ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目79 5/8 24–26ページ
  • パパイア ― 樹上に実るウリ

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • パパイア ― 樹上に実るウリ
  • 目ざめよ! 1979
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 薬としての特性
  • 熱帯の珍しいくだもの
    目ざめよ! 1973
  • フィリピン流の工夫の才
    目ざめよ! 1971
  • 世界中で愛されるおいしい果物
    目ざめよ! 1995
  • 物質の財産を賢明に用いる
    目ざめよ! 1979
もっと見る
目ざめよ! 1979
目79 5/8 24–26ページ

パパイア ― 樹上に実るウリ

ブラジルの「目ざめよ!」通信員

ブラジルではマミャオと呼ばれ,カリブ海では所によりフルータ・ボンバとして知られています。メキシコ人たちはこれをメロン・ザポテと言いますし,オーストラリアの人々や南海の島民たちはポポーと呼んでいます。でもカリカ・パパイアというラテン名を好む人もいます。その土地での呼び名がどうであれ,約20種類を数えるこの植物が見られるのは熱帯地方と,ハワイ,台湾,クィーンズランド,南フロリダなどを含む霜の降りない特定の亜熱帯地方だけです。

パパイアは水分の多い,メロンの形をした果物で,健康にも役立ちます。幾分カンタループ・メロンに似て丸型か西洋なしの形をしたパパイアは,ひとつが11㌔もあり,長さは7.5㌢のものから50㌢のものまであります。そして30かそれ以上の実が房となって直接パパイアの木の幹になるのです。

この植物には樹冠があるだけで側枝がなく,平均3ないし4㍍の高さに達するため,ヤシの木を小さくしたような格好をしています。外見は樹木のようですが,これは実は草の仲間で,幹も木質というより肉質です。これを“巨大な草”と呼ぶ人もいます。葉の切れ込みが深いのでイチジクやカエデの葉を連想するかもしれませんが,パパイアの葉は直径が60㌢になるものもあり,葉が付く茎も,中は空洞になっています。

パパイアの木は一年もしないうちに大人になります。その成長の初めは実の中のくぼみにある,黒くて丸い,しわのよった豆のような種子です。この植物は一年のうちいつでも実をつける仕度ができています。普通パパイアの木は,丸い実をいつもたくさん結ぶ雌木ですが,両性花の咲く雄木もあり,こちらの方は長い幹の上に円筒型の実をつけます。パパイアの寿命は五年を下らないと言われています。

パパイアの果実は味も形もマスクメロンに似ているのですが,手ざわりはなめらかです。約九か月で熟してくると,色も緑から黄色に変わってきます。果肉は大体黄色かオレンジに近い黄色ですが,サーモンピンクのものもたまにあり,2.5㌢ほどの厚みがあります。全くと言っていいほど繊維がなく,その香りは,他の果物とは違って,かすかに甘く芳しいじゃ香の強いのが特色です。

朝食かデザートにパパイアを召し上がってみませんか。ある人は,もちろん熟したものですが,そのまま食べるのを好みます。砂糖やレモンを加える人も加えない人もいます。ブラジルの多くの人々は,それをバナナやマンゴやパイナップルと混ぜてフルーツサラダにするのが好きですが,他にも食べごろのパパイアをそのままパイナップルなどの果物と一緒にミキサーにかけて混ぜ合わせ,おいしい飲み物を作ったりします。まだ青いパパイアを調理してそこに砂糖と多分おろしたココナツを加えて作ったソースに目がないという人もいます。

熟し切らない果肉にシロップを加えて煮るのも大変おいしいものです。そのほか,パパイアの青い実を,とりわけシチューの時には(かぼちゃのような)野菜として使う人もいます。それに加えて,パイやシャーベットや菓子にも使います。砂糖煮の場合は青い実をさいの目に切るか,すりおろして使います。パパイアをさいの目に切ってから次の日まで(布につつんだ)少量の石灰と一緒に水の中につけておきます。それからパパイアを洗い,砂糖,そしてカラメルの香りをつけたい場合には赤砂糖を入れて加熱します。石灰には砂糖づけの果物のように,外側を堅くする働きがあるのです。パパイアは残念ながら非常に腐りやすいので,かん詰めや清涼飲料水の形にしないと輸出するのは困難です。

薬としての特性

パパイアは“薬の木”と呼ばれることもありますが,それには確かにそれなりの理由があります。この木のどこを取っても薬としての特性があるからです。中空になっている肉質の茎にはカルシウム,リン,鉄だけでなくビタミンA,B,Cが豊富に含まれています。雌木の幹にはたんぱく質が1.5%,糖分が7から10%あり,茎,葉,青い実から出る白い汁は格好な虫下しになります。また小さな黒い種子は腸の中の不快な寄生虫のすべてを除き去ってきれいにします。パパイアは肉,玉子,牛乳,豆類などのたんぱく質の消化を助けることにより,すい臓の正常な働きを促進します。さらに消化不良を直し,病気に対する抵抗力をつけ,糖尿病や肝炎の患者に効果を発揮し,さらにぶどう酒やビールの不純物を除去するために用いられます。

しかし,パパイアが薬剤としてこんなに価値が高いのはなぜだろうかと思われるかもしれません。確かにビタミンや無機塩類だけがその理由ではありません。でもあなたはパパインという酵素について聞いたことがありますか。たんぱく質の消化という点でパパイアの右に出るものがないのは,この酵素のおかげです。パパイアにしか含まれていないパパインは動物の酵素で言えばペプシンに相当します。薬品製造業界は長い間パパインの恩恵を受けてきました。さて,パパインが大量に含まれるのは青い実の皮のすぐ下なので,パパイアがまだ木に付いている間に,細長い傷が表皮につけられます。するとゴムの木からにじみ出る乳液に似た白濁の液がしみ出てくるので,それを容器に受けるのです。皮に傷をつける作業は三日から五日に一回繰り返して行なわれます。パパイアが熟するにつれて液はしだいに少なくなり,熟しきった時点で出が止まります。それから液を乾燥させて出荷の体制を整えます。

熱帯に住んでいる人や熱帯を訪れる人であればなおのことパパイアのありがたさがわかるでしょう。そのような国々では,小腸や結腸に住みつく鉤虫のような寄生虫に悩まされるかもしれないからです。しかし,パパインはごく普通の寄生虫の角質の表皮を襲い,溶かすのです。パパインは無害であり,熱帯地方では一番手ごろな虫下しです。まだ青くて苦いパパイアに食指が動かなければ,毎食後に葉の一部ないしはスプーン一杯の種子をかんで飲み込んでみませんか。これはあまり気持ちの良いものではないかもしれませんが,寄生虫の体内への侵入を防ぐことができるに違いありません。この種子にはオランダガラシやハツカダイコンを思わせるぴりっとした辛みがあります。

たんぱく質の豊富に含まれた本格的な食事の度に,熟したパパイアを一切れ召し上がってください。そうすれば消化不良を起こさずにすむでしょう。もし自分で料理をするのであれば,生肉をひと晩大きなパパイアの葉で包んでおいてください。肉の堅さをほぐすその力にびっくりされることでしょう。ブラジルの内陸部では猟師も家庭の主婦も長い間この方法を採用してきました。年老いた動物を殺した際,その堅い肉をパパイアの葉にくるんでおくと,次の日にはそれが若い動物の肉のように柔らかになります。古いニワトリの場合も同じ方法を用いるか,あるいはパパイアの汁をすり込むかすれば柔らかくなります。このようなわけで市販されている大部分の食肉軟化剤には,パパインが含まれています。

他の利点もあります。家族のだれかが時々悪性カタルにかかることがありますか。もしそうでしたら,パパイアの花をゆでて赤砂糖を加え,そのシロップをろ過します。こうしてせき止めの良い薬が出来上がります。ブラジルではパパイアの葉の一片を体の痛む所にあてがって,回復を速めようとする人は少なくありません。その葉を直接傷口や痛い部分に結びつけるだけです。またパパイアの果実をすりつぶしたものは,膚のしみを取り除く外用薬としても用いられます。

パパイアのことが詳しく分かりましたから,ここでその実がどこになるかを思い起こしてみましょう。“ウリ”と呼ばれてはいても,つるになるのではありません。むしろ上を見てください。パパイアは樹上に実る“ウリ”なのです。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする