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目ざめよ! 1978
目78 3/22 20–24ページ

芸術としての生け花

ブラジルの「目ざめよ!」通信員

ひと束の花は,美しいにはちがいありませんが,やはりひと束の花にすぎません。でも,花型の特定の原則に従って少し想像力を働かせるなら,無造作に束ねられた花を,優雅で芸術的な生け花に変えることができます。そしてそれは家庭に美しさと色彩を添えます。

では花型とは何でしょうか。それは生け花のパターンのことで,これには線,形,色,感触などの基本要素も含まれます。細い花や木の枝は線を提供します。植物界そのものの多様性が形と色を供給します。材料の表面の質は感触と呼ばれます。例えば,菊は感触が粗くグラジオラスは感触が滑らかです。木の幹や葉の感触にも異なる特色があります。

花型は円形または三角形であるかもしれず,垂直,水平,あるいはS字形の場合もあるでしょう。ピラミッド形,円すい形,長方形,あるいはだ円形に生けられることもあるでしょう。どんな形に生けるかを決めたなら,花,葉,その他の材料,容器すなわち花器など,すべての構成要素の間の関係を,その花型に合うように工夫しなければなりません。

生けた花の間の空間の広さと形が様々に異なっていれば,おもしろい効果が得られます。幾本かの材料が前方に,他の幾本かが後方に伸びているなら,立体感が出ます。

花型の原則を守る

まず,均整をよくとることが大切です。均整はすべての部分を関係づけます。均整のよく取れた生け方は,倒れそうだ,という感じを与えません。実際,一方に傾いた,頭の重すぎる,不安定な生け方は緊張感を生み出しますから,これは避けたいものです。

花型の安定性は,花材の大きさばかりでなく色にも依存します。濃い色は薄い色よりも重く見えます。ですから,濃い赤のバラと淡いピンクのカーネーションとでは,大きさが大体同じでも,生けた場合は濃い赤のバラのほうが「重い」感じがします。それでもし「頭が重すぎる」感じの生け方をしたくない場合は,一番高くなる部分に濃い色を集め,低いところに薄い色を集めないように注意しなければなりません。

垂直の線を中心にしてその両側の同じ位置に同じような花を生けると,対称的なつり合いが生まれます。花と葉の配り方が等しくなくて中心のどちらかの側の方が多くても,見た目に左右の重量感が等しく映れば,非対称的つり合いが生まれます。それは対称的つり合いよりも形式ばらない自然な感じを与える効果があり,多くの場合そのほうが望ましくまた感じがよいものです。

したがって,花型の片側の低い位置に色の濃いものや形の大きいものを置くと,反対側の,色の薄いものや形の小さなものの置かれているより広い部分とのつり合いがとれます。同様に,花の位置が高いほど,見る者の目にはそれが一層重く映ります。この原理は,中心からの距離にも当てはまります。

大小,濃淡,感触の粗さと滑らかさ,などの対照も生け花に変化を添えます。さらに一つの作品には普通,主要な部分,中心となる部分があるものです。それは目が自然に引きつけられる,いわば見所です。それは花器のふちの真上の中心部にびっしりとかためて生けられた花材かもしれず,あるいは強い色,または淡い色の部分かもしれません。一つかそれ以上の大きな花または葉,その両方を混ぜ合わせたもの,または同じ種類の小さな花を集めたものなどが,そういう主要な部分を作り上げます。特定の形のものを多く使ったり,明暗の度合いの違う同系の色を組み合わせたりするなら,流れるような線,またはリズムが生まれます。また規模についての原則も守らなければなりません。それはつまり,のちほど取り上げますが,花材の大きさと花器の大きさとの間に適切な関係がなければならないということです。

比例も大事です。ブリタニカ百科事典には次のように書かれています。「比例は,量と面積を有機的にまとめることと関係がある。生け花の高さは少なくとも花器の高さの1.5倍とする,という日本の伝統的ルールは,一般に受け入れられているこの原則の用法の一例である。また比例は,生け花の飾り場所とも関係がある。狭すぎる平面または広すぎる平面,あるいは狭すぎる空間または広すぎる空間に置かれた生け花は,圧倒するような感じを与えるかまたは貧弱に見えるかのどちらかである」。

調和とは,すべての構成要素の間の統一感のことです。アメリカナ百科事典によると,それは「花と葉,また両者と花型が互いに調和し,色が調和し,また花器がその場の空気によく合った,そして感触,形,色ともによく選択されていて,完全に調子の合ったあざやかな姿」です。「上手に花を生けるには,周囲の状態との調和も考えなければならない。マメを入れるつぼにさしたゼラニウムは,格式のある客間には場違いの感じで落ちつかないし,磁器製の花器に濃厚な色のエキゾチックな花を入れたものを小さな家の簡素な部屋に置くのも,似つかわしくない」。

花材と水揚げ法

花材には,花,葉,草,穀物,木の枝,種子,イチゴ,堅果,球果,果物,野菜,貝がら,石,流れ木などが使われます。花のような切り取った植物を素材にする場合は,特別に処理する必要があります。一番よいのは,生ける数時間前に,そして必ず一日のうちの涼しい時刻に花を切り取って置くことです。茎の切り口をある角度に切り,深い生ぬるい水につけて,暗い涼しい場所に数時間,なるべくなら一晩置いておきます。

木質の茎の場合は,切り口から10センチほど裂いて熱湯につけておくのが一番です。ケシとか大きなダリアのように乳白色の液体を出す茎の切り口は,熱湯につけるか,炎の上に数秒かざして封じます。新聞紙に穴をあけてそこに茎を通し,それからその新聞紙で包むようにするなら,花は保護されます。

もし花屋で花を買うなら,茎はおそらく処理されているでしょう。バラその他木質の茎の花はもう一度切り直して熱湯につけると,たいてい活気を取り戻します。しかし,美しさを長く保たせるには完全な状態の花や葉だけを生けるようにします。また,花を生けるときに,水面より下になる葉を取り除くことは,バクテリアによる腐敗とその結果生ずる悪臭を防ぐ一つの秘けつです。

「ウーマンズ・レアルム」という小冊子には次のように書かれています。「水は毎日とりかえないで,いつもいっぱいにしておく。菊のような長持ちのする花の場合,水の色が変わったり,においがするようになることがある。そういうときは流しへ持って行って新鮮な水を流し込み,汚れた水を出してしまえば,花をくずさないでよい。庭の中のたき火をしたところから炭を探してきて,長持ちのする花材を生けた花器の中に入れておくと,水が臭くならないようにするのに役立つ。

「あるバラ栽培者は,バラその他堅い茎を持つ低木や花の新鮮さを長持ちさせるのに役立つ防腐剤を売っている。また花器の中の水500ccにつき一塊の砂糖,または塩さじ一杯の蜂蜜を入れても効果がある。もし花や葉がわけもなくしおれたなら,たいていの場合それは茎の中に空気が閉じ込められていることを意味する。その対策としては,深さ3センチほどの熱湯の中に茎の切り口を立て,湯が冷えるまで花をそのままにしておく。それから,新鮮な,煮立ててない水の中に生ける」。

花器と他の道具

生け花には花だけでなく花を入れる器や,それを置く台などが含まれます。木製の台は見た目に重量感を添え,また家具を湿気によるしみから守ります。

花器は生け花の規模,色,質感とマッチしていなければなりません。そのために多くの装飾家は,くすんだ緑色,アンティークホワイト,薄い灰色といった中間色の飾りのない,簡単な花器を好んで用います。

これに加えて花器の質感を考慮します。粗くて重い花材は,銅製,陶器,木製,しろめ製の花器に生けます。もっとせんさいな花や葉は磁器,銀,ガラスなどの器に生けます。

花器の大きさも大切な点です。花器は花材に“負けない”正しい大きさのものでなければなりません。また一方,花器そのものが生け花を貧弱に見せたり,見る人の注意を花と花器に分散させたりするようであってはいけません。小さな花器には小さな花しか合いません。同様に,どっしりした花器に花材を密集させて生けた生け花は,大きな部屋の中のどっしりしたテーブルの上に置くとつり合います。

丈の高い器にはたいてい支えを使わずに花を入れます。しかし花を直立させるのに必要なら,イボタノキとか,ビャクシンやシダのように葉のせんさいな常緑樹を器の中に詰めます。そうすれば花器の口もとの空間が埋まります。しかし金網をひしげて丸めたもののほうがどちらかというとよく使われます。また水をよく吸う海綿状のプラスチックも,支えとしてよく使われるようになりました。これは望みの形に切り,水に入れます。そして茎の切り口を水を含んだプラスチックにたださし込めばよいのです。

しかし一番普通に使われるのは,重い金属の土台に金属の針をいっぱい植えた剣山です。剣山には様々な形や大きさのものがあります。これらの針に茎をさし込むとしっかりと立ちます。そして剣山そのものは生け花用油土(プラスチシン)で花器の底に固定します。

よく切れるはさみ,透明のテープ,ゴムバンド,それに針金があれば,生け花に必要な道具は一通りそろったことになります。こうしたものを見えない所に使って,茎や枝などがばらばらにならないようにします。実際に,隠れた針金は花材の茎を強めたり,形をつけたりするのに役立ちます。

初心者への勧め

厳格な規則などとはほど遠いものですが,次の簡単な勧めは初心者にとって役に立ちます。

(1)長い線を出すには,小花のつぼみのついた丈の高い小枝を使う。これは詰めものにもなる。

(2)重量感と安定感を出すには,大きくて色の濃い素材を作品の低い位置に置く。

(3)花を次々と真上に重ねるようにしない。現代風の対称的生け方の場合は別として,幾何学的正確さを避ける。

(4)調和を作り出すには,色を無分別にばらばらに置くのではなく,色をまとめる,つまり同じ色の花を一かたまりにして使う。

(5)見る人は正面と左右を見ることができるので,常に三方を美しく仕上げるようにする。

(6)一部の花または葉を両横に向けて立体的効果を出す。大型の生け花の場合は,花と葉を密集させたものを幾つか中心部から横に出したり,うしろに曲げたりすると,豪華に見える。

さらに,「生け花」という本は,グラジオラスのような切り花は次のように扱うことを勧めています。「できれば,深いつぼに水をいっぱい入れ,氷を二,三個加えてそれにグラジオラスの茎を少なくとも一時間つけておく。これは花を長持ちさせるのに役立つ。

「花を生ける際の初歩的心得。茎を切る勇気を持つこと……。一番簡単な生け花の最初の段階は,全部の茎を机または仕事台の上に一列に並べることである。それから花をえり分ける。薄いつぼみや小さな花の茎は高く生けるのに,少し開いた花は中間に,一番大きな花は一番低く生けるのに使う」。

では,自分で生けてみるのはいかがですか。その際,こうした提案や生け花の本に載っている図などを参考にしてください。簡単な生け方からはじめます。すぐに結果が見られてとても楽しいことでしょう。そしてやがてあなたのうでは上達して,あなたの生け花は芸術になることでしょう。

[21ページの図版]

1 まず高さと幅を定める

2 種々の素材を加え,均整をとる

3 中心部をしっかりした感じにし,空間を埋める

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