トルコで起きた地震の余波
トルコの「目ざめよ!」通信員
昨年11月24日トルコ東部のワン湖周辺の地域を襲った地震は,過去40年余りの間にトルコで起きた地震の中でも最悪のものでした。その地震はマグニチュード7.6を記録し,約800平方㌔にわたる地域を荒廃させました。少なくとも120の町村が被害を受けました。雪が20㌢も積もって細い山道をふさいでしまったため,雪の中で孤立したままほとんど救助を受けられなかった被災者もいました。それゆえ,家を失った推定3万ないし5万という非常に大勢の人々は,氷点下の中で空腹のまま風雨にさらされることになりました。
昨年12月7日現在,政府当局は3,790人の死者が出たと伝えています。しかし,他の情報筋によれば,氷点下という天候に加えて,救援活動に関連して起きた諸問題などの悪条件が重なり,被災地では7,000人に上る死者が出たものと思われます。
被災地からの報告によれば,主にトルコ陸軍により計画された救援活動はなかなかはかどりませんでした。その原因は,ガソリンや医療補給品の不足,および恐らく最悪のこととして,かなりの国々から寄せられた毛布,食糧,防寒テント,移動式病院,ストーブ,燃料などの分配の際に不正が行なわれたり混乱が起きたりしたことにありました。トルコの他の地方から寄せられた必需品の入ったトラック一台分の積荷もそのまま途中で“行方不明”になってしまいました。外国の新聞記者および地震の起きた地域で救援活動を行なっているトルコ人は,実際に救援活動の恩恵に浴しているのは金持ちと有力者だけであるという申し立ての真実性を確証しました。
救援や分配の際に見られた不正に対して非難の気持ちを表わしたトルコ人は少なくありません。しかし,さらに重大な意味をもつのは,ワン湖の大惨事後,窮境にある貧しい人々を援助するために多くの人々が払った努力です。エホバの証人は一人もその地域に住んでおらず,直接地震の影響を受けませんでしたが,とりわけ「聖書からの慰め」をもたらそうと努めることにより,苦しんでいる仲間の人々に対する気遣いを示しました。―ローマ 15:4。