何十億個の原子を呼吸する
● 原子は至るところにある。あなたの周囲にあるすべての物質,見たり,感じたり,触れたり,においをかいだり,味わったりできるすべてのものは,目に見えない小さな原子からできている。これはあなたの呼吸している空気そのものも,ごく小さなこれら物質の微分子から成っているということである。「一回に吸う空気の中に幾つの原子があるかを考えてごらんなさい」と,「ウォルト・デズニー・ストーリー: わたしたちの友だち,原子」の中でハインツ・ヘーベルは書いている。ヘーベルの言葉は次のように続く。「普通の状態の下で人が一回に吸って吐き出す空気は約1パイント(約500立方㌢)であるから,あなたは少なくとも25,000,000,000,000,000,000,000個の原子を毎分およそ16回,吸ったり吐いたりしていることになる!」 それで平均するとあなたは一生涯の間,毎分少なくとも兆の四千億倍の原子を吸っていることになる。これは400のあとに21個の零をつけなければならないほどの大きな数,つまり400,000,000,000,000,000,000,000である! そして人が一生涯に吸い込む原子は幾つになるであろうか。それを計算しようなどとしてはいけない。それは必ずや天文学的な数字となって,ソロバンの桁を外れてしまうこと間違いなしである。してみると,原子がこんなに小さいのはなんと良いことであろう。