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目ざめよ! 1977
目77 1/8 20–23ページ

マグロ漁の話とマグロ料理

エクアドルの「目ざめよ!」通信員

人の話と事実とでは,どちらを好まれますか。では,その両方はいかがでしょうか。一家の主人にはマグロ漁に関する話をし,いつも魚の料理をする主婦には魚肉に関する興味深い事実をお知らせしましょう。

ここ南太平洋の港町,エクアドルのマンタは,南米におけるマグロ漁の中心地として知られています。今わたしのいるところからは,港に停泊中のマグロ漁船が数多く見られます。この種の漁業に実際に携わっている人々から直接話を聞くには,ここは本当に理想的な場所です。

例えば,マグロには様々な大きさのものがあるのをご存じでしたか。このマグロ類のあるものは,重さがなんと680㌔余りもあったとされています。土地の漁師たちがそれをホース・マカレル(馬のように大きなサバ)と呼ぶのも無理はありません。しかしスキップジャックマグロ(日本でいうカツオの類)は小型で,4㌔から7㌔ほどしかありません。

これら本職の漁師たちが主に関心を持っているのは,スキップジャックとキハダの二種です。中でもキハダは大型で,50キロ余りのものが捕れる場合もあります。キハダは白身が多いので,一般にかん詰めに加工されます。しかし,地元の漁師たちは例外なく小型のマグロを好みます。小さいほうがはるかに味が良く,大きなマグロに比べ脂が乗っているからです。

マグロ漁

ここでわたしに話をしてくれた愛想の良い船長は,ユーゴスラビア系の人でした。彼は約25年間,この太平洋沿岸を行き来しているので,自分の体験に基づく大変興味深い事柄を話してくれました。最初に,マグロの群れを見付ける方法について教えられ,驚かされました。船長はこう説明してくれました。「魚群を捜すため,マストの先のあの見張り台に朝の六時から夕方の六時まで,見張り人を配置します。大漁になるかどうかは魚群の居場所を突き止めるその能力にかかっているので,見張り人の視力は特に良くなければなりません。といっても,見張りが実際に捜すのは海鳥の群れです。マグロも我々と同様漁をしているのです。それで,マグロの生息に適した水温の海域にえさとなる小魚がいれば,大漁は間違いありません」。

「でも,どうして鳥と関係があるのですか」とわたしは尋ねました。

船長はこう答えました。「そうですね,ではマグロがえさを食べている時の典型的な光景を説明しましょう。まず,見張り塔に立つ船員が,遠方で海鳥が旋回し,海面に飛び込むのを見付けます。その辺りに船を近づけると,大きなマグロの群れが海面を波立たせているのが見えます。えさになる幾千匹もの小魚が,マグロに飲み込まれまいと必死で跳びはねており,一方ではグンカンドリがその小魚を捕えようと,海面に急降下して来ます」。

本当ですよ,船長が大きな身振りで熱意を込めて話すので,わたしはマグロ漁にすっかり心を奪われてしまいました。

必要とされる技術と経験

マグロ・カツオ漁には普通二通りの方法があることを,わたしはここマンタで知りました。つり船の場合,船員たちはすぐに作業に取り掛かります。この船には生きたえさが積まれており,そのえさをマグロの群れの中に投げ込んで,船の近くの海面にマグロをおびき寄せます。同時に,擬似針の付いた短いつり糸を水中に入れ,小魚と間違えて擬似針をのみ込むマグロを船に引き上げるのです。この作業は,マグロがいなくなるまで,あるいは船が一杯になるまで続けられます。

また,きんちゃく網漁船の場合は,長い引き網かきんちゃく網で漁獲します。この方法には,高度の熟練や判断力,そして豊富な経験が必要です。網を下ろす前に,経験を積んだ船員はマグロの群れを見渡し,重要な判断を下さねばなりません。その群れはどれほど大きいのだろうか。30㌧,60㌧,あるいは100㌧を越すだろうか。これは重大な事柄なのです。漁船や網に魚が入り過ぎると,高価な道具や人命を失うことになりかねないからです。

マグロの群れが乗組員と漁船の扱える程度のものであるとの判断が下されると,小型のモーターボートを海面に下ろすよう命令が出されます。そのボートには通常長さ500㍍,幅55㍍ほどの長い網の端がつないであります。モーターボートは網を外側に引きながら,魚群の回りに大きな円を描きます。これが終わると,網の端が母船に取り付けられ,網は両端から動力ウインチで巻き上げられます。そしてこの瞬間から,色々なことが起こります。

片方を急いで引き過ぎると網がねじれ,魚は完全に逃げてしまいます。また水が余り澄んでいると,マグロは網が見えるらしく,その下をくぐり抜けて行ってしまいます。そのわけで,大抵漁師たちは,やや濁った海水を好みます。しかしある漁師は,海水が非常に澄んでいたのに,魚が網の下から逃げなかった時のことを話してくれました。なぜ逃げなかったのでしょうか。それは,その時たまたま網の下に冷たい水の層があったので,マグロは網の下をくぐり抜けて冷たい流れに入ろうとしなかったのです。

近くにサメがいると,サメが網を食いちぎり,獲物がほとんど逃げてしまうこともあります。これは,魚が網にからまった時に起きます。突然サメが現れて網にからまっている魚に食い付き,その際網に穴を開けてしまうのです。サメはこれといった理由もないのに,よくナイロンの網に食い付きますが,これはナイロン製の網のにおいがサメを引き付けるかららしい,と経験を積んだ別の漁師が話してくれました。

しかし,サメがマグロと一緒に網に掛かることも少なくありません。そんな場合はどうなるのでしょうか。サメも大抵,漁獲物の一部として引き上げられます。意外なことに,ある人の話によると網の中のサメは危険ではないそうです。また,網の破れを直すために乗組員が海にもぐり,円を描く網の内側で作業をし,後で網を引き上げたところ,その中に大きなサメが掛かっていたという話もよく聞きました。

一人の漁師は,それをこう説明しました。「サメというのは網に掛かると,一つのこと,つまり外に出ることしか考えません。それで,逃げ道を求めて,ぐるぐる泳ぎ回ります。わたしは,網の中にサメが五,六匹いてもその中を泳ぐことを怖いと思いません」と述べてからあわてて,「もっとも,網の外ではそんなことはしませんがね」と,付け足しました。

サメより危険なもの

網に掛かった魚を引き寄せる際に,サメより危険なものともなるのが,漁獲物の途方もない重量と高波です。60㌧から100㌧もの魚を扱うには,細心の注意が必要です。

ある漁師は,こう説明しました。「網が狭められると,逃げ場所を失った漁群はパニック状態に陥り,外に出ようとします。網を引っ張るその力は大変なものです。つり糸に掛かった魚に,ぐいぐい引っ張られたことがありますか。では,3,000匹から4,000匹もの魚に網を引っ張られ,同時に船も引っ張られたらどうなるか考えてみてください」。その漁師は別の船長の話をしてくれましたが,その船長は判断を誤り,その船には手に負えないようなマグロの群れを網の中に囲んでしまったのです。突然,魚群があばれ出し,船尾は沈みかけました。しかしその瞬間,網を支えていたロープが引っ張る力に耐えられなくなって,はずれてしまったのです。魚と幾千㌦もする網は見えなくなり,二度と姿を現しませんでした。それは実に高価な代価を払って得た教訓でしたが,人命も失われかねなかったのです。

また高波も危険です。とりわけ漁獲物を海面上に引き上げる際に危険が伴います。海面に浮いている船は大波によって数㍍も持ち上げられますが,漁獲物は大体水中の同じ位置にとどまります。その瞬間船の装具に余分の力が加わることは,容易に理解できます。前述の船長はその点を証明するため,大きなブーム(帆のすそを張る円材)の修理が行なわれている自分の船のほうを指しました。「高波が来たとき,あの部分は,まるでマッチ棒のように折れてしまったのです」。しかし船長は,「幸いけが人は一人もなく,間に合わせのブームを使い,魚を引き上げることができました」と話して安心させてくれました。

網に掛かった魚を首尾よく引き上げると,魚は素早く甲板下の氷倉に送り込むか,塩水に入れるかします。疲れてはいてもうれしそうな乗組員たちは,加工工場へ向かいます。

魚肉に関する事実

かん詰め工場に着いた魚は,まずその大きさによって分類され,臓物を除いてから蒸します。こうして分類するのは魚を均等に蒸すために必要なことです。大きな魚を蒸すには長い時間がかかるからです。それから,一晩魚を放置して,冷まします。すると,魚肉の骨離れがよくなり,皮も取り除かれます。次に,順番に幾つも並んだ鋭いナイフで魚肉をかん詰めにできる程度の大きさに切ります。身の堅い部分は,当地でロミトス,つまり厚切りと呼ばれているものに向けられ,高い値段が付けられます。残りは,すりつぶしたマグロという意味のラヤドとして,かん詰めにされます。

ご存じないかもしれませんが,この“シー・チキン”(海の鶏肉)の食品としての価値に関し,興味深い事実を幾つかお知らせしましょう。かん詰めのマグロに含まれている栄養素の80%は,人体に吸収されると言われています。そのたん白質含有量は,牛肉,羊肉,また豚肉など,一般に好まれている肉よりはるかに高く,一方カロリーは,油を捨てた場合や水煮の場合には,はるかに低いのです。また,栄養学の権威者によると,マグロなどの海水魚は,良質なヨー素源であると言われています。

このような魚の話を聞いて,おなかがすいてきたのではありませんか。ここで,マグロサラダの簡単な作り方をご紹介しましょう。かん詰めのマグロから汁を除き,身をほぐします。これに,セロリのみじん切り半カップ,レモン汁茶さじ一杯,甘いピクルスのみじん切り四分の一カップ,サラダ油三分の一カップを加え,かき混ぜます。新鮮なレタスの葉に載せても出せますし,お好みなら,トーストに載せておいしいマグロのオープン・サンドにすることもできます。

また,マグロのクリーム煮も多くの人から好まれています。二人分のソースを作るには,手なべにバターかマーガリンを茶さじ二杯溶かします。それから小麦粉を茶さじ二杯加え,塊ができないようによくかき混ぜます。塩茶さじ二分の一と牛乳一カップを加え,かき混ぜます。ソースがクリーム状になってきたら,汁を除いてほぐしたマグロを一かん分入れます。さて,このマグロのクリーム煮は,マッシュ・ポテト,ご飯,めん類に掛けたり,トーストに載せて出すことができます。

もちろん新鮮なマグロが手に入る,海の近くに住む人たちは,むしろその方を好みます。ここエクアドルの人たちの好物はアチュン・アパナドと呼ばれる料理で,それにはパン粉をまぶしたマグロという意味があります。マグロを,早く揚がるように薄くて細長い切り身にします。それから,小麦粉,卵,パン粉で作った衣を付け,塩とこしょうを好みに応じて振り掛けます。揚げたてのものを食卓に出し,レモン汁を少し掛けます。変わった料理としては,マグロを丸のまま焼くという方法があります。マグロが半分ほど焼けたなら,小麦粉,牛乳,バター,塩,こしょう,チキン・ブイヨン二個,それにきのこの小さいかん詰めを一かん入れて作った風味の良いソースを加えます。これは本当においしい料理です。

マグロの調理法にはほかにもいろいろあります。例えば,マグロの蒸し焼き,パイ,またフォンデューなどがあります。

この貴重な魚の今後の供給量に関し,幾つかの事実が明らかにされています。カナダからペルーに至るこの太平洋沿岸には,およそ300隻のマグロ漁船があると言われています。中には,マグロを求めてはるかスペイン,オランダ,日本からやって来る船もあります。漁獲高はだいたい一定ですが,魚が以前ほど十分に捕れないことを示す事実がほかにもあります。例えば,現在漁船は大型化し,その数も増えているのですから,マグロの漁獲高が以前より多くはないにしても,せめて同じくらいであっても当然です。しかし,漁船の平均航行日数が増えていることは,魚を見付けることが一層困難になってきていることを示しています。需要が増加する一方で,供給が減少していることは,漁獲権をめぐる国際論争といった,以前には余り聞かれなかった問題によっても裏書きされています。

それでマグロ漁の漁師の話から察すると,少なくとも今のところ,明るい見通しはなさそうです。そうした漁師の問題や他の緊急な問題に対する解決策については,別の機会にお話しすることにしましょう。そのとき,わたしたちはこのエクアドルのマンタを再び訪れることになるでしょう。マンタは今後も,マグロ産業に関する情報の重要な中心地だからです。

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