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目ざめよ! 1977
目77 8/22 5–8ページ

輸送用コンテナ ― あなたに役立つ一大革命

フィンランドの「目ざめよ!」通信員

外国の友人が送ってくれた貴重な小包が届いているとの通知を税関事務所から受け取るなら,浮き浮きした気分になるでしょう。包の中には何が入っているでしょうか。税関事務所に近づくにつれて,期待が大きく膨らみます。確かに小包がありました。しかし,なんということでしょう。小包は壊れて,中味が損なわれているではありませんか。

あなたが送り主である場合,愛を込めて作った小包が友人の手に渡る前に壊れてしまったことを知るならどう思いますか。さぞかしがっかりすることでしょう。あるいは,商売をしている人であれば,商品の到着が遅れて,それが売り物にならなくなるなら,どう思いますか。船便で荷物を送る際に,こうしたやっかいな問題が起きがちでした。

一昔前に,船旅といえば何か月もかかり,遅いものと考えられていました。多数の船荷の積み降ろしに,数日かかっても,航海の全期間と比べるなら,短いものでした。作業は人力で行なわれたため,積み荷の傷みも大抵少なくてすみました。

しかし,多年にわたって貨物の量が増えつづけ,港湾作業員の賃金が上がったため,荷役作業の機械化が進みました。船舶所有者と貿易業者双方の経費を切り詰めるために,港湾作業の時間を最小限にすることが目標となりました。動きの速い機械を用いて荷役作業を行ない,作業のいっそうのスピード化を図るのですから,積み荷が以前よりも破損しやすくなるのは当然です。多数の小さな荷物から成る積み荷の場合,長期にわたる輸送の各段階で,それらを常にいっしょにまとめておくことは困難で,中には紛失する荷物もありました。国境を越える際の税関の検査も,やっかいな問題となりました。そこで,これらの問題の解決策を見いだすことが必要になったのです。

輸送用コンテナの開発

多数の小さな荷物のこうした取り扱いはどのように簡略化されましたか。早くも1886年には,“コンテナ”輸送という概念がドイツの雑誌に発表されていました。しかし,顕著な進歩が見られたのは1928年になってからのことです。その年,欧州のある鉄道会社は“コンテナ”の輸送と交換に関する契約をローマで結びました。これらの“コンテナ”は多数の小さな荷物を詰めた大きな箱でした。箱は封印された後,目的地に運ばれますが,国境を越える際にそのいずれの側でも税関の通常の検査を受けないですむようになっていました。

このざん新で画期的なシステムが好成績を収めたため,船で荷物を送る際に規格化された堅固なコンテナを使用する考えがクローズアップされました。1953年から翌54年にかけて,このアイデアがフランスで検討され,1954年の国連主催のある会議にその結果が報告されました。それによると,コンテナの使用によって,輸送費は3割ほど節約できます。これを実行に移すために,数隻のタンカーの甲板に試験的に固定装置が取り付けられました。実験は見事に成功しました。

まもなく,国際標準化機構(ISO)から,新しい貨物輸送手段であるコンテナの誕生が発表されました。その規格は容量1立方㍍の耐久力のある箱形容器と定められました。現在では,“コンテナ”という語は広い意味を持ち,陸,海,空による輸送手段全般をも含むようになってきました。コンテナ輸送に共通している主な特徴は,貨物が堅固な箱形容器に詰められ,封印されたまま目的地に運ばれることです。

今日では,コンテナの規格サイズはずっと大きくなり,長さが約6㍍ないし12㍍,幅が2.4㍍あります。このコンテナは,トラックトレーラーの箱形貨物車の車輪部分を除いたような形をしており,貨物を満載したままクレーンやフォークリフトなどの機械で運ばれても壊れないように作られています。

海運業者や船舶所有者は,コンテナを業者に貸与したり,コンテナに入れる同一港向けの小口の船荷を集めたりする仕事を行ないます。コンテナのふ頭への搬入やふ頭からの搬出は,特別に設計された鉄道用の平台車やトラックにけん引される低床トレーラーによって行なわれます。

輸送中に個々の荷物を動かす必要がないため,積み荷の破損は大幅に減りました。行き先が明示されていて目的の港にコンテナごと送られるため,荷物が途中で紛失する危険も少なくなりました。長さが6ないし12㍍もある箱は容易にはなくなりません。

ふ頭では,コンテナによって積み込み時間が大幅に短縮されました。コンテナ船用施設の完備した港では,一日足らずで,コンテナ船の荷の積み降ろしを終え,帰路に就くことが可能です。一方,荷を半分積んだ従来の貨物船が帰路に就くには,少なくとも一週間を要します。このように,コンテナ船は従来の貨物船の4倍以上の働きをします。

最大級のコンテナ船は,長さ6㍍のコンテナを一度に2,500個まで運ぶことができます。世界でコンテナ輸送が最もひんぱんに行なわれているのは米国と欧州の間です。そこには,コンテナを取り扱う高価な施設が多数建造されています。陸路を含めた最も長いコンテナ輸送ルートは,欧州からシベリア経由で日本に至るルートです。コンテナはソ連船によって欧州の港からレニングラードに運ばれ,そこから鉄道でシベリアを横断して太平洋岸に送られます。太平洋岸の港からは,再び船で日本に運ばれます。コンテナ輸送システムは,各国の実情に合った形式で,国内輸送にも広く採用されています。

“ロールオン・ロールオフ”輸送

コンテナ輸送と似かよった輸送法に“ロールオン・ロールオフ”輸送があります。貨物を荷台車に積んだまま,船に運び込み,そのまま降ろすのです。この過程でクレーンは一切用いられません。“ロールオン・ロールオフ”船には,船首や船尾近くに大きな扉があり,車がそこを通って行けるようになっています。車両は,傾斜通路や水圧エレベータを利用して指定された階に運ばれ,そこから所定の場所まで運転されて行きます。

このため,船の内部はさながら海洋を進む大規模な駐車場を思わせます。この種の船一隻で,トレーラーをけん引したトラックトレーラーなら約50両,長さ12㍍のトレーラーだけなら80台を収容できます。ですから,トレーラーけん引用トラックがコンテナ用トレーラーとともに船に残ることもあれば,1台のけん引用トラックが数台のコンテナを船に運び,目的地の港では別のトラックがそれをけん引することもあります。

大きな湾が陸地を隔てている北欧やスカンジナビア半島では,15年以上も前から船によるトレーラーの輸送が行なわれています。もちろん,この輸送法の利点は,荷物をいったんトレーラーに積み込めば,途中で再び動かす必要がないという点にあります。コンテナ全体が,車両に載せられたまま目的地に運ばれます。冷凍トラックに積んだフィンランドの肉が,この方法で遠くイタリアにまで送られています。

こうした形態の輸送法が近年急速に発展し,事実上新しい業種が生まれるまでになりました。トラックの居室や船の客室に寝泊まりして,絶えず国外へ旅をするトラック運転手も少なくありません。多くの“ロールオン・ロールオフ”船には,トラック運転手用の快適な客室が設けられており,ゲームやサウナぶろなど種々の娯楽施設で退屈しのぎができるようになっています。

航空機によるコンテナ輸送

航空貨物輸送の分野でもコンテナ化が進んでいます。もちろん,航空輸送用のコンテナは,形状,大きさ,構造の面で,海上および陸上輸送用のコンテナとは異なっています。貨物機の機内を最大限に活用するため,コンテナの側面は機内の壁に合うように湾曲している必要があります。貨物機の中には,機首もしくは尾部がちょうつがいでドアのようにぽっかり開くようになっているものもあります。こうして,特殊な形をしたコンテナを貨物室に簡単に運び入れることができます。

航空機による旅客運送にコンテナの概念を応用することはどうでしょうか。このアイデアは,当初感じるほど奇抜なものではありません。輸送計画の立案者や技術専門誌は,その可能性についてすでに検討し始めています。これには,貨物輸送をコンテナ化する場合と同様の利点があります。現在のところ,乗客が飛行機から降り,荷物を降ろし,機内を清掃し,補給品を運び入れ,次の便の乗客が席に着くまで,高価なジェット機は空港に長時間止まっていなければなりません。

立案者たちは,客室全体を入れ換えることのできる飛行機を製作して,この時間を短縮したいと考えています。それは,客室を一種の巨大な“コンテナ”にすることを意味しています。乗客が席に着くと,密封された客室全体が機体に固定されるのです。こうして機体の一部が空港で交換されるわけですから,飛行機が再び飛び立つまでに要する時間は現在よりかなり短縮されることでしょう。こうした奇抜なアイデアが具体化されるかどうかを知るには,時の経過を待たねばなりません。

幾つかの問題

他の分野と同様,コンテナ輸送にも多くの利点はありますが,それなりの代償も払わねばなりません。例えば,港湾作業員たちは,コンテナ化を自分たちの仕事に対する脅威とみなしています。これによって,省力化が進み,失業者が出るからです。ですから,コンテナ“革命”も,これらの人々の目には異なったものに映ります。しかし,港湾作業員は新たな資格を身につけるべく現在訓練を積んでおり,彼らの働けるターミナルも次々に新設されています。船積みのコンテナ化と機械化は,普及しつつあるようです。

小包の到着が時折り遅れ,中味が破損していることが依然あっても,荷役作業の質の向上やスピード化,効率化にコンテナ革命が大きく寄与してきたことは確かです。コンテナで荷物を送るなら,これまでより破損する危険はずっと少なく,遅れることなく無事に配達されることでしょう。

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