世界展望
歴史上の新たな“里程標”
◆ 第一次世界大戦前の何十年もの間,聖書研究者たちは,1914年が歴史上重大な時点となるであろうと警告していた。USニューズ・アンド・ワールド・レポート誌の最近号はその点を次のように確証している。「衝撃的な第一次世界大戦は……一般に現代アメリカの進展途上における歴史上の里程標と見なされている」。確かに,そうした変化は世界中で感じられた。最近になって,エホバの証人は再び聖書の年代表の示すところに注目し,今度は1970年代の半ばが人類にとって重大な時となることを警告してきた。これまでのところ,記録はどんなことを示しているだろうか。前述の記事によると,「歴史家たちは……混乱状態にある今日を」第一次世界大戦中の「社会および道徳上の変化の時代になぞらえている」。
職のない博士たち
◆ 博士号を持つことは,いわば学術界における成功への保証書を入手したも同然の時代があった。しかし,今やアメリカは博士たちであふれている。1960年の1万人に比べ,アメリカは昨年だけで3万3,000人もの博士を生み出した。「就職先がないのに,なお博士たちは生み出される」とウオール・ストリート・ジャーナル紙は述べた。そういうわけで現代語学協会がその最近の小冊子の中で可能な就職口を202件ほど紹介したところ,挙げられた職の各々に関して最低100件,あるものには700件もの問い合わせのあったことが伝えられている。
奇妙な仲間
◆ 世間一般の目には,アラブ人とイスラエル人との間の隔たりは大きなものに見える。しかし,「暗黒社会におけるユダヤ人とアラブ人の関係は最良のものである」とエルサレムの犯罪学者メナケム・アミールは断言している。イスラエルの警察力はおおかた国内の治安維持にかかりきりであるために,暗黒社会のユダヤ人とアラブ人は,そうした事態に付け込むためその「優れた関係」を用いていると言われている。イスラエル,テルアビブのある刑事専門弁護士は,ヨルダンから膨大な量のハシッシュ(インド大麻)を密輸したかどで一緒に告発されたユダヤ人とアラブ人5人について述べ,次のようにこぼしている。「しかも,我々はヨルダンと交戦中ということになっているのである」。
増大する危険
◆ 最近のUSニューズ・アンド・ワールド・レポート紙によると,ヘンリー・キッシンジャーは自国「内での旅行に装甲車を使った,最初の国務長官である」。
子どもと教会
◆ 最近,プロテスタントとカトリック双方の僧職者たちは子どもを強制的に教会に行かせるべきかどうかに関する論争を行なってきた。とはいえ,子どもたちが教会に行ったところで,いったい何を聞かされるのであろうか。最近,この問題に関する公開討論でアメリカの若者たちの一団が意見を述べ,その中の一人はこう語った。「わたしの行く教会で話されることといえばお金のことばかりです。キリストが馬小屋で生まれたのとは対照的に,彼に仕える牧師たちは明らかにどんなものでも満足しません」。
バチカンの倹約
◆ 最近,バチカンでは財政緊縮が突如,実施されるようになった。法王パウロはバチカンの1975年度予算案を差し戻し,もっと切りつめた新たな予算案を立てるよう要求した。伝えられるところによると,提案されている緊縮策には,自動車やおかかえ運転手と共に,聖ペテロ大聖堂でのぜいたくな特別礼拝を減らすことが含まれている。「我々は自動車の相乗りを始めるようになるかもしれない」と一僧職者は述べた。バチカンの職員専用の免税品を売るスーパーマーケットやガソリン・スタンドでは,肉,パスタ(練り粉で作るイタリア風の食品),紙巻きたばこそしてガソリンなどの価格がはね上がった。
安全を得るには
◆ この暴力に満ちた世界にあって不安を感じる人は,今ではあつらえの防弾になっているチョッキ,スポーツ・ジャケット,三つぞろいのスーツなどを約155㌦ないし295㌦(約4万6,500円ないし8万8,500円)で求めることができる。一般にラジアル・タイヤの材料に使われている合成繊維は,高性能ピストルで至近距離から撃たれても撃れた人を保護すると言われている。法廷における昨今のひん発する暴行事件に対する防御策として米国オハイオ州のある判事たちが考えているのは防弾設備付の裁判官席である。「いつ何時,だれかが銃口を向けてくるかもしれないので,自分の挙銃を手の届く所に置いておくほうが安心していられる,と言う判事もいる。
聖書中の奇跡を見くびる僧職者
◆ シカゴ・デーリー・ニューズ紙の報道によると,「クリスチャンの聖書学者の主要な一学派は」,聖書に記されている奇跡を「未解決の問題」と考えているとのことである。シカゴ大学神学部の新約聖書学教授ノーマン・ペリン博士と会見した同紙の記者は,こう報じている。「新約聖書の奇跡物語は,『何ら特別なものではなく,イエスに対する信仰を表明する単なる陳腐な手法にすぎない』と同博士は述べた。当時の宗教文学は,『ギリシャの英雄,ユダヤの賢人,バビロンの占星術家,奇跡を行なうエジプト人』などに関する記述に富んでいたのである」。カトリックの僧職者ジョン・バークはこう付け加えている。『イエスがラザロを死人の中からよみがえらせた物語は躍動的な例えかもしれないが,歴史的に言って正確なものとはいえまい』。もちろん,聖書を信ずる人はこれらの人々とは意見を異にしている。霊感を与えてご自分のみ言葉を書き記させた神も同様である。
ソ連の婦人
◆ ソ連の医師の中で婦人の占める割合は3分の2をはるかに上回り,科学の分野では,「女性の科学者は全国の科学者の39%を数える」とソビエト・ライフは述べている。
少女の“侍者”
◆ 「祭壇で奉仕する少女侍者が一種の静かな大衆運動のように全米で急増している」と,US・ナショナル・カトリック・レポーター誌は最近述べた。しかし,そのような立場につくよう少女たちを動かしているのは単に宗教的信念だけであろうか。(米国ロード・アイランド州)ニューポートのデーリー・ニューズ紙はこう述べている。「ほとんどの少女は恐らく献身的な気持ちから奉仕したいと願うのであろうが,この論議にはお金の要素がからんでいる。祭壇で仕える侍者は,それも特に結婚式に際しては,一時間足らずのうちに新聞売子が一週間かかってかせぐほどのお金を得ることができる」。
輸血に伴う危険の増大
◆ 輸血には常に危険が伴ってきた。ところが,その危険はさらに複雑なものになっている。なぜだろうか。輸血を受ける人の約10ないし15%は抗体を作るからである。そのため,交差試験は一層困難になる。この新しい抗体は,今後,適合する献血者の数を制限することになる。カナダ,サスカツーンの大学病院の血液学主任トーマス・カニンガム博士の述べるところによると,適当な血液が見つかるまで100単位以上もの血液を試験しなければならない場合もある。
“宇宙で最大の物体”
◆ カナダとオランダの天文学者たちの報告によると,それら天文学者たちは,宇宙で最大の物体と称するものを発見した。それはある星雲を取り囲む高エネルギー粒子の雲である。その粒子雲は1,800万光年(1光年は10兆㌔弱)の広がりを持つと言われている。その大きさは我々の銀河系の約180倍もあり,これまでに知られていたどんな電波源よりも6倍も大きいものである。
偏ぱのない裁き?
◆ 風さいの点で魅力的な原告は法廷で陪審員を左右することができる,とミシガン大学の一研究論文は結論を下している。風さいの点で魅力的な原告とそうでない原告に出廷してもらった自動車過失の模擬裁判の結果,学生の陪審員で魅力のある原告のほうに有利な判決を下した者は3倍近くおり,損害賠償金の平均は2倍近かった。真の公正は,『目のみるところによって』裁きがなされなくなる時にのみ到来する。それこそキリストの掌中にある,神の王国がもたらすものである。―イザヤ 11:3。
水の試掘者
◆ ソ連,カザフ共和国で砂漠の地下水を探す試掘者たちは,今や地質学あるいは“占い”による方法よりも,砂漠アリの本能を利用するようになっている。試掘者たちはただその昆虫の集団を見つけてそこを掘り始めさえすれば良いのである。砂漠アリは地下水と,それを得るための30メートルにも及ぶトンネルがあるところだけに生息する。