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目ざめよ! 1977
目77 4/8 16–20ページ

海底で神のくすしきみ業を見たことがありますか

人間は頭脳を働かせて数々の偉業を成し遂げます。しかしそれも,大抵は自然をまねたものにすぎません。創意を凝らしてやっと作り上げた装置や発明品が,動植物界では大昔から使用されていたことに気付く場合もあります。その上,自然界には,人間のまねることのできない現象が数多くあります。広大な海底で,わたしたちは尽きることのないそのような自然の驚異を目にします。

その一例として,冷光現象を考えてみましょう。各種の発光性の魚類は,エネルギーをほぼ完全に,つまり100%,光に転換しています。そのため,この転換過程で熱は一切生じません。陸にすむ昆虫の中にもこうした能力を持つものがいますが,海洋生物の発光器官の形態は昆虫の場合よりはるかに多様で,その用途も,保護,求餌,交尾など多方面にわたります。

驚くべき建築家たち

人間は偉大な建築家です。コンピューターを利用し,詳細な青写真,爆薬,巨大な土木機械,そそり立つクレーン,それに各種の職人の助けを得て,見事な大建造物を作り上げます。しかし,海には,人間の業績をある面ではるかにしのぐ傑出した建築家たちがいます。創造能力は神に由来するもので,人間の持つどんな能力も神から付与されたものであるという事実を,あたかも創造者が人間に銘記させようとしておられたかのようです。人間には,自分の知恵を誇ることなど到底できません。―エレミヤ 9:23,24。コリント第一 4:7。

海中の建造物の中でも特に際立っているのは美しいサンゴの群体です。サンゴでできた島や環礁(礁湖を取り巻く環状の島)が太平洋を中心に幾百となくあります。サンゴ礁がどのようにしてできたかを人間がある程度理解できるようになったのは比較的最近のことです。

サンゴは,ポリプと呼ばれる小さな動物です。中には直径30㌢ほどのものもありますが,ほとんどは数㍉程度の小さなものです。体は円筒形で,その一端には口があり,他の端は海底にくっ付いています。これらのポリプは,海水からカルシウム分を摂取し,石灰質の骨格を形成していきます。ポリプが死ぬと,別のポリプがその上に骨格を築きます。このようにして,幾十億もの数えきれないポリプが骨格を築き上げ,島や暗礁が造られるのです。世界最大のサンゴ礁はオーストラリア北東沖の大堡礁(グレートバリア・リーフ)で,長さが約2,000㌔もあります。これらのサンゴ礁は船舶の航行に危険な場合もありますが,海礁と陸地の間に静かな水域ができるので安全な航行に役立つこともあります。

海面下の“サンゴの庭園”は,海で見る最も美しい光景の一つです。さまざまな形状のサンゴが鮮やかな赤,オレンジ,黄褐色,黄,紫,緑などに彩られています。木の枝の先端に星をちりばめたかのようなサンゴもあれば,木の葉やシダや扇の形をしたもの,キノコやドームや小さなパイプオルガンのような形をしたものもあります。サンゴの庭園は他の小さな動物たちの住みかになっていて,イソギンチャクやクラゲや各種の鮮かな色彩の魚が多数この美しいサンゴの宮殿に住んでいます。

海中のサンゴ礁は,「自然の中で最も複雑な群体であろう」と言われています。スクリップス海洋学研究所の海洋生物研究部主任ジョン・D・アイザックス教授はこう語りました。「ゆっくりと沈下する古い火山を土台に,無数のサンゴ虫は現存する最大規模の有機建造物を築き上げた。最も小さな環礁でさえ,人間の作ったどんな建造物よりはるかに優れている。大きな環礁になるとその実際の体積は,現存する人工の建造物すべての総体積に匹敵するほどである」。これが何を意味するかしばらく考えてみてください。

奇妙ながら成功している協力関係

海洋の生活で見逃せないのは相互依存の関係です。中には,わたしたちの想像もしないような仕方で相互に依存し合っている動物がいます。異なった生物間に見られる一種の“協力関係”の例は幾百となくあります。例えば,他の動物のために“医師”や少なくとも“清掃員”の仕事をする海洋動物がいます。その中には他の魚の寄生虫を取り除く,色鮮やかな小エビやエンゼルフィッシュの幼魚がいます。“医師”の働きをするこれらの魚は,通常,サンゴ礁のくぼみに“診療所”を設け,順番に訪れる“患者”の世話をします。

例えば,アカヒメジは,群れをなして“医師”であるフレンチ・エンゼルフィッシュの幼魚のいる場所へ行き,砂の上に横たわりながら辛抱強く順番を待ちます。自分の番がくると,アカヒメジの体は赤くなります。治療が終わると,薄黄色の元の色彩に戻り,次の“患者”が赤くなります。

頭や尾で立ってサービスを求める魚もいます。清掃魚が働きかける相手は実に様々です。事実,ある種の小エビなどは,人の手や指のつめまで掃除してしまいます。一方,他の清掃魚は,特定の“顧客”つまり特定の種類の魚のみを選んで掃除します。

共生と呼ばれるこの協力活動を通して,双方の側が益を受けます。治療を受ける側は,寄生虫やバクテリア,また病気に冒された肉を取り除いてもらい,傷のある場合はその回復が早まります。掃除をする側は,代償として食物を得ます。

大抵の場合,清掃をする魚は,相手の魚から害を受けることはありません。一般に清掃をしてもらう側の魚は,自分が受けるサービスをありがたく思っています。例えば,ウツボなどの魚は,清掃員を自分の口の中に入らせ,歯をきれいにしてもらいます。小エビはイソギンチャクの有毒な触手の上をはって清掃作業を行ないますが,何の害も受けません。イソギンチャクは小エビに掃除をしてもらい,小エビの方は外敵から保護されると同時にイソギンチャクの捕えたえさの一部を失敬します。小さなクラウンフィッシュとスズメダイもイソギンチャクと共同生活を営んでいます。アローフィッシュはウニの鋭いとげの間で生活しています。エボシダイという小魚はカツオノエボシの危険な触手の間で生活して,外敵から身を守っています。普通の魚なら,その触手に刺されて麻ひし,カツオノエボシに食べられてしまうところです。

こっけいなのはヤドカリとイソギンチャクの相互に有益な共同生活です。時々,ヤドカリが背中の貝殻にイソギンチャクを乗せることがあります。こうして,イソギンチャクはヤドカリの背にくっ付いたままえさのあるところへ連れて行ってもらい,ヤドカリはイソギンチャクの有毒な刺胞によって外敵から守られるのです。

どう猛なサメでさえコバンザメという相棒を伴っています。コバンザメの頭の上部には大きな吸盤があります。サメの下腹に吸い付いているコバンザメは,体の掃除をする“報酬”として,サメの食べかすにあずかることができます。

海のエネルギー節約家

海洋の比較的小さな動物は大抵あまり動き回らなくてもえさにあずかることができます。清掃魚のように,えさを自分のところへ持って来てもらう魚もいます。しかし,海洋の大型の魚の場合は事情が違います。十分の食物にありつけるかどうかは,主として泳ぐスピードに左右されます。それで当然想像できるように,多くの魚は非常に速く泳ぐことができます。これらスピード泳者の最高速度を正確に計ることは極めて困難です。というのは,いつでもそのような速いスピードで泳いでいるわけではないからです。魚は,普通,注意深い獲物を急襲するときにだけ,電光石火のような動きを見せます。しかし,一定の距離間の速度は測定されています。といっても,この場合も,厳密に測定することは困難です。マグロは,体温が海水の温度より高い唯一の魚ですが,体が海水よりも重いため,絶えず忙しく泳ぎ回っています。毎時14㌔ほどのスピードであれば,マグロはいつまででも泳いでいられるようです。ある報告によると,バショウカジキは時速80㌔の速さで泳ぐごとができます。カマスも非常に速いスピードで泳ぎます。トビウオは,海面から飛び上がって空中を滑空する直前に,時速56㌔までスピードを上げると言われています。マグロやイルカやマカジキなどはこれよりも速いとされています。“翼”を羽ばたくようにして泳ぐ巨大なイトマキエイでさえ,水面上に飛び出してかなりの距離を飛べるほどのスピードで泳ぎます。

これらの魚は,いわば筋肉とエネルギーの“塊”です。しかし,それだけではこうしたスピードを説明するのに不十分です。水の密度は空気の密度の約800倍もあるという問題があります。粘性も空気の場合の約50倍で,それだけ抵抗が増します。船の場合には,水の抵抗や乱流によって生じる抗力が要因となるため,水面を“切り開いて進む”ためには多くのエネルギーを費やさねばなりません。船舶設計技師はこうした問題を克服する方法を考えてきました。彼らは,「マグロなどの魚が,数理学者が計算したよりももっと速いスピードで泳げるのはなぜか。マグロやサメが乱流を起こさずに水中をすべるように泳ぐのはなぜか」といった疑問に取り組んできました。

その結果,幾つかの答えが得られました。まず第一に,これらの魚はまさに流線型そのものです。潜水艦の設計技師がまねてきたのはこうした魚の形でした。速く泳ぐ魚は,ひれを体にぴったりとくっ付けることができます。うろこには,水圧に順応して乱流の発生を抑える働きがあるようです。しかし,長い間神秘とされてきた,スピードの最大の秘密は,弾性に富む柔軟なその皮膚の構造にあります。強くてしなやかなイルカの皮膚の下にはクッション役をする脂肪の層があり,乱流が生ずると皮膚が伸縮して,それを相殺してしまいます。加えて,速く泳ぐ海洋動物の多くの皮膚は,透過性で粘液に覆われています。細糸状の皮膚も,魚が水を乱さずに滑べるように泳ぐ上で好都合です。同様の糸状の物質を用いて実験的に船を造ってみたところ,水の抵抗を実に70%も減らすことができました。しかし,この方法は経費がかかりすぎるため,実用化の見込みはありません。

退屈することのない海洋の探査

創造者は陸地にありとあらゆる種類の生物を造られました。人間は,そのような自然の驚異を注意深く調べることによって,思考力をいつまでも活発に働かせることができます。一方,海洋にも,陸上に劣らぬ,数々の自然の驚異が見られます。そこには,実に奇妙な生物が生息していますが,そのすべては相互依存の関係においてそれぞれ重要な役割を演じているのです。とはいえ,その詳細な働きについては,依然なぞに包まれているものもあります。

例えば,三つの心臓を持つウナギの形をしたメクラウナギがいます。三つある心臓の一つには神経が通じていません。その口というのは単に丸い穴で,歯は舌についており,鼻孔は一つしかありません。メクラウナギは海底にすんでいて,通常は体を半ば泥の中に埋めています。この魚は多量の粘液を分秘します。長さ25㌢から38㌢のメクラウナギを,水の入った小さなバケツに入れて激しく揺すると,数秒のうちにバケツの中味は粘液の大きな塊になって,それをそっくり引き上げることができるほどです。体の軟らかいメクラウナギは,胴体をくねらせて自分の体で結び目を作ることができます。何のためにそのようなことをするのですか。獲物の魚の体に,やすりのような舌でより効果的に穴を開けるためです。粘液が分秘されるため,メクラウナギの体はぬるぬるしていてつかむのが困難です。しかし,メクラウナギは結び目で体をしぼり出すようにして,粘液を自分でぬぐい取るのです。こうして,余分の粘液が大切なえらの開口部をふさがないようにするのです。

フジツボの名は良く知られていますが,これも一風変わった生物です。ある種のフジツボは,船底に付着して船足を鈍らせ,燃料を余分に消費させるので船員からひどく嫌われています。このフジツボが一度付着すると,取り除くことはほとんど不可能です。この小さな生物は,わずか0.0762㍉の厚さで1平方㌢当たり493㌔の“せん断力”に耐えられる非常に強力な接着剤を作り出します。この接着剤は,高温や低温にも,また強い酸や強いアルカリにも,さらに水の侵食や有機物の侵食作用にも耐えるセメントのようなものです。これは,事実上どんな物質をも永久的に接合してしまいます。この接着剤は,塩水中で固まり,その後も塩水に冒されることがないので,医薬用としても価値があるようです。歯科医にとっては,歯の詰め物を固定する理想的なセメントと言えます。整形外科の分野でも,折れた骨の接合剤などとして有用な働きをすることでしょう。持久力のあるこうした接合剤は産業界でも重宝されるはずです。科学者たちは,この優れた粘着物質を分析し,それを化学的に作り出そうと懸命に努力していますが,現在までのところ成果を上げていません。

フジツボは,ふ化し,幼年期を過ぎると,このセメントでかっこうの恒久的な家を造り,その中(実際にはその“上”)に住みます。4つの傾斜面を持つ火山の形をした殻の上部には“噴火口”が開いていて,そこから羽毛状の足を出してプランクトンを寄せ集め,口に運ぶのです。フジツボは,岩や貝殻,クジラ,船,時には固くなった廃油の塊にも付着します。中には,他のフジツボの上にくっ付くものもいます。

フジツボの多くは雌雄同体ですが,一般種のほとんどは自家受精をしません。恒久的に固着しているのに,どのようにして交尾の相手を見つけるのでしょうか。フジツボにとって,これは問題ではありません。フジツボは身を寄せ合って群落を作るため,隣りの適当な相手を選べば良いのです。伸縮自在の長い管を操って隣りにいる相手に橋をかけ,交尾をします。

ある種のフジツボは船には付着しないで,水中の岩に付着します。このフジツボは多くの人から好まれていますが,それは船に付着しないだけでなく,1.4㌔ほどの重さになり,エビやカニに風味が似ていてごちそうになるからです。

これまでの事柄を考え合わせると,詩篇作者の語った次の言葉に,わたしたちは同意せざるを得ません。

「船で海に下って行き,

広大な水の上で商いをする者たち,

彼らこそエホバのみ業を見た者。

深みにおけるその驚くべきみ業を」

― 詩 107:23,24,新。

水面下の,それも非常に深い世界をのぞくなら,自然の驚異をまだまだ目にするはずです。人間は陸地に住む自分たちに益となっている多くのものを海で発見したとはいえ,これまでのところは,海洋の“一部をかいま見た”にすぎないことを認めざるを得ません。海の深いところには,依然数多くの驚異が隠されています。そこには,無尽蔵の知識の宝庫があり,新たな食物や富も見いだされるはずです。「海に下って行き」その驚異を調べる人は尽きることのない喜びを味わうことでしょう。

[17ページの図版]

カツオノエボシの触手の間に住む魚。この触手に刺されると死んでしまう

[19ページの図版]

自分の体を結ぶことのできる魚

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