花弁を5枚持っています。わたしは何年も前にそれを教科書の間にはさんで,押花にしました。花はもうとっくになくなってしまいましたが,鮮やかな色の花の跡はまだそのページに残っています。この野生リンドウをどのように形容なさいますか。黄色い房が真ん中から突き出ている小さなピンクのヒトデとでも言えるでしょうか。

これらのパープル・バーナー(紫色の旗の意)をぜひご覧ください。一本の茎に幾つの花がついていますか。12個もついています! それはキンギョソウの花を紫色に塗ったものを思わせますが,その花とは何ら関係がありません。

わたしはここで皆さんにお尋ねいたしますが,わたしたちの案内人がこれらの花を取って来て皆さんに差し出す以前に,皆さんはそれらの花を幾つ見つけましたか。一つ? それとも,二つですか。そのくらいでしょう。一見単調な田舎と思える所でも,その地域に住んでいる(そして,その土地を愛している)人の助けを得れば,本当に生き生きとした所となり得るのです。ムバタ先生,どうもありがとう!

この先生の友人の村は,6軒の丸い建物で構成されています。さあ,いらっしゃい。台所小屋へ入るよう村人たちが手招きしています。

皆さんのご存じのような近代的便利品は何も見あたりません。それでも,アフリカ人の主婦にとってここにある物品は便利なものなのです。部屋の中央には,料理用のむき出しのかまどがあります。戸口の両側には,泥でできた作り付けのいすがあり,それは牛糞でピカピカに磨き上げられて,つるつるしています。床も同様に表面が磨き上げられています。ところで,鼻をそむけないでください。まるでワックスを塗ったように,このようにつるつるしているわけを,もしわたくしがお話ししなかったならば,皆さんはただただ感嘆していたことでしょう。

壁には,おの,くわ,牛につける皮製の引き具,乾燥したトウモロコシの穂軸,かきまぜるのに使う木製スプーン,絵のあるカレンダーなどが,掛けくぎからぶら下がっています。それから,わたしの目に何が映っているかお気づきですか。あなたのと同じような野生の草花の花束です。この家の女主人が言うには,いえ,皆さんのために花を摘んだという訳ではないとのことです。というのは,わたしが来ることなど何も知らなかったからです。その花束は,彼女の幼い娘が今朝たき木を集めに行ったときに集めて来たものでした。

さて今,わたしたちは町へ帰る途中ですからお尋ねいたしますが,わたしたちを迎えてくれたご主人の住む村で主な小屋の近くにあった“ポケット用ハンカチ”,のような青々と草の茂った,あの芝生にお気づきになりましたか。もう2か月も雨が降っていないのに草が青々と茂っているのはほかでもない,あの家の主婦と子供たちが毎日遠く井戸から水を運んでは,その小さな芝生に水をやっているからだということがおわかりですか。それに,年老いたおじいさんの家のそばにあるコケバラやとうもろこしの穂軸のそばのキンセンカ,また村の境にたくさん咲き乱れていたコスモスやアスターは,快い風情を見せてくれたではありませんか。わたしたちに友人を紹介して,花を共通の関心事として喜びを分かち合えるようにしてくださったムバタ氏は何と親切な人なのでしょう。

「植物を備えてくださって,ありがとう」

こうして植物の世界をかいま見て皆さんが楽しい一時を過ごされたことと心から願っています。この次に,何か動物を見て興奮させられるような場合があったら,忘れずにその足もとの草花や,かん木,そしてその背に陰をおとしている樹木やつる草を見てください。そうすれば,一層の興奮を覚えることでしょう。

確かに,どんな人種の人にしても,樹木やかん木や花の美しさを愛さないような人はいませんが,それもまさにもっともな話です。なぜなら,変化に富む植物は偉大な創造者からの贈物だからです。ローデシアにはかくも豊かに植物があることをわたしたちは感謝しています。

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