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目ざめよ! 1977
目77 9/8 12–14ページ

クロボ族は思う心をビーズで伝える

ガーナの「目ざめよ!」通信員

穴のあいた小さなガラス玉,ビーズは,非常に小さく取るに足らないもののように思えます。しかし,多くの種類のビーズは,長年にわたって人々に高く評価されてきました。ビーズは,族長アブラハムの故郷であったウルの国王の墓の中や昔のエジプトのミイラの土,またギリシャやイタリアにある古い墓の中などでも発見されています。シュネムから来た美しい娘を見て心を奪われたイスラエルのソロモン王はこう述べました。「あなたのほほは編み髪の間にあって,あなたの首は一つなぎの飾り玉の中にあって麗しい」。(雅歌 1:10,新)ヨーロッパの商人たちが西アフリカ沿岸に向けて出発するずっと以前に,ガーナのクロボ族はビーズの魅力につかれていました。

クロボ族の職人によって造られるビーズ(アディアグバと呼ばれている)は,古代も今も,その美しさと珍しさ,また持ちのよさを買われて,ガーナでは非常に高く評価されています。ビーズは贈り物としてよく用いられます。現代の貨幣が現われる前は,ビーズは交換媒介物の役目を果たしていました。実際に,アディアグバは,建物や土地を借りたり抵当に入れたりする際に担保としてさえ用いられています。ビーズの首飾りは,種類や数によって異なりますが,安いもので10セディaあたりから高いもので100セディはします。

ビーズの用途

日常の生活に用いられるだけのビーズも数多くありますが,家族の財産として代々伝えられるものもあります。そのような家系に伝わるビーズは貴重なものとされ,多くの場合,一種の尊崇の念を集めています。そのようなビーズが売られることはありません。しかし葬式の際には,故人を思い起こす意味で,またある場合には単に家族の財産を見せるという目的で人前に出されます。また,少女が成熟期に達したときに行なわれる伝統的な儀式の際には際立った仕方で用いられます。

真のクリスチャンは行ないませんが,クロボ族の少女が一人前の女性になるときに行なわれる習慣的な儀式の際には,ビーズを存分に見せびらかします。しかし,普段はそのようなことは行なわれません。少女たちは各々の家系に伝わるビーズで飾りたてられますが,中には少女たちの祖母が若いときに身に付けたものもあります。高価で貴重な飾りを付けて衆人環視の中に置かれた少女たちは,その土地の人々,特に結婚適齢期にある町の独身男性の注意を存分に集めます。太鼓の音に合わせてリズミカルに体を動かす少女たちは,『私たちはもう結婚の用意ができているのですよ』と言わんばかりです。またこの行事は,それぞれの家族が自分たちの財産を普段よりも思い切って見せる機会ともなります。

それで,クロボ族が“思う心をビーズで伝える”というのはとりわけ真実のことと言えます。様々なビーズはそれぞれ違った名前や意味を持っています。ポワという名前には,“私はあなたに挑戦する”という意味があり,コリという名前には,“あなたは私より勝ってはいない”という意味があります。また,オドノーという名前は“私は持っているがあなたは持っていないので,あなたはそれをねたんでいる”ということをはっきりと示しています。オミティオミートは,それより控え目に,“私の労働の成果”を意味しているにすぎません。人々は,ビーズを見せびらかしながら町中を気取って歩き回る,様々な家族の主だった者を目撃しようと遠くから旅をしてきます。

より鮮やかな色のビーズは,クロボ族の祝典や伝統的な祝祭のときに用いられます。黒や濃い色のビーズは喪に服している期間を表わし,白いビーズは,子供の誕生や結婚が成立したとき,また重病から回復したときなど,喜びのときに用いられます。

複雑な模様と魅力的な色

土地の職人たちの腕前はビーズを見ればよく分かります。よく見ると,ビーズには大抵の色が見られますが,黄,濃い茶,赤,青などが主な色のようです。違った色をじょうずに混ぜることにより,職人は,暗い色のガラスの上で,色付きの溶けたガラスが爆発したものを小型にした模様を造り出しました。小さな押し花やしま,うず巻きや風車などに似たかわいらしい模様は珍らしくありません。みがき上げられた良質のビーズは明るいところではきらきらと輝きます。クロボ族の人々がビーズから楽しみを得,考えや感情を表わすのにビーズを用いているのも不思議ではありません。ところで,それらのビーズはどのようにして造られるのでしょうか。

作業中のクロボ族の職人たち

まず,直径高さ共に60㌢ほどの炉を用意します。その炉は,近くの川岸から取ってきた,良質で熱に強い粘土で注意深く造られています。炉の上に数本の鉄棒がわたされますが,火はそのすぐ下まで来るようになっています。

次に職人は,同じ粘土から幾つかの型を造ります。それらの型は,縦横約15㌢,厚さ約2.5㌢の板状のもので,直径約6㍉から18㍉,深さ約12㍉の穴があいています。ビーズを造る材料がその穴に入れられるのです。炉と型は共に日の当たるところでよく乾燥させます。型は,十分に乾燥してから,穴の内側や縁が滑らかになるように白亜色の石灰石でみがかれます。炉と型の用意ができると,土地の職人はビーズの原料選びにかかります。

ビーズを造るのに用いられる原料は,ソソと呼ばれています。その色は大抵黄色がかっており,細かくすりつぶされたガラス,珪土,磁器などです。なめらかな石の上ですりつぶされると,次に,粉は入念にふるいにかけられます。対照的な色を造り出す材料も同じようにして準備されます。職人は原料の粉を少量の水で湿らせて,粘土板の穴に入れます。それから,非常に細い木の棒を穴の底に達するまで粉の中へ差し込みます。しかし,どのようにしていろいろな模様ができるのでしょうか。ビーズの主要な原料が型に入れられると,一定の間隔をおいて,棒の周りの湿った粉の中に四つかそれ以上の小さな穴があけられます。その穴の中に色の付いたガラスの粉が注ぎ込まれます。そのようにして,ビーズを魅力的で人の目を奪うものとしている模様が出来上がるのです。型の穴がすべて埋まると,板状の型を窯の中へ入れるばかりになります。

職人は窯の中の鉄棒の上に型を置き,棒の下に十分の量の乾燥した堅木のまきを置いて火をつけます。十分に温度を上げてガラスや珪土,磁器などを溶かすため,職人はふいごを使います。型の中の原料がみな溶けているのを確認した上で型は素早く窯の中から引き出されます。それから,クロボ族の職人たちはやけどをしないように気を付けながら型を一つ一つ手に持ち,それを巧みに揺り動かしたりし,ねじったり,たたいたりします。これは,望み通りの模様を造るために,色を混ぜ合わせる役目を果たします。それから型をわきに置き冷やします。後ほど,ビーズは,穴の中に先のとがったかぎ状の物を差し込んで,一つずつ引き出されます。その穴は,炉の中で原料が溶けたとき中心にあった細い棒が焼けてできたものです。

もし皆さんがこの段階で美しい色付きのビーズを見られると期待しておられたなら,最初はがっかりされるでしょう。しかし,もう少し手を加えると,ビーズは見違えるようになります。

職人はざらざらした平らな石を取り,その上でビーズをこすりビーズのでこぼこした箇所を一応取り除きます。それから,平らで滑らかな石を使って,光沢のある見事なビーズに仕上げます。出来上がったビーズは,落ち着いた輝きがあり魅力的です。ビーズを糸に通せば仕事は完了です。

土地の職人は今くつろいで,仕事の見事な出来栄えに満足してほほえみます。その首飾りは,言葉でではなくビーズでだれかに話し掛けることでしょう。クロボ族の人々は思う心をビーズで伝えたいと考えることがよくあるからです。

[脚注]

a 1セディは約260円。

    日本語出版物(1954-2026)
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