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目ざめよ! 1976
目76 12/22 22–25ページ

ポケット計算機をあなたも持つべきですか

夫婦は洋食器のセットを新たに買うことを考えていました。あれこれ物色して二つを選び,そのうちの一つを買うことに決めました。しかし妻の捜し当てた二つのセットの値段を比べるには計算をしなければなりません。どちらが買い得でしょうか。ひとつ考えてみてください。

ひとつは近所の店で売っているもので,8パーセントの物品税を別にして55ドルでした。他方は彼女がドイツのカタログの中で見たものですが,彼女の母親がドイツから来る時,ついでに持ってこられるでしょう。彼らはこの方のデザインが気に入りました。それにこのセットにはコーヒーポットがついています。カタログにある値段は178ドイツ・マルクでした。もっとも15パーセント引きで売っている店から買うことが多分できるでしょう。為替相場は1マルクが39セントでした。

二つの価格を計算するのに時間がかかりますか。この場合,夫はポケット計算機を取り出して,数秒のうちに両方の価格を出しました。それは全く造作のないことでしたが,彼の義理の母にとってはいくらか手間がかかるに違いありません。

夫はミニ電子計算機を使って答えを出しましたが,この人のように日常の計算をするのにこうした計算機を使う人はいろいろな国に何百万人といます。

小切手帳を清算したり,洋裁をする時の寸法や料理をする時の分量を手直ししたり,外国を旅行する時に通貨を換算したりするのに計算機を使う婦人は大勢います。男の人は税金の申告書を書く時,自動車の燃料消費率を出す時,あるいは部屋の模様替えに要する壁紙,板,塗料の量を計算する時などに計算機を使います。学生は宿題を早く片付けるため,あるいは数学の授業の時,手で計算する面倒を減らすために計算機を利用しています。

ポケット計算機は価格が安いためにますます広く使われるようになっています。1970年代の初めに計算機を買ったとすれば,400ドル(約12万円)はしたかもしれません。しかし今ではブラウスあるいはワイシャツと同じ位の値段で簡単なミニ計算機を買える国が多くなっています。5ドル(約1,500円)という安い価格の計算機が間もなく売り出されるとも言われています。それで計算機を買うことを考えている人は,ますます増えてきました。しかしポケット計算機はあなたに役立ちますか。それは実用的ですか。考慮すべき不利益な点がありますか。

あなたに必要ですか

ポケット計算機を持っていてもいなくても,あなたははるかに性能の優れた計算機あるいはコンピューターの独占所有者であり,使用者です。どの計算機ですか。それはあなたの頭脳です! それは人工のどんなコンピューターよりも優れています。「頭脳革命」(1973年)の中でM・ファーグソンは次のことを書いています。「100億に上る脳細胞中のただ一つの細胞と同じ機能をはたし得るほど精巧なコンピューターは,地球の全表面よりも大きなものになってしまうであろう」。

ではミニ計算機はあなたの頭脳とどのように比べられますか。市場に出回っているポケット計算機には色々なタイプのものがあります。あるものは複雑な科学また技術上の問題を解くための回路を備えています。しかし簡単なのは基本的に言って四つの事すなわち加減乗除を行なうものです。そしてあなたの頭脳は? それを用いてこれら四つの事を行なう能力を,あなたはすでに持っているではありませんか。値段の安い計算機の中にもパーセント・キーを備えているものがあります。しかし百分率の計算たとえば15ドルの14パーセントを出すには,15ドルに0.14を掛ければよいのであって,計算機が無くても計算は可能です。またミニ計算機のあるものには記憶装置があり,例えば小計を蓄えておいて別の計算をすることもできます。しかしあなたの脳には容積のずっと大きい,そしてもっと融通の利く記憶能力があります。

それでは,すばらしい頭脳をすでに持っている以上,ポケット計算機は全く無用であり,単なるおもちゃ,あるいはお金のむだ使いに過ぎないということですか。ある人にとっては確かにそうです。つまり計算機などを必要としない人もいます。とはいえ電子計算機は込み入った計算でも,驚くほどの速さと正確さでやってのけます。洋食器の二つのセットを比べる例を思い出してください。それでこのような計算をかなり要する場合であれば,計算機は時間の多大な節約になるかもしれません。また人によって異なりますが,計算違いをしやすい人があれば,結果もずっと正確なものになります。

例えばこの問題を解かなければならないとしてごらんなさい。複雑なように見えても,これは掛け算と割り算だけでできます。

13.08×0.09×184×7.96

――――――――――― =

8.386

筆算によって答えを出すにはおよそ230の数字を書くことが必要であり,5分から10分は骨の折れる計算をしなければなりません。(10分間で計算してごらんになりますか。しかしたった一つでも間違いをすれば,どれだけ長くかかるか見当もつきません。)対数表を使って解くならば,3分以内で答えが出るかもしれません。しかしポケット計算機を使えば30秒とかからないでしょう。それで電子計算機は時間の大きな節約になる場合があります。a

日常の使いみち

あなたの使う数字はこのような問題よりも洋食器の例で用いた種類のものが多いことでしょう。それで数に関する日常の問題を簡単に解くのに,ポケット計算機がどのように使われているかを見ましょう。

計算機を持つ人の中には,食料品の買出しに計算機が貴重なことを経験している人もいます。(計算機を片手に“計算係の買物助手”ならば,買物がそれほど苦でないというご主人も決して少なくないでしょう。)商品を選び取るたびにその金額を計算機に入れてゆきます。このようにすると,どれだけの買物をしたかがその都度分かることになります。(残りのお金であの大きなコーヒーの罐を買うことができますか。)人間はだれでも間違いをします。レジ係も例外ではありません。それで計算機があれば買物の合計額を二重にチェックできます。事実,あわよくば勘定を“水増し”するようなレジ係がいても,あなたの手に計算機があるのを見ただけで正直の必要を悟るでしょう。

単位価格にすること,つまりいちばん買い得な品を知るために価格を比べる際にも計算機がよく使われます。例えばクラッカーを買いたいとします。クラッカーは箱入りで二通りの大きさのものがあります。16オンス(454グラム)入りのものは77セントですが,7オンス(198グラム)入りの箱が二箱65セントで売り出されています。ポケット計算機があれば簡単です。77セントを16で割ると,大きい方の箱のクラッカーは1オンス4.8セントであることが分かります。一方,小さい箱二つのものは1オンスあたり4.6セントです。しかしクラッカーの問題に直面するまで買物の合計金額を計算機に入れてきたとすればどうですか。メモリー・キーが別についた計算機ならば,その時点までの合計金額を記憶装置に蓄えておき,次にどちらのクラッカーを買うかを計算し,次いで記憶装置に蓄えた数字にクラッカーの値段を加えます。

外国を旅行するとこれとは別の種類の,お金の問題に直面します。「63フラン」,「128ペソ」,「19シリング」あるいは何かこの類の値札を見たことがありますか。「これはわたしの国の通貨ではいくらになるのだろう」と,あなたはいぶかったかもしれません。電子計算機がこの場合,役に立ちます。どのようにですか。

多くの計算機はある数字を定数として入れることができるようになっています。(“K”というしるしのついた,このための特別なキーを備えているものもあります。)これによって同じ数字を使った加減乗除を何度でも行なうことができます。それで為替レートが決まりさえすれば,それを定数として入れることができます。次にペソ,ドル,マルク,フラン,ポンドその他どんな外国通貨であれ,そうした通貨で表示された価格を計算機に入れます。次いで定数を用いて,その価格を容易に理解できる,つまり自分の国の通貨に換算することができます。

あなたは料理をしますか。そうであればこれとは別の換算の問題に直面するかもしれません。ビーフ・ストロガノフのすてきな料理法を隣りの人から教わりました。親類が訪問した時にそれを作りたいと思います。しかし教えてもらった料理法に書かれているのは6人前の分量で,お客は14人です。難しいことはありません。それぞれの材料の分量をどれだけ増やすかを知ればよいのです。計算機を使ってお客の人数(14)を料理の作り方の人数(6)で割ります。それで乗数は2.3になります。さて料理の作り方ですが,それによると牛肉2ポンド(約0.9キロ)が必要です。さきの乗数を掛けると4.6ポンド(約2キロ)の牛肉を必要とすることが分かります。テーブルスプーン1杯のからしはテーブルスプーン2.3杯に容易に換算されます。以下同様にすればよいのです。どなたかビーフ・ストロガノフはいかがですか。

不利益な点は何か

およそ察しがつくように,電子計算機はよいことずくめという訳ではありません。それには不利益な点もあり,それらの点を考慮するのは賢明なことです。ひとつには,計算機を持つとなれば,多少なりとも金と時間と手間がかかります。あなたはどのくらい計算機を使いますか。計算機の本当に役立つ場合が少ないのであれば,たとえ最近の安い価格であっても,費用をかけるだけの価値がないかもしれません。必要のない物あるいは数日間のおもちゃに過ぎない物にお金を使いたいと思うでしょうか。

また計算機の使い方を覚えるのにも,ある程度の時間がかかります。また故障の場合の修理も考えなければなりません。電池を必要とするタイプの計算機ならば,時々,電池を変える必要もあります。これらは考慮に値する問題です。

もうひとつ別の問題があります。電子計算機を持つことは,あなたの現在の計算能力にどんな影響を及ぼすことがありますか。米国イリノイ州のある人は小さな数の簡単な足し算あるいは掛け算にも計算機を使う習慣がついてしまいました。後になってこの人は次のように語っています。『計算機を使わずに何かを計算しなければならない時,以前よりもずっと遅いことに気付きました。簡単な計算,子供の時に習い覚えた,そして以前には造作なくできたことをするのが難しいように感じます』。それでこの人は,手間のかかる長い計算,例えば何行もの数字を足すとか,多くの百分率や平均を出す時,あるいはスピードと正確さが絶対に必要な時以外は計算機を使わないことにしました。

学校で計算機?

ますます多くの家庭で計算機が使われるようになっているため,計算機の使用を学童に許すべきかどうかをめぐる論議が教育者の間で盛んです。そしてもしそうとすればいつですか。つまりどれほど低学年からですか。

進行中のこの論議において一致の見られる共通点は,あまり早く計算機を導入すべきではないという点です。子供は足し算,引き算,掛け算,割り算を先ず覚え,かなり楽にそれらをできるようにならねばなりません。子供が普通の九々の表を暗記することは特に大切です。ニューヨーク州教育局のフランク・S・ホーソンは次のように述べています。「子供の持つ‘数の観念’がある程度発達しないうちに,そして算術の基本的な運用になれないうちにごく早くから与えると,計算機は大きな害になり得る。……計算機は学童が基本的な数の概念を身につけるのに助けとはならない」。

同様に1976年1月のある新聞報道が伝えるところによると,「オーストリア文部省の高官は,‘算術の文盲’を引き起こす恐れがあるという理由で[計算機]に宣戦を布告」しました。文部省当局は初等教育の教室から計算機を閉め出すことを望んでいます。これは「紙と鉛筆を使って計算することを子供たちに奨励し,[また]自分の計算機を買う余裕のない子供たちを教室での不公平な競争から守るため」です。

他方,ミニ計算機は脅威ではなく,教育の場に採用されるべきであると考える専門家もいます。計算方法の基本をひとたび学んだならば,計算機の採用によって数学は生徒にとって何倍も興味のある科目となるかもしれません。機械的で退屈な計算をする必要がなくなるので,生徒は問題を解いたり,宿題をする意欲がもっとわいてくるとも考えられます。米国カリフォルニア州のある学校では週に一,二回,計算機を使う授業が行なわれています。この学校の一教師はこう語りました,「以前は数学の授業にさっぱり熱意を示さなかった子供たちが,今では『今日はコンピューターの日ですか』と尋ねます」。

一部の専門家は,物覚えの悪い生徒にポケット計算機が特に役立つとさえ考えています。どのようにですか。計算機を使って答えを手早く調べることができれば,生徒の自信と,成し遂げた満足感は向上するでしょう。いっそう興味の持てる問題を解いたり,普通ならばいやになる大きな計算をしたりすることが計算機によって可能になるので,生徒が一層のやる気を起こすとも考えられます。それにひきかえ,筆算で問題を解く場合のわずらわしさのために,生徒は自分の解こうとしている問題を見失う結果になるかもしれません。ポケット計算機のスピードはそれを克服することでしょう。

これらの有益な面があるにしても,次の事は繰り返して言う必要があります。すなわち計算機の使用を許すとすれば,それは計算の基本を習得していることを先ず示してからでなければなりません。そのようにすれば計算機の電池が尽きた時たちまち計数に無知な人となることはありません。

ポケット計算機の販売台数は間もなく年に4,000万台に達するものとみられています。したがって計算機が現代生活の中に役割を占めつつあることは疑いありません。あなたの生活はいかがですか。ミニ計算機は生活を簡便にし,事を迅速に運ぶことができるという点で役に立つと言えます。しかしまた電子計算機は時間と金と手間のかかる無用の道具のひとつにならないとも限りません。あなたのポケットにポケット計算機を持つかどうかを決めるのは,あなたご自身です。

[脚注]

a 117,300.12という答えが出ましたか。

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