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目ざめよ! 1977
目77 11/22 21–24ページ

日本の空高く舞い上がる

日本の「目ざめよ!」通信員

冬の日の見事な夕焼けを背景に人影がぽつんと橋の上に見えます。彼の注意は,空に躍っている何か黒い物に全く向けられています。彼は何に熱中しているのですか。凧です。

あなたはたこを上げたことがありますか。このような趣味を持つ人は,強い風が吹く空き地に足を運ぶことになります。西欧ではたこ上げをするおとなもわずかいるとはいえ,たこは一般に子供のおもちゃと考えられています。しかし日本ではあらゆる年齢の人々が,そう快でくつろぎを与える娯楽としてたこ上げを楽しんでいます。

ここではたこ作りが芸術のひとつになっています。色彩,形,デザインが競われます。日本人の持つたこ作りとたこ上げの技術は,この国において今に至るまでたこの大作を生み出してきました。

古い起源

日本で記録に残る最初のたこは西暦931年にさかのぼります。それはたこの発祥地である中国から渡来したものです。当時,仏教と共に和紙(東洋で発達したきわめて丈夫な紙)が日本にもたらされました。この事が同時であったのは,たこは和紙で作られ,また仏教の行事に使われたからです。

11世紀にはたこは軍事的な象徴として使われ,また後の時代には戦闘中,友軍に情報や食糧を送るために用いられました。アメリカインディアンが煙でのろしを上げたように,日本人は戦争の時,たこを上げて自分たちの位置を示しました。何百年も前に日本人は幾何学の知識をかなり持っていたに違いありません。たこに長い尾を付け,それを敵陣の真上に上げることによって敵と味方をへだてる距離を計算しているからです。こうして敵陣の内部に通ずるトンネルを掘ることさえできました。

16世紀になるとたこはおもちゃとして普及しました。大きなたこを町の中で勝手に上げたため,扱いにくいたこが人々の頭上に落ちて大けがをさせる事故がよく起きました。たこ上げを禁ずる法律も無視されてしまい,この遊びは最大のブームを迎えました。

漁師もたこを利用しています。昔から気流を確かめるために漁師はたこを使い,こうして沖に出るのが安全かどうかを決めていました。

18世紀には日本のたこのデザインに大きな変化が起きています。木版画が模写されて,たこのデザインに取り入れられるようになったのがひとつの理由でした。それに加えて日本は外の世界に門戸を開放し始め,ほどなくして中国,東南アジア,遠くはインドなどの影響がたこの絵のデザインに表われるようになりました。

たこに関する伝説

たこは悪霊を払うお守りとして使われてきました。男の子が生まれた家では,その年の暮れになると,祖父が巨大なたこに悪鬼を描きます。そして男の赤ん坊の上の天井につるしておくのです。正月の元日にたこは取り下ろされ,家の者の手で上げられますが,これによってすべての災厄が家から払われ,風に乗って去ると信じられています。こうしてあらゆる災厄の可能性が除かれたことになり,子供の健康と幸福は保証されると考えられたのです。昔のこの風習の今なお残っている土地が日本に一,二箇所あります。

今日,日本のどこへ行っても,祭りの時,子供にたこを与えることが行なわれています。毎年,男の子の祭りと女の子の祭りがそれぞれひとつあるのです。たこの絵にはさまざまあって,長寿を表わすつる,または亀,繁栄を表わす龍,力を表わす鯉など一定の願いがこめられており,これらの場合にたこは幸運の護符とされています。

ヨーロッパで非常な人気を得た有名な南部だこも,昔の宗教的な迷信を反映しています。神道の信者は神々への願いを南部だこに書き,神社へ携えて行ってそのたこを上げました。このようにして神々の地上降臨を待つことなく,祈願が直接に神々のもとに届けられると人々は信じたのです。

辺ぴな山村では今でもおもしろい風習が見られます。稲を収穫する激しい労働の後で,若者たちはたこ上げ競技に集まって楽しい時を過ごします。技の最もすぐれた者が,地主の最も美しい娘から結婚の承諾を得るのです。

しかし宗教的な伝統とかかわることを望まない人でも,たこ上げを楽しむことができます。たこを宗教と結びつける必要はありません。そして色彩を加えたい人は,無地のたこに自分の好みの図柄を描くことができます。あるいはいっそのこと,たこを初めから作ってみてはいかがですか。

たこを作る

第1段階: 曲げても折れない軽い,薄い木の骨3本(できれば竹)を用意します。第1図はその組み立て方を示しています。適当とされている太さは4×2.5㍉,3.5×2㍉および3×2㍉です。中間の太さの骨はたこの上部に,いちばん軽いものは下部に,いちばん重いものは垂直の骨にそれぞれ使います。よく上がるたこを作るには,たこのバランスが重要です。したがって垂直の骨は二本の水平の骨の中心を通っていなければなりません。

さて細い糸を使い,a,bの2点で枠をしばります。その際,たこのバランスに気をつけてください。一箇所で使う糸が他方の箇所に使う糸よりも多くならないようにします。

第2段階: 第2図に示されている通りの和紙または軽くて丈夫な紙を用意します。これであなたの芸術的な才能を発揮して絵を描く段取りができました。2,3回試し描きをしてから,無地のたこに筆をおろすと良いでしょう。

表面を下にしてたこを置き,小麦粉と水で作った薄い糊を糊しろと枠につけます。(第2図参照)垂直の骨が水平の骨の上側になるようにして,骨組みを紙の上に置き,糊しろを張り付けます。紙がしわにならないように注意しなければなりません。後で軽く水をスプレーすると,たこはぴんとします。紙の三角形の頂点より突き出ている木を切り取ってください。

第3段階: 誘導糸にはいっそう丈夫な糸が必要です。第3図にはたこ表面上の取り付け位置(c,dおよびe)を示してあります。誘導糸を枠に結びつけるには,紙に穴を開けることが必要ですが,紙を破らないように注意してください。結び目をきつくするならば,糸はそれぞれの箇所で骨をひと巻きするだけでじゅうぶんです。大ざっぱに言って誘導糸の長さはそれぞれ,たこの横幅の二倍にします。糸は点xの真上でひとつになるようにすることが大切です。ついでに言うと,経験を積んだ人は,ある長さの糸を切らずに,それから三本の誘導糸を作ることができます。

第4図に示されているように,点cと点dの間で糸を引き締めることによって,たこは湾曲します。たこを上げるのに使う糸は誘導糸の結び目にとりつけます。糸のどれかがたるんでいても,たこは大きく傾くか,きりきり舞いをすることでしょう。上げやすくするためには,長さ1㍍の尾を,第4図に示されている位置に付けることができます。尾をつけないでたこを上げられるようになれば,プロの仲間入りをしたと言えます。

老若,また独身と家族持ちの既婚者とを問わず,たこ作りはとても楽しいものです。親はこの機会を用いて子供たちに風,雲,空 ― 偉大な創造者について無言のうちに“語っている”もの ― について何かしら教えることができます。皆で集まって,たこ作りを家族の共同作業にしてはいかがですか。あるいは友人を呼んできて一緒にたこを作り,上げてみませんか。

たこの遊び

日本で人気のある競技のひとつは,たこを交差させるという思いつきから出ています。別の競技者のたこ糸を切ってたこを飛ばすのが目的です。これはたこが空中に上がっている時,自分のたこの糸を他の人のたこの糸にからませることによって行ないます。糸は摩擦によって切れます。しかし苦心して作ったたこをこのゲームで失うことを,あなたは望まないでしょう。

基本的なたこに変化をつけることによって楽しみをふやせます。例えば,子供はとくにたこの上部に弓形をつけてスリルを味わいます。これは弓形が風に鳴ってうなりを生ずるためです。

そう言えばもうひとつの面白い,たこ上げの遊びがあります。紙で円すい形を作ってその中いっぱいに花びらを入れ,薄い紙切れに糊を少しつけてふたをし,少しだけ口を開けておきます。たこの糸をこの円すいに通します。この小さなパラソルは,空を舞うたこの糸に沿って次第に上昇し,強風で紙のふたが破れると,きれいな花びらの雨を降らせます。

創作力を働かせるならば,新しいゲームや新しいたこを思いつくことでしょう。

物語に表われるたこ

1712年のこと,怪盗柿木金助は,たこを使って名古屋城天守の屋根にとりつき,土地を奪われた報復として,しゃちほこから黄金のうろこを盗んだと言われています。このエピソードは50年後に劇となり,今日でも日本で上演されます。

ある封建君主と若君についての話もあります。12世紀のことある島に流されたこの君主は,失った地位を取りもどすため,息子をたこに乗せて本土に送り帰したと伝えられています。

魚釣りの話と同じで,たこ上げの場合にも‘大げさな話’が多く語られています。たこ上げの後で‘釣り落とした魚’の話をしたり,大げさな手柄話をするのは良い趣味ではありません。

家族全員で楽しむことのできる,そしてとくに費用も時間もそれほどかからないものであれば,そうした趣味を持つことに対しては多くを語れます。あなたのたこがあまり重いものでなく,また安全な場所で注意して上げるならば,この趣味が害になることはありません。作って上げて,そして楽しむことについて何かを体験するでしょう。あらゆる年齢の人が,空を舞うたこの引く力を感じる時スリルを味わいます。それをためしてみませんか。たこを上手に上げて楽しんでください。

[23ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

図1(骨組)

図2(紙)

図3(組立てられたたこ)

図4(飛ばしているところ)

    日本語出版物(1954-2026)
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